ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

「エルマーのぼうけん展」

2024-05-16 23:37:43 | 美術鑑賞
「エルマーのぼうけん展」 2024.3.23-5.19 明石市立文化博物館
開館時間/9:30~18:30  会期中無休

 ルース・S・ガネットの書いたエルマーの本の原画展。(挿絵は、義母のルース・C・ガネット)



<エルマーとぼうけん>

私の本とは向きが反対 鯨の上を飛ぶなんて楽しい


ねずみ、かわいい


とらがチューインガムを噛んでいる


これも向きが反対 私の好きな場面



不採用のカット 鉛筆と違ってペンで描いているのでハッキリしすぎているからダメだったのかな

<エルマーとりゅう>

カナリア島の地図


ここも反転 布にエルマーとりゅうの文字が入る


エルマーとりゅうの扉絵らしいが、私の本には見当たらない


これも反転 

<エルマーと16ぴきのりゅう>

表紙 左側は周りのりゅうが私の本にはない


見つめ合っているカットがいい エルマーとりゅうの間に信頼や親しみを感じる


私の本には見当たらないカット



ガネットが幼い頃に自作の物語を語り、大人たちがそれを書き留めている。これは、ワンダー・ガアグ(『100まんびきのねこ』の作者)が書き取り、挿絵を描いた「農場物語」!
 『「エルマーのぼうけん」をかいた女性』(前沢明枝 福音館書店)では、「どんな話でも子どもたちが話せば、大人は熱心に耳を傾け、とても大切にしてくれた。」とある。学校では、字を習う前に字を読んだり書いたりできたら、どんなに楽しいかをまず教わるのだとか。自分のお話が文字になっていく喜びを知っていたのだろう。

 作者のルース・S・ガネットは、差別的な考えのない、自由で、こどもを一人の人間として大切に扱う家庭で育ったよう。前述の本の中では、「叱られた記憶はない。まちがったことをすると どうしてそんなことをしたのか聞かれたこと。それから、そういうことをしたら、どんなことになるか、一緒に考えたり、説明してくれたこと。父も母も私たちの小さいときから大人と話すように接した」のだとか。自分の子育てを考えると頭がイタイ。

 挿絵は、ルースの父親の再婚相手。本にぴったしの挿絵だったなあ。
 





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「Colorful JAPAN」

2024-05-15 20:12:19 | 美術鑑賞
「Colorful JAPAN 幕末・明治手彩色写真への旅」 2024.2.30~5.19  神戸市立博物館
〔開館時間〕9時30分~17時30分(金・土陽日は19時30分まで) 〔休館日〕月曜日









同じ白黒写真でも彩色者によって全然印象が違ったり、カラー写真かと見間違うようなものもあり、おもしろかった。書き割りの前でポーズをとったりして、外国人に好まれそうな写真を撮っていたのだろう。アイヌの人の写真もあり、貴重だと思った。


ちなみに、市立博物館の外壁には戦時中の機銃掃射のあとがある。係の人にきくと、穴を埋めてあるのでわかりにくいが、周りと明らかに違和感があるので分かるとのこと。説明板をつけたら、小学生も見学に来た時に美術だけでなく戦争の勉強にもなるのではないか。
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「スーラ―ジュと森田子龍」「白髪一雄生誕百年特別展示」

2024-05-14 20:50:30 | 美術鑑賞
「スーラ―ジュと森田子龍」 2024.3.16-5.19 兵庫県立美術館
開館時間=10:00-18:00  休館日=月曜日

左 森田子龍<蒼>
右 ピエール・スーラ―ジュ<紙にクルミ染料 63x50cm、1949年> クルミ染料の茶色がいい味を出している


左 森田子龍   中央 ピエール・スーラ―ジュ

すみません。森田子龍もピエール・スーラ―ジュも知りませんでした。でも、見てよかったです。すごくよかったです。森田子龍は、書道家というより現代美術家と言う感じ。白と黒の世界がすばらしかった。




素敵な空間


スーラ―ジュ<絵画 202x143cm、1697年10月4日> スーラ―ジュ美術館  青が印象的


スーラ―ジュ<紙に墨 65.9x50.3cm、1961年> スーラ―ジュ美術館  好き


スーラ―ジュ<絵画 130x162cm、1966年7月22日> スーラ―ジュ美術館  赤がいい

●スーラ―ジュ<絵画 324x400cm、1987年> 彫刻の森美術館  大きい空間にこれのみ展示。この贅沢な空間がすばらしい。作品が生きている。
●森田子龍<養心> 墨の中に青が見える
●森田子龍<凍> 墨のあとがいい
●森田子龍<寿> 躍動的
●森田子龍<縁> 好き

コレクション展Ⅰ「白髪一雄生誕百年特別展示-コレクションからザ・ベリー・ベスト・オブ・白髪一雄-」 2024年4月25-7月28日 兵庫県立美術館



<黄帝> 中央の白が印象的

<天異星赤髪鬼> 赤が深い色
<懐素上人> 白一色がいい
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「雪舟伝説」

2024-05-13 21:50:35 | 美術鑑賞
「雪舟伝説 -「画聖」の誕生-」 2024年4月13日-5月26日 京都国立博物館
開館時間=午前9時~午後5時30分 休館日=月曜日


国宝 四季山水図巻 雪舟筆 のびのびと描いている感じ。
丸の中 国宝 秋冬山水図 雪舟筆 写真などでよく見るが、本物は迫力が違った。生で見たらすごかった。


国宝 四季山水図巻 雪舟筆



富士三保清見寺図 伝雪舟筆 


右 竹梅双鶴図 若冲筆
左 四季花鳥図屏風 雪舟筆 鶴の頭の赤と花の赤が印象的
丸 国宝 秋冬山水図 雪舟筆

「『雪舟展』ではありません!」のコピー。でも、始めにどどーんと雪舟の国宝6点を見ることができる。そして、雪舟の絵を模写したり、参考にした絵が並ぶ。等伯、探幽、若冲、蕭白、応挙とすごいメンバーの作品が並ぶのだ。始めに見た雪舟のあの絵を元にしているのだなと。「みんなの憧れ、みんなのお手本。」というコピーに納得。よかったです。おススメ。

●国宝 破墨山水図 雪舟筆 墨の濃淡がすばらしい
●国宝 山水図 雪舟筆 真ん中に山と庵がある構図がいい
●国宝 天橋立図 雪舟筆 雄大で精密
●国宝 慧可断臂図 雪舟筆 衣服の簡素さと他の丁寧に描いたものとの対比がいい
●竹林七賢屏風 長谷川等伯筆 竹がリズムを刻んでいるよう
●国宝 雪舟筆四季山水図巻模本 狩野古信筆 文句なしにすばらしい
●雪舟筆鎮田瀑布図模本 狩野常信筆 大分県の沈堕の滝!行ったことがあるぞ!雪舟が描いていたんだ。
●富士三保図屏風 曽我蕭白筆 虹を描いているのが珍しい気がする
●銹絵山水楼閣図四方火入 尾形光琳画 尾形乾山作 いい!

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『トゥデイズ』『ぼくらは。まだ少し期待している』

2024-05-09 13:31:25 | 
『トゥデイズ』 長嶋有 講談社
 5歳の息子コースケの子育てのため、郊外にある大規模マンション「Rグランハイツ」に引っ越してきた美春と恵示。管理組合の理事になった妻とリモートワークの夫は、築50年のマンションに集まり住む住人たちとともに、どこにでもあるけれど、かけがえのない日々を重ねていく。
 住んでいるマンションで飛び降り自殺があった。しかし、自殺した人は大規模マンションならば知らないし、つながりもでてこない。そして、淡々と毎日は過ぎていくという感じ。何かあるのかなと思っていたら、読み終わった。本当に日常すぎる。

『ぼくらは。まだ少し期待している』 木地雅映子 中央公論社
 札幌の進学校に通う土橋輝明は、数学と生物が得意な高校3年生。同学年の特進クラス国立文系で第一志望は北大文学部という秦野あさひとは、「優等生」同士ということで、学校行事にペアで駆り出されることも少なくない「腐れ縁」だ。ある日、あさひに相談を持ち掛けられた輝明は、予想外の内容に驚き、思わず席を立ってしまう。翌日、彼女が失踪したことを知った輝明は、母親の違う弟で「料理研究部」では彼女の後輩でもある吉川航とともに、その行方を追い始める。彼女はどこへ消えたのか? 輝明は東京へ、そして沖縄へ向かう。徐々にあさひの過酷な生い立ちを知るにつれ、輝明は……。
 毒親に育てられた子供たち。えぐさは避けられ、匂わす程度。その他にもいろいろと重苦しい問題があるが、ちょっとユーモアもあり、さくさくと読むことができる。
 親が子どもの一方を虐待し、もう一方を可愛がる場合、可愛がられた方もトラウマになり、虐待された方より立ち直りが遅いという。毒親の味方にならなければ、自分が虐待されてしまうかもしれないので、親の機嫌を取るために虐待に加担したり見ないふりをするからか。
 私は、わりと好みの話だった。
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