芥川賞受賞作が掲載されている『文藝春秋2025年5月号』を読む。芥川賞というと読んでも「?」というのが多い印象だが、この2作は普通によかったと思う。
『DTOPIA』 安堂ホセ 河出書房新社
恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。ミスユニバースを巡ってMr.LA、Mr.ロンドン等十人の男たちが争う。そこで再会したMr.東京こと「おまえ」キースと「私」モモ。幼なじみのふたりには、10年前にあることが起きていた。
設定がおもしろい。だが、途中で私は迷子になった気持ちになった。人種差別や性的マイノリティなどさまざまな現代の問題を詰め込んだなあという印象。そして、その問題をナイフの切っ先を胸に当てられているような気分で読んだ。
『ゲーテはすべてを言った』 鈴木結生 朝日新聞出版
高明なゲーテ学者、博把統一は、一家団欒のディナーで、彼の知らないゲーテの名言と出会う。ティー・バッグのタグに書かれたその言葉を求めて、膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿るが……。
高尚すぎて、難解すぎて。でも、『DTOPIA』より、私は面白かった。SNS全盛の世の中、出所をたどるのは大切なことだと思った。
ゲーテは読んだことがない。読んでみようかなと思った。
『DTOPIA』 安堂ホセ 河出書房新社
恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。ミスユニバースを巡ってMr.LA、Mr.ロンドン等十人の男たちが争う。そこで再会したMr.東京こと「おまえ」キースと「私」モモ。幼なじみのふたりには、10年前にあることが起きていた。
設定がおもしろい。だが、途中で私は迷子になった気持ちになった。人種差別や性的マイノリティなどさまざまな現代の問題を詰め込んだなあという印象。そして、その問題をナイフの切っ先を胸に当てられているような気分で読んだ。
『ゲーテはすべてを言った』 鈴木結生 朝日新聞出版
高明なゲーテ学者、博把統一は、一家団欒のディナーで、彼の知らないゲーテの名言と出会う。ティー・バッグのタグに書かれたその言葉を求めて、膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿るが……。
高尚すぎて、難解すぎて。でも、『DTOPIA』より、私は面白かった。SNS全盛の世の中、出所をたどるのは大切なことだと思った。
ゲーテは読んだことがない。読んでみようかなと思った。