茨城から八ヶ岳南麓へどどんぱっ

今までのタイトルがブログの内容に合わなくなってきたので、模様替え。

ザリガニの鳴くところ

2021-05-22 09:35:25 | Weblog
面白かった。
読み出しは、これはサスペンス?
と思わせる出だし。
でも、そうでもない。
結局、恋愛小説?社会派小説?
ジャンルが一括りでは捉えられない盛りだくさんの物語。

次はどうなる?
展開に夢中になる物語以上に感銘したのが翻訳の素晴らしさ。
友廣純さん。

外国文学を読むといつも感じるまどろっこしい表現の日本語。
いや、普通の日本語ではこういう言い回しって使わないから、、
とゲンナリする。

ところが今回の小説は全く外国語を日本語に変換してると感じさせない。
自然な日本語の文学。
その日本語は叙情的で美しささえ放っている。

これは作者の力か翻訳者の力なのか?
ずっと考えながら読み進んだ。
作者もいいのだろうが、翻訳者の力が凄いのだと読み終えて確信した。

物語は平穏に終わるかと思いきや
最後にあっと驚く展開があり楽しめた。

作者は動物学者らしいが、だからこそ描ける
人間のDNAに刻みこまれた本能。
人間の犯してしまう過ちもこのDNAの為せる仕業かと思うと、
仕方ないのか、、、小さくため息。

何かの書評で高評価だった為、図書館に予約して半年待ちで
やっと読めた本だった。

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