第1シリーズは2008年の冬シーズンに全8話、第2シリーズは2009年の秋シーズンに全9話が、共にテレビ朝日系列の木曜夜9時「木曜ドラマ」枠で放映されました。
さらにスペシャルドラマ2本、劇場版1本が公開され、ゲームソフトまで発売される人気シリーズとなりました。
警視庁捜査一課特殊犯捜査係=「SIT」に配属された初の女性ネゴシエーター・宇佐木玲子(米倉涼子)が、同僚たちから性差別や妬みの的にされ、孤立しつつも信念を曲げず奮闘し、やがて信頼を勝ち取っていくストーリー。
玲子を目の敵にするSIT指揮官に陣内孝則、玲子を目の敵にする係長に筧 利夫、玲子を目の敵にするセクハラ班長に笹野高史、玲子を目の敵にする無線係に鈴木浩介、玲子を目の敵にする管理官に高橋克実、玲子を目の敵にする警部補に高知東生、玲子を目の敵にする警視正に大杉 漣、といったレギュラーキャスト陣。多少の個人差はあれど、警察関係者は全員一人残らず玲子を嫌ってますw
宇佐木玲子は決して、米倉さんが後に演じる『ドクターX』の大門未知子みたいな傲慢キャラではなく、真面目で謙虚な人なのに寄ってたかってそんなに嫌わんでも!って思うんだけど、どうやら組織のイメージアップ目的で彼女をSITに抜擢した、警察上層部への反発心や妬みの感情が根底にあるようです。(それにしたって極端だ)
ほか、玲子の相棒となる若手ネゴシエーターに高岡蒼祐、玲子の唯一の理解者とも言える「レクター博士」的な死刑囚に城田 優、玲子にやたら興味を示す新聞記者に伊武雅刀、玲子の義妹に林 丹丹、玲子の数少ない友人に安めぐみ、さらに第2シリーズから浅野ゆう子、塚地武雅、鈴木悠介etc…といったキャストも加わります。
いつも書いてるように、刑事ドラマで組織内のゴタゴタが描かれるのを私はあまり好まないんだけど、本作の場合はそれを乗り越えていく主人公の成長が言わばメインテーマだし、それまで『黒革の手帳』等で無敵の悪女を演じてきた米倉さんがイジメられる「逆転の構図」が見所にもなってるので、そこを否定しちゃったらどうにもなりません。
まぁ、どんなにイジメられても米倉さんがメゲるようには全然見えませんからw、良くも悪くも安心して観てられます。シリアスタッチにも関わらず陰湿な感じがしないんですよね。それはイジメる側を演じるのが陣内さんだったり筧さんだったり高橋さんだったりと、ネアカな俳優さんばかりなのも無関係じゃないでしょう。
しかしそれにしたって極端で、仕事帰りにスーパーに寄れば他の客から「(会計が)トロい」と罵られ、家に帰れば義妹から邪魔者扱いされと、演じるのが米倉さんでなければ悲壮すぎて観てられないと思います。それを黙って堪え続ける米倉涼子の珍しい姿こそを楽しむドラマなんですよね。
加えて米倉さんの武器であるセクシー・ダイナマイトボディ、そして日本ではそれまで詳細には描かれて来なかったネゴシエーションのテクニック等、見所は多いです。
ともかく女性1人をええ歳こいたオッサンどもが寄ってたかってイビるという構図は、かえって米倉さんの強さを際立たせ、いよいよ本格的に「女性の時代」が始まったことを実感させられます。この手応えが後の大ヒット番組『ドクターX』へと進化して行くんでしょう。
だけど私は、超がつく天才で絶対的な味方もいるドクター大門より、孤立無援のなか努力と根性だけで踏ん張るネゴシエーター宇佐木玲子の方がずっと魅力的だと思います。
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