ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『僕だけの先生/らせんのゆがみ』

2021-03-20 22:33:37 | 日本映画







 
湊莉久 主演、城定秀夫 監督、2016年製作のVシネマだけど、劇場公開されても遜色ない、ちゃんとしたエロ映画で面白かったです。

平凡な女子大生=美雪(湊 莉久)が町で見かけたバイト募集の貼り紙をきっかけに、引きこもりの浪人生=清彦の家庭教師を始めるんだけど、雇い主である清彦の姉=智子(和田みさ)がなんだか胡散臭い。

古い一軒家に住むこの姉弟に親はおらず、実の弟である清彦を溺愛してる智子は、彼が一流大学に合格したら成功報酬として100万円払うなどと言って、美雪にプレッシャーをかけます。

ところが当の清彦は美雪を性の対象としか見ておらず、机の下に盗撮カメラを仕掛けるなどの変態行為がエスカレートし、ついに美雪を睡眠薬で眠らせ、全裸にして撮影&女体研究するに至ります。

ところが、いつもより早く帰宅した姉の智子に見つかっちゃう。そして全裸のまま美雪も目覚めてしまい、清彦、絶体絶命!……かと思いきや、取り乱す美雪を智子が殴って気絶させ、物置に監禁しちゃうのでした。

「暴れたりしないでね。もう人は殺したくないから」

そう言って智子は、物置で美雪を「飼育」しながら清彦の家庭教師を続けさせます。

早くに両親を亡くした智子と清彦は叔父の家に引き取られ、智子が夜な夜な酷い性的虐待を受け、見かねた清彦が叔父を殴り、智子がトドメを刺して死体を庭に埋めた。それ以来、智子は清彦の為にだけ生きていくことを決意し、密かに体を売って家計を支えて来たのでした。

清彦に対する智子の愛情には、姉弟の絆を超えたものがある。そして、清彦もまた……

智子の留守中に、清彦は物置から逃がしてあげることを条件に美雪とセックスするんだけど、その最中に呟くんですよね。

「お姉ちゃん……」

清彦の歪んだ性欲は、実の姉弟であるがゆえに成就できない、智子への愛に因るものだった。この姉弟は、女と男として愛し合ってる……

「気持ち悪いよ」

そう言い残して、美雪はその家から去って行く。警察に駆け込むか否か、葛藤する美雪の姿で映画は幕を下ろします。

盗撮、暴行、監禁はもちろん罪だけど、一度だけのセックスは合意の上だったし、あの姉弟はそっとしといてやって欲しいですね。いつかは破綻するのだとしても。

これは見応えがありました。AV界のトップアイドル、湊莉久さんのヌード&濡れ場が素晴らしいのは勿論のこと、智子役=和田みささんの熱演、そして実に映画的な演出、姉弟の正体が徐々に明かされていく構成も見事。

低予算のビデオ撮りエロ映画でも、稀にこういう良作があるからバカには出来ません。監督・脚本・編集の城定秀夫さんはエロ映画一筋の方だけど、以前このブログで絶賛した『エロいい話』シリーズもこの方の作品で、かなり信頼のおけるクリエイターとお見受け致しました。今後も要チェックです。


 

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『妻の秘蜜/夕暮れてなお』

2021-03-20 08:39:01 | 日本映画








 

2016年にリリースされた、城定秀夫 監督・脚本によるVシネマ。共同脚本に長濱亮祐、製作はクロックワークス&レオーネ。

26歳の主婦・菜緒(天使もえ)は、夫(守屋文雄)と年老いた義父(飯島大介)との三人暮らし。淡々とした日々の中、菜緒は夜中に台所で酒を飲みながらオナニーすること、そして元カレとたまに会ってチョメチョメすることを密かな楽しみにしてるんだけど、そんな彼女の秘密を義父は知っているのでした。

認知症のフリをしてトボケながら、いつも菜緒のことを見てる義父にも、実は癌で余命宣告を受けているという秘密がある。

「なにか生き甲斐を持った方がいい」と医者に言われた義父は、菜緒に対する性的欲求を露にしていくんだけど、何も知らない彼女は戸惑うばかり。

で、義父の日記を読んで認知症が芝居だったことに気づいた菜緒は、足踏み健康法だとか言って裸足で乳首を踏ませようとする義父にw、いよいよ怒りを爆発させます。

「なによ、あの日記! 回りくどいのよ! そりゃ確かに不倫してたのは悪いですよ。でも、あなたのバカ息子が最初に不倫したのが悪いんじゃない! 仕返しに1回やってみたらハマっちゃっただけじゃない! 仕方ないじゃない、私、本当は淫乱で破廉恥な女なんだから!」

泣きながら本音をぶちまけた菜緒は「一度だけ」という条件で義父にカラダを許そうとしますが、彼のチンコはもうとっくに役立たなくなってたのでした。

で、翌朝、菜緒と二人で散歩に出かけた義父は、これまで誰にも言わなかった癌のことを告白します。

「どうして黙ってたんですか?」

「言ったら、入院させるでしょ? あなたに会えなくなるのが……」

義父は、息子の不倫相手に手切れ金を渡して別れさせたことも打ち明けます。

「あいつが離婚したら、あなたに会えなくなるから」

「……入院して下さい。私が毎日会いに行きますから」

「……まだ、やりたいことがあるんです。ゆうべの続き、させて下さい」

「出来ないくせに」

「私じゃなくていいんです。あいつを私だと思って下さい。一度だけでいいんです」

その夜、菜緒は気持ちを込めて夫とセックスし、義父は陰でそれを見ながら(お守りにしてた)梅干しの種を呑み込み、窒息死しそうになるのでしたw

それがきっかけで義父は入院し、余命が少し延びることになります。でも、それは本当にほんの少しで……

城定作品らしい、笑えて、ちょっと切ない「エロいい話」。これは名作だと思います。

ユーモアとペーソスに富んだ脚本、安定感ある演出とカメラワーク、そして素晴らしい演技。ベテランの飯島大介さんは勿論だけど、セクシー女優である天使もえさんの自然な演技にも驚かされました。

お陰ですんなり感情移入出来ますから、Hシーンではちゃんとカラダの一部がホット&ホットになります。特に足フェチの方に超オススメのシーンも。(もえさんの足先があまり綺麗じゃないのも高ポイントかも?)

私はもう、すっかり城定監督ファンになりました。もちろん全てが傑作とはいかないでしょうけど、ハズレはほとんどありません。安心のブランドです。

そして天使もえ(あまつか もえ)さん。2014年デビューの現役セクシー女優さんで、アイドルグループ「SEXY-J」所属の歌手でもあります。

AVは『美乳がチラリぽろり』という企画物しか観たこと無いんだけど、本作における素晴らしい演技を観て他の作品も観たくなりました。ピンク映画にも主演作が何本かあるらしく、今後注目していきたい女優さんです。


 

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