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今期、3週以上観続けたテレビ番組は大河ドラマや報道、バラエティー等を除くと僅か3本。その優先順位は『映像研には手を出すな!』(アニメ版) →『女子高生の無駄遣い』→『ケイジとケンジ/所轄と地検の24時』の順でした。
これだけ手間暇のかかるブログを毎日のように更新するには、仕事と家事と寝食を除くほとんどの時間をその作業に費やさねばなりません。
よって、新番組はまず録画を貯めておくことになり、時間が空いた時に一番観たい番組をチョイスして観る。すると結果的に心底から観たい番組だけが厳選されていく。大半の番組は録画を貯めるだけ貯めた挙げ句、観ないで消去することになります。
大抵は仕事が終わってブログの作業をした後、疲れ果てて風呂に入り、上がってから寝床に就くまでのリラックスタイムに(つまり脳を休ませたい時に)観ますから、暗かったり小難しかったりする番組はまず生き残れません。ほぼ無意識にコメディを選ぶことになります。
結局バラエティー番組を選ぶ場合も多々ありますから、連ドラで全話完走するのは奇跡に近い。今期は30分アニメの『映像研には手を出すな!』が唯一の完走作品となりそうで、連ドラは全滅。粒揃いではあるけど皆小粒でした。
完走とは行かなかったにせよ『女子高生の無駄遣い』が『ケイジとケンジ』より優先順位が高かったのは、単純にこっちの方が笑えるから。
前回の記事で『ケイジとケンジ』が今一歩だった理由を「笑わせたいオーラを出し過ぎた」のと「緊張感(笑いとのメリハリ)が足りなかった」せいだと分析しました。
それはどっちも間違ってないと思うんだけど、この『女子高生の無駄遣い』の方がより笑えた理由を考えてみると、もう1つ問題点が浮かんで来ました。
それは『ケイジとケンジ』があまりに万人受けを狙い過ぎた(ように見える)こと。全ての老若男女が笑えるよう、過剰なほど親切に解り易く、いわゆる「ベタ」にやり過ぎたのがコメディとしてのクオリティーを下げてしまった、のかも知れません。
『女子高生の無駄遣い』は、そこまで親切には創られてない。もっと先鋭的でお客を選んでるように思います。老若男女の、少なくとも「老」は切り捨ててるでしょうw(私も老の入口まで来てますけど、今や人生100年の時代ですからまだまだ若輩者です)
ターゲットは若い女子と、かつて女子高生だったオトナの女性たち。プラス、そこに癒しを求める我々オヤジどもがいるワケだけど、たぶん創り手は眼中に無いでしょう。
万人受けを狙うとかえって誰の心にも響かない、ごく個人的な想いで創った作品ほど響く人には強く響く、みたいなことを大林宣彦監督が仰られてましたが、それは笑いに関しても同じことが言えそうです。
誰が聞いても理解できるジョークより、理解できない人が多い中で自分は解るジョークを聞いた方が、より面白く感じるっていうのは絶対あると思います。
そこにはちょっとした優越感や、トクをしたような錯覚、創り手と心が繋がったような錯覚もあり、それがなんだか心地好い。
『女子高生の無駄遣い』は決して難解じゃないけど、あの徹底したバカバカしさはお客を選ぶ。あんなにバカバカしいものを楽しめる心の余裕を持った自分が、なんだか誇らしいと錯覚させてくれるw
あるいは、理解されようがされまいが、気にせず我が道を突っ走る創り手の姿勢が気持ち良かったりもする。岡田結実さんがなりふり構わず演じ切った主人公「バカ」の生きざまみたいに。
まぁしかし、人それぞれ十人十色の感性がありますから、詰まるところは好みの問題。『ケイジとケンジ』も面白かったけど、よりマニアックな笑いを追究した『女子高生の無駄遣い』の方が私の好みに合ってたって事です。
セクシーショットは、百合の気があるハーフの女子高生「リリィ」を演じた欅坂46の小林由依さんと、養護教員「シーキョン」を演じた内藤理沙さんです。
同じ番組について書いてもこんなにも違うものになる。私のはただただ「こんなところとか、あんなところとかがおもしろかった!」に終始しているだけですが、ハリソン君のは「なぜおもしろいのか、どうしておもしろいのか。」という深い部分にまで掘り下げて洞察、評論している。
私は「キネマ旬報」で、いろんな映画について書かれた記事を読むのが楽しいのですが、ハリソン君の記事は、その中にまじっていても遜色ないと思いますね。ハリソン君が紹介した映画はすぐに観に行きそう。いや、本当に。
この記事を読んで、私がこの番組をおもしろいと思えた理由を、「客観的に解説」してもらえた気分です。私には逆立ちしたって書けません。こっち方面の記事は今後もハリソン君にお願い、お任せして、私は私の井戸に吠えまくることに専念しようと思います。
なにかと分析したがるのは、創作の仕事にちょっとだけ関わった職業病と、もしかするとセラピストの人と関わって心理学をかじった経験も影響してるかも知れません。
でも、そんな屁理屈はええねん!って鬱陶しく感じる読者も結構いるんじゃないかと思ってます。特に女性はもっと感覚的な感想が聞きたいんじゃないかと。
私自身、そういう穿った見方をしない素直な感想も知りたいし、特にgonbeさんは私がふだん観ないジャンルの作品も幅広く観られてるので、観賞候補を決める参考にもなるし、けっこう楽しみにさせて頂いてます。
『女子高生の無駄遣い』に関しても、gonbeさんも楽しみにしておられる事実を知ったことは、共感を得られて嬉しかっただけじゃなく、視聴者の心理を想像するのに少なからず役立ちました。gonbeさんがブログに書いて下さったからこそです。
なので「お任せする」なんておっしゃらずに、gonbeさんはgonbeさんの視点から、感じたことをそのまま書いて頂けたら嬉しいです。今後も是非、よろしくお願いします!