『赤と青のガウン オックスフォード留学記』 彬子女王 PHP文庫
女性皇族として初めて海外で博士号を取得された彬子女王殿下による英国留学記。赤と青のガウンとは、オックスフォード大学の厳しい博士課程を成し遂げた者しか袖を通すことを許されないガウンである。
読みやすく、彬子女王の人柄がそこはかとなく感じられる本。お優しく、頑張り屋さんなんだと思う。そして、お父さまの話は出るが、お母さまの話が一切出ないところに、ものすごい母子の確執を感じてしまった。
『おわりのそこみえ』 図野象 河出書房新社
日当7500円のバイトに遅刻しないために2000円払ってタクシーに乗り、スマホで消費者金融のアプリとマッチングアプリを交互に見る生活を送る、買い物依存で性依存の美帆。両親は貧乏で不仲、バイト先で再会した同級生の宇津木は美帆のストーカー。今を生きるため人生を手放し、地獄の底の絶望と希望へと爆進する。第60回文藝賞優秀作。
う~ん。私はあまり好きではないなあ。ぶっとんでいる。
よくSNSで「死にたい」とつぶやく子は、「死にたい」もファッションみたいなもので、死にたいって言いながら生きるの。 ひどいことをしていながら、反省して生きていくという男に「反省しているふりして今後もっとひどいことをするよ」そう言う美帆は、本質をついていると思うが、なんか嫌な話だった。