1968年=昭和43年にモノクロで放映スタートした、TBS&東映のタッグによるアクションドラマ『キイハンター』も、この1970年4月に放映された第105話『世界殺人集団/南国の決斗』よりカラーに切り替わりました。
国際警察直属の秘密捜査チーム「キイハンター」を構成する、非情の掟に命を懸けた素晴らしき人間たち、その顔ぶれは以下のとおり。
↑元国際警察外事局諜報部員のボス、黒木鉄也(丹波哲郎)。
↑元フランス情報局諜報部員の津川啓子(野際陽子)。
↑元FBI秘密捜査官の吹雪一郎(川口 浩)。
↑かつて黒木の仲間だったスパイの忘れ形見、島 竜彦(谷 隼人)。
↑黒木の秘書からキイハンターに昇格した最年少メンバー、谷口ユミ(大川栄子)。
↑そして元新聞記者にして実質の主人公、風間洋介(千葉真一)。
↑キイハンターを創設した国際警察特別室の村岡室長(中谷 昇)、その部下で潜入捜査官の小田切慎二(中丸忠雄)と、壇 俊介(宮内 洋)。
↑さらにシリーズ終盤にはこの人、私立探偵からキイハンターに抜擢される滝 裕二(沖 雅也)も登場します。が、この時点じゃまだ先の話。
外交官が絡む国際的「逃がし屋」組織の正体をキイハンターが暴く今回は、宮崎ロケ。シカゴから来日した殺し屋に変装する黒木ボスの(滅多に見られない)大活躍と、小川真由美、岡田英次といった豪華ゲスト陣も魅力だけど、一番の見どころは津川=野際陽子さんの「七変化」とも言える華麗でキュートなファッションでしょう。
野際さん、やっぱり綺麗! そして眼鏡がでかい!w いわゆるトンボ眼鏡ってヤツ?(当時の流行り?)
もちろん風間=千葉真一さんが牽引するアクションシーンも見どころで、カラー放送第1弾を飾るに相応しい盛り沢山な内容になってます。
来日したVIPの連続暗殺事件で使われた「黄金の拳銃」とその持ち主を追い、流れ者に扮した風間が富士山麓の牧場に潜入する第109話『俺は西部の殺し屋キッド』は、そのタイトル通り西部劇にオマージュを捧げた千葉さんのウェスタン・アクション編。
そして名作『シェーン』ばりに主人公と心を通わすチビッコに扮した子役が、下沢宏之。そう、のちの真田広之さん!
こんなに幼い頃から千葉さんと共演されてたんですね! まさに師弟関係を超えた擬似親子!
その真田さんの父親にして黄金銃のオーナーを演じたのが、これまた千葉さんとの共演が多い室田日出男さん。若い!
↑この色っぽくてカッコいい姐さんは、以前レビューした『五番目の刑事』最終回でも色っぽくてカッコ良かった、小林千枝さん。この野性味はやっぱ「昭和」ならではでしょう。
第120話『宝石泥棒/裸で御免なさい』は、マフィアが開発した新型爆弾を隠したケースと、密輸ダイヤを隠したケースが入れ替わったことから起こる大騒動に、旅行中の風間が巻き込まれる海洋アクション編。
ボートチェイスを皮切りに、とにかくアクション! ひたすらアクション! ただ突っ立って謎解きするだけで60分を浪費する、昨今の刑事ドラマとはホント何から何まで対照的。お涙頂戴も一切ありません。
ロープウェイからの宙吊りに、サーフボードを使った滑走スタントまで、これらのアクションが全部1本のエピソードに詰まってる!
しかも全て主演スター=千葉真一さんご本人が、当たり前のように吹替え無しで演じておられる!
これだけ盛り沢山なアクションを撮影するには、お金はもちろん時間も手間も段違いにかかるはず。今の日本じゃ劇場映画でも不可能かも知れず、ほんと昭和のニッポンは元気でした。
アクションのみならず、お色気も決して忘れないこのサービス精神! 密輸ダイヤを狙って峰不二子ばりに風間を誘惑し、翻弄しまくる謎の美女に扮したのは『太陽にほえろ!』への客演も多かった、工藤明子さん。
ヌードグラビアは無くとも劇中のパンチラだけで充分です! やっぱ昭和サイコー!!
とはいえ『プレイガール』なんかはこっそり観たりしたけどw、『キイハンター』の頃はまだ幼すぎました。
スコッチの役名に影響を与えたかどうかは謎ですが、ほんと兄弟みたいですよね。偶然なら凄い!
いつも書いてますが、謎解きドラマは別にあっても良いけど、どの番組もそれ一辺倒になっちゃってる日本のテレビはホントに異様です。世間のテレビ離れは当然の結果でしょう。