ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『トゥデイズ』『ぼくらは。まだ少し期待している』

2024-05-09 13:31:25 | 
『トゥデイズ』 長嶋有 講談社
 5歳の息子コースケの子育てのため、郊外にある大規模マンション「Rグランハイツ」に引っ越してきた美春と恵示。管理組合の理事になった妻とリモートワークの夫は、築50年のマンションに集まり住む住人たちとともに、どこにでもあるけれど、かけがえのない日々を重ねていく。
 住んでいるマンションで飛び降り自殺があった。しかし、自殺した人は大規模マンションならば知らないし、つながりもでてこない。そして、淡々と毎日は過ぎていくという感じ。何かあるのかなと思っていたら、読み終わった。本当に日常すぎる。

『ぼくらは。まだ少し期待している』 木地雅映子 中央公論社
 札幌の進学校に通う土橋輝明は、数学と生物が得意な高校3年生。同学年の特進クラス国立文系で第一志望は北大文学部という秦野あさひとは、「優等生」同士ということで、学校行事にペアで駆り出されることも少なくない「腐れ縁」だ。ある日、あさひに相談を持ち掛けられた輝明は、予想外の内容に驚き、思わず席を立ってしまう。翌日、彼女が失踪したことを知った輝明は、母親の違う弟で「料理研究部」では彼女の後輩でもある吉川航とともに、その行方を追い始める。彼女はどこへ消えたのか? 輝明は東京へ、そして沖縄へ向かう。徐々にあさひの過酷な生い立ちを知るにつれ、輝明は……。
 毒親に育てられた子供たち。えぐさは避けられ、匂わす程度。その他にもいろいろと重苦しい問題があるが、ちょっとユーモアもあり、さくさくと読むことができる。
 親が子どもの一方を虐待し、もう一方を可愛がる場合、可愛がられた方もトラウマになり、虐待された方より立ち直りが遅いという。毒親の味方にならなければ、自分が虐待されてしまうかもしれないので、親の機嫌を取るために虐待に加担したり見ないふりをするからか。
 私は、わりと好みの話だった。
コメント
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