ボイン ボイン ボイイィィ〜ン!! ぼよよん ぼよよん ぼんよよよぉぉ〜〜んっ!! ’80年代アイドル特集第15弾は昭和を代表する巨乳アイドル、河合奈保子さん。ボイン ボイン ボイィィィ〜ンッ!!
「西城秀樹の妹」という、いったい誰が喜ぶのかよく分かんない触れ込みで’80年にデビューされ、同期の松田聖子さん、柏原芳恵さんと共に「3大アイドル」と呼ばれて人気沸騰!
しかし当時エロ真っ盛りの年頃だった我々は、奈保子さんのボイン・フォー・ミーな胸元しか眼に入ってませんでした。ボインボイィィ〜ン!
先に榊原郁恵さんという偉大な先駆者がいて、ライバル柏原芳恵さんもなかなかのハロー・オッパイで、あとから堀江しのぶさんや細川ふみえさん等パワーアップした巨乳爆乳アイドルが猛追して来るワケだけど、河合奈保子さんはちょっと別格というか、乳に頼らずともやって行ける稀有なキャラクターをお持ちだったように思います。
歌手としての実力もさることながら、どう見ても純朴でマジメそうな佇まいが群を抜いた魅力で、それが今回演じるキャラクターにも活かされてます。
このすぐ後に『さすらい刑事旅情編IV』でレギュラーの風見警部補を演じられるのも、そんな奈保子さんの個性が見込まれてのことでしょう。ほかの出演作もサスペンス系が多いんですよね。
☆第38話『裁きは終わりぬ』(1991.7.28.OA/脚本=宮下隼一/監督=西垣吉春)
科学捜査研究所=科捜研の女である千秋(河合奈保子)の的確な鑑定により、難事件をスピード解決できてゴキゲンの兵頭係長(舘ひろし)が、そのお礼にと彼女を食事に誘います。もちろんおっぱい目当てです。
が、科学捜査以外のことには全く興味を示さない千秋は、お尻でハズキルーペを踏んでも顔色ひとつ変えません。きゃっ!
「それにしても凄腕だよな」
「眼よ」
「え?」
「私のこの眼しだいで、クロにもシロにもなる。そういうこと」
「おいおい」
つまり、千秋が容疑者を有罪にしたいと思えば、冤罪を生むことも簡単に出来ちゃう……とも受け取れる発言。いくらオッパイが大きくたってあんまりです。
「それくらい重要な仕事ってことよ。あの時だって、今みたいな技術があれば……」
「あの時?」
「…………」
言うつもりも無いクセに、わざわざ過去のトラウマを仄めかす。ドラマ「あるある」の1つですよね。もちろん、千秋が科捜研の女になった理由もそこにあるワケです。ぼいぃぃ〜ん!
そんな折り、殺人事件が発生します。現場に落ちてた運転免許証の持ち主=柏木(藤木 悠)に事情聴取すると、事件への関与を否定するも明らかに何かを隠してる様子。
で、被害者が手に握ってた=犯人のものに違いない数本の毛髪を鑑定すべく、辰巳署に呼ばれた千秋が、廊下ですれ違った柏木を見て驚いた!
千秋が兵頭に言ってた「あの時」っていうのは、15年前の押し入り強盗殺人事件。まだ少女だった千秋は、強盗2人組のうち1人がお父さんを刺し殺す瞬間を目撃してしまった。その犯人の首筋にあったのと全く同じアザが、柏木の首筋にもあるワケです。
あのとき千秋の証言により容疑者が特定されたものの、当時の科学捜査では証拠を揃えられず、事件は未解決のままつい最近、時効を迎えてしまった。つまり父殺しの罪で柏木を裁くことはもう出来ない。
ところが今、新たに起こった殺人事件で柏木が有罪になるか否か、千秋の鑑定に懸かっている! ボイン ボイン ボイィィィーン!!
「もし、オレが彼女なら……今の彼女の立場なら……」
事情を知ってよからぬ心配をする兵頭に、橘課長(渡 哲也)が釘を刺します。
「兵さん、それ以上言っちゃいけませんよ。彼女の為にも。私は彼女を信じてます」
しかし千秋は葛藤中。そりゃそうでしょう。あのとき裁けなかった犯人を裁く為にこそ、彼女は猛勉強して科捜研の女になったんだから! ボインぼよよん!
もし、柏木に幼い娘がいなかったら、千秋はボイン!と禁断の果実を噛じったかも知れません。けなげに父親の無実を信じるその娘は、15年前の千秋とちょうど同じぐらいの歳なのでした。
しかし、遅かった! 千秋が迷ってる間に柏木は、真犯人の阿久津(高品 剛)に刺されてしまった!
15年前に千秋の父を殺したのは確かに柏木だけど、それを悔やんだ彼は自首するつもりだった。なのに共犯者の阿久津がそれを許さないどころか、ずっと柏木から金をユスり取って来た。
こないだの殺人は、阿久津がノミヤに払う金を柏木からムシリ取ろうとしたけど拒否され、三つ巴の争いになった末に起こった事件。阿久津がノミヤを弾みで殺しちゃったワケです。
で、今度は一緒に自首しようと説得に来た柏木まで刺しちゃった。もちろん、兵さん怒りの銃弾がボイ〜ン!と炸裂し、阿久津は逮捕されます。
一方、柏木は千秋の鑑定により、今回の無実が証明されたのですが……
「私が、もっと早く鑑定結果を出していれば……こんなことには……」
「それは違う。すべては15年前に始まったことだ。キミのせいじゃない」
で、いつものように橘課長の捜査日誌=渡さんのナレーション。
「人を恨み、憎むよりも、許すことの方が難しい。その難しい選択をすることで、彼女は過去を乗り越えた。罪を憎んで人を憎まず……時効という法律の存在理由こそ、実は当たり前すぎて忘れがちな、もう1つのこの言葉なのではないのか。あらためて考えさせられた事件だった」
作品のテーマを全部ナレーションで語っちゃうのはどうかと思うけどw、罪を裁く側も人間である以上、間違いを犯す可能性だって充分にあることを示した、骨太なストーリーで見応えありました。
ただ、最後に柏木を死なせちゃう結末は後味悪いですよね。それが15年前の(結果的な)贖罪ってことなんだろうけど、また女の子をひとり不幸にしただけでスッキリしないし、千秋の鑑定が大して意味を持たなくなっちゃってる。これで「許した」と言われてもピンと来ません。
柏木は15年間ずっと苦しんで来たことだし、ハッピーに終わらせても良かったのでは? 誰も彼もポンポン殺しゃいいってもんじゃない。悪党は全員ぶっ殺せ!ってふだん言ってるけど、場合によりますよ場合に。ボインボインボイィィーンッ!!
最後に再び食事に誘われた千秋は、冒頭とは打って変わって満面の笑顔。いくらトラウマを克服したからって、性格までは変わらんやろって私は思うけれどw ボイン・フォー・ユー!
『代表取締役刑事』って番組は‘80年代アイドルの宝庫だったりします。前回レビューした第11話の西村知美さんをはじめ、ゲストにアイドル出身の人が多いし、そもそも兵頭係長(舘ひろし)の弟役がE気持ちの沖田浩之くんで、橘課長(渡 哲也)の愛娘=日向子を演じたセミレギュラーが、‘80年代アイドルの代表格と言っても過言じゃない、この人ですから。
特集第14弾は、当時19歳だった「のりピー」こと、酒井法子さん。二大アイドル雑誌『BOMB!』と『Momoco』両方からプッシュされたスーパーアイドルだけど、初仕事は日テレ系の連ドラ『春風一番!』(’86) へのレギュラー出演で、実は女優としてのキャリアも長い。
本作で演じた橘日向子は、両親を「おとっつぁん」「おっかさん」と呼んだり「○○なのさ」とか「てやんでい!」が口癖だったりする生粋の江戸っ子。当然ミスマッチなんだけど、ちゃんと実在感がある。役をしっかり自分のものにしてるんですよね。
福岡出身の彼女に元々そういう気質があったのを、メインライターの市川森一さんが見抜いた上でのキャラ設定なんでしょう。それをあの若さで完璧に表現出来ちゃうのりピーは、やっぱり只者じゃない。後に『ひとつ屋根の下』や『星の金貨』等のドラマで高く評価されるのも納得の演技力です。
ところが’98年にプロサーファーと結婚したのが運の尽き。忘れもしない2009年、そいつと一緒に覚醒剤所持&使用の容疑で逮捕され、我々にとてつもない衝撃を与えることになります。
私は特にファンってワケじゃなかったけど、あまりにイメージとかけ離れた事件だったもんで、心底から芸能界が怖くなったもんです。いや、今でも信じられない!
それを踏まえた上で、今回レビューするストーリーですよ。基本的には「のりピーmeets舘ひろし」を描く楽しい内容なのに、シャレにならん。今となってはマジでシャレにならん! オーマイガッ!!
☆第15話『特別な一日』(1991.2.3.OA/脚本=市川森一/監督=澤田幸弘)
のりピー扮する日向子の親友=サヨちゃん(田中雅子)が結婚し、新婚旅行で滞在したフロリダから帰国。空港まで迎えに来た日向子に、サヨちゃんは(挨拶廻りで忙しいから)恩人の経営するクラブにお土産を届けて欲しいと頼み込みます。
そのお土産とは、可愛いゴリラの縫いぐるみ。快諾した日向子はそれを届けに行くんだけど、受け取りに来た連中がどいつもこいつも顔面凶器でフツーじゃない。なにせリーダーがこんな顔です。
↓
恐るべきことに、30年以上経った今でも顔が変わってない小沢仁志! 演じるキャラクターもずっと同じ! 顔も役柄もずいぶん変わった遠藤憲一さんとは対照的!
もうお分かりですね? 日向子が預かった縫いぐるみには、大量の覚醒剤が隠されていた!
しかも2袋、20グラム分だけ覚醒剤が抜かれてる! ここか! このときに味を知っちゃったのかのりピー!?
「身体検査や。裸にひん剥け」
さすが小沢仁志! 30年前にしてド外道の極み! よく言った! 危うしのりピー!!
もちろん、ここで別ルートから密輸組織を追ってた兵頭係長が颯爽と現れ、小沢仁志どもを自慢のハズキルーペで蹴散らします。きゃっ!
この時点じゃまだ、日向子が上司の愛娘であることを兵頭は知りません。一方、兵頭が辰巳署の刑事すなわち父親の部下であることに気づいた日向子は、スキを見て姿を消しちゃいます。
実は日向子ちゃん、四国に単身赴任中のおっかさん(阿木燿子)の所へ行くか行かないかで今、橘と揉めてる最中なのでした。父親は年頃になった娘を持て余し、娘は娘で子供扱いされたくない。自分がおとっつぁんの面倒を見てるつもりなんでしょう。
兵頭から話を聞いて、姿を消したのが日向子だと直感した橘課長は、珍しく自ら捜査に乗り出します。
もちろん密輸の片棒を担いで覚醒剤をくすねたのはサヨちゃんであり、日向子は巻き込まれただけ。それを確信した橘は、容疑を否認するサヨちゃんに学生時代の写真(日向子との楽しいツーショット)を手渡し、情に訴えるのでした。
かつて団長だった頃は暴力で何でも解決できたのに、ほんと面倒な時代になったもんです。
さて、日向子ですが、おとっつぁんを頼らず、自分でサヨちゃんを問い詰めようとするも、再び顔面凶器軍団に捕まり、再び颯爽と駆けつけた兵頭に救われます。
いや、救われるだけじゃなく、自らもフライパンで小沢仁志の顔面をヒット! しまいには火炎弾をぶっ放して火だるまにしちゃう凶暴さで兵頭をアシストします。さすが元団長の娘!
当然、2度もピンチに駆けつけてくれた、ハズキルーペのおじさんに淡い恋心を抱く日向子だけど、まだまだ自分が子供であることを認めたのか、最後は素直におっかさんの待つ四国へと旅立ちます。
情にほだされたサヨちゃんの自首と証言により、密輸事件も無事に解決。四国から届いた可愛い絵ハガキに、思わず「きゃっ!」と頬がゆるむ兵頭係長なのでした。
まさに、のりピーの独壇場! これぞスーパーアイドル! 地上に降りた最後の天使! そんな彼女が、よもやあんなことに…… 許さんぞ小沢仁志っ!!
だけどこれは明らかに、少女期ならではの輝き。大人になるにつれ失われるのは自然の摂理で、そんな現実が彼女の心を蝕んでしまったのかも?
なんにせよ、アイドルが遊び人と結婚しちゃダメです。それに尽きます。二度とあんな輩と関わることなく、誘惑に負けないことを祈るばかりです。
‘80年代アイドル特集の第13弾は、当時19歳だった西村知美さん。スーパーアイドル菊池桃子さんの後を追うようにグラビア誌『Momoco』から華々しくデビューし「トロリン」の愛称で親しまれ、女優、歌手、バラエティータレントとして長きにわたってご活躍。
だけど刑事ドラマへのご出演はこの『代表取締役刑事』第11話ゲストが(Wikipediaで見るかぎり)唯一だったみたいです。
『太陽にほえろ!』以上に意味不明なタイトルの『代表取締役刑事』は、1990年10月から翌年9月までテレビ朝日系列の日曜夜8時枠で全45話が放映された、テレ朝&石原プロモーションの制作による刑事ドラマ。
前作『ゴリラ/警視庁捜査第8班』の大失敗を踏まえ、今回は最初からヒューマンドラマに力点を置き、メインライターに市川森一さんを迎えることでクオリティーアップを画策。
そこはさすがの市川さん! ハードボイルドと人情ドラマを絶妙なバランスで融合させ、独特な世界観を構築。少なくとも市川さんが自ら筆を執られた回は見応えあるものになりました。
隅田川を臨む勝どき・月島周辺を管轄とする、辰巳警察署の刑事防犯課に配属されたばかりの係長=兵頭警部補に、舘ひろし。
主任の「ガンさん」こと岩田巡査部長に、高松英郎。
本エピソードの主役を担う松本巡査部長に、川野太郎。この番組は高松さんと川野さんの演技力によって支えられてます。
逆に、その拙い演技で番組のクオリティーを落とし、みんなの足を引っ張る若手コンビが、中西巡査=谷川竜と小早川巡査=池田政典。
そしてオリンピックで銀メダルを獲ったほどの名射撃手である五十嵐巡査=市川翔子。
市川さんはNHKの朝ドラ主演がいったん内定したのに、民社党のポスターモデルをやってたせいで取り消しを食らった悲運な女優さん。本作以降は『刑事貴族』シリーズや『さすらい刑事旅情編』シリーズ、『真夏の刑事』等の刑事ドラマにゲスト出演、現在は引退されてるみたいです。
事務兼無線係の牧野巡査を演じられた荒井玉青(あらい たまお)さんは、石原裕次郎夫妻の姪っ子なんだそうです。
そして谷川&池田の若手コンビをも凌ぐ大根演技で番組をぶっ壊しかねなかった、署長の大島警視=安部譲二。
当時、元ヤクザの小説家として話題になった人で、愛嬌があるから何となく許せたものの、つくづく石原プロのキャスティングには首を捻ることばかり。渡さんや舘さんを引き立てる狙いで、わざとヘタな人を選んでるとしか思えません。
トリはもちろん、課長の橘警部=渡哲也。このドラマは渡さんのナレーション(捜査日誌)で進行する構成になってました。
☆第11話『青い鳥』(1991.1.6.OA/脚本=市川森一/監督=原 隆仁)
今回の事件は、西村知美さん扮する妻の妊娠を機に、実家に戻ろうとした夫が母親から「どうせ遺産目当てだろう」と言われて逆上、フルボッコにして全治1ヶ月の重傷を負わせたばかりか、止めに入った弟までボコって死なせちゃったというもの。
そんな血の気が多すぎる犯人を演じられたのは、このお方。
若すぎて判りにくいかも知れないけど、当時はこんな役ばかりだった遠藤憲一さん。渡さんとは『太陽にほえろ!』最終回でボコられて以来の共演?
川野太郎さん扮する松本刑事の妻(福家美峰)もちょうど妊娠中で、ホシを挙げる為には身重の知美さんをもっと追及しなきゃいけないのに、それが出来ない苦悩が描かれてます。
福家美峰(ふくや みほ)さんは『3年B組金八先生』第2シリーズの生徒役でデビューされた生粋の女優さんで、刑事ドラマにも『西部警察PART III』『特捜最前線』『誇りの報酬』『ジャングル』『大都会25時』『あぶない刑事』『刑事貴族』『愛しの刑事』『風の刑事・東京発!』など多数ゲスト出演されてます。
犯人側の心情と刑事側の心情がシンクロする作劇はすこぶる『太陽にほえろ!』的で、それに馴染んだ私にとって心地よいストーリー。
いよいよ知美さんに出産のときが来て、夫のエンケンさんは果たしてどう動くのか? 海外逃亡すると睨んだ兵頭係長は空港を張り込み、妻子を想うエンケンさんの情に賭けた橘課長は、安産祈願の神社で彼を待つ。その結果は……言うまでもないですね。前者だとドラマになりませんw
兵頭が「大したもんですね、命の力ってのは」と、橘課長にシャッポを脱ぐラストシーンがまたイカしてます。
そんな風に、今回は脇に回った舘さんや渡さんのキャラクターをもしっかり描き分け、それぞれに見せ場をつくる市川脚本がやっぱり素晴らしい!
人間の暗部をえぐり出すような倉本聰さんの脚本も決して悪くないけど、石原プロの世界観に似つかわしいとは到底思えず、『ゴリラ』末期の脚本監修も市川さんにお願いした方が良かったのでは?……なんて、今更だけど思っちゃいます。
それはともかく、エンケンさんは若い頃からやっぱり上手いし、19歳にして人妻&妊婦を演じられたアイドル=西村知美さんのチャレンジ精神もまた素晴らしい! ハズキルーペ凄い!
’80年代アイドル特集の第12弾は、七瀬なつみさん。アイドルのイメージは薄いかも知れないけど、高3のときに週刊ヤングジャンプの『ビーチギャル・コンテスト』でグランプリを獲得されたのがデビューのきっかけだから、スタートはグラビアアイドル。
22歳の頃に映画『桜の樹の下で』(’89) でオールヌード&濡れ場を披露され、今回の『ゴリラ/警視庁捜査第8班』へのゲスト出演はその直後と思われます。
’93年に日テレの『はだかの刑事』で世良公則さんや室井滋さんと一緒にレギュラーの刑事を演じられたほか、『はぐれ刑事純情派』『おみやさん』『相棒』『警視庁捜査一課9係』等々、テレ朝系の刑事ドラマに出演されることが多い印象です。
北海道ロケ編である今回、ロングラン花火大会で知られる洞爺湖が舞台ってことで、地元の花火職人役で石原プロ所属(当時)の御木裕さんもゲスト出演。
『西部警察』シリーズで新人刑事「ジョー」を演じてた頃は信じられないくらい演技が下手だったけどw、『あぶない刑事』のレギュラーを経て今回、いくらか役者らしくなられてます。少なくとも谷川竜くんよりは。
☆第32話『洞爺湖の女』(1989.12.10.OA/脚本=永原秀一/監督=吉田啓一郎)
ストーリーは、今回もあって無いようなもの。ひき逃げ事件を目撃しちゃった七瀬さんが犯人に命を狙われ、恋人の御木さんを頼って札幌へ逃げるも、資産家の息子である犯人は殺し屋を雇って執拗に追跡!
ってことで第8班が札幌へ出張、例によってスポンサー関連の企業を紹介しながらドンパチを繰り広げます。
とりあえず、新入りの美奈子さん(田中美奈子)と眼が合うとすぐ鼻の下を伸ばす倉本班長(渡 哲也)に、伊達(舘ひろし)と風間(神田正輝)が苦笑いw
そんな美奈子さんの温泉入浴シーンが一番の見どころになってます。アイドルゆえ胸の谷間すら見せてくれないのは仕方ないにせよ、せめて脇の下をもうちょい見せるべきだった!
それにしてもこの3人。いつでもどこでもキメキメ、いつでもどこでもサングラス。似合ってるからいいようなものの。
二番目の見せ場は、洞爺湖におけるボートチェイス&銃撃戦。ボート上で倉本班長がM16アサルトライフルをフルオートでぶっ放し、敵の雑魚どもを皆殺しにします。いい時代でした。
しかし今回、クライマックスは銃撃なし! 七瀬さんが自らオトリを買って出て花火大会に殺し屋を誘き出し、第8班が人混みの中でそいつを見つけ出し、素早く、何事も無かったかのように排除するという、大量の打ち上げ花火をバックにした静かなる闘い。
たしか前年放映の『もっとあぶない刑事』でも、刑事たちが図書館内でいっさい物音を立てずに凶悪犯を逮捕する、異色の回がありました。ドンパチはもちろん好きだけど、たまにこういう渋い演出があるとまたシビれます。好きだな、ハズキルーペ。
そして最後はGメン歩き。『西部警察』じゃ定番だったけど『ゴリラ』はこれが初めて? こんなキメキメの集団が歩いて来たらおっかないし、そもそも公道で横並びは危険でハタ迷惑です。きゃっ!
というワケで七瀬なつみさんのセクシーグラビア。素晴らしい!
『バブルの頃、私はどん底だった』の記事に寄せられたコメントに関して、言わなきゃ気が済まないことがもう1つだけありました。
それは、私が自主製作映画で監督というポジションにいたことを、あたかも「恵まれてるから出来たこと」みたいに書いてあることについて。
ふざけるな。誰かが機材や人材を全部揃えてくれて「さぁ、好きなように映画を撮りたまえ」なんて言ってくれるとでも思ってんのか?
ほかに買いたいものを我慢して貯めた、なけなしの小遣いをはたいて機材を買い、みんなに頭を下げまくってスタッフやキャストになってもらい、全員のスケジュールを必死に調整して集まってもらい、何日も何日もかけて撮影し、何日も何日もかけて編集する作業に、一体どれほどの苦労が伴うか! 好きだから出来ると言ったって、しんどいぞ! めちゃくちゃしんどい!
しかし世間には、2時間の映画は2時間で撮影出来ると思い込んでるおバカさんもいたりするから、経験が無い人にその苦労を理解させるのは如何にも無理がある。
経験がある人は、1本の映画を完成させるまでにどれほどの苦労が伴うか身に沁みて知ってるから、他者が創った映画を決して簡単にはけなさないし、けなせない。作品の内容がどうあれ、それを完成させたっていう事実だけで敬意を払わずにいられないから。そこはプロもアマも関係ない。
つまり、努力です。マジで血が滲むような努力です。もし仮に、さっき書いたみたいに機材も人材も誰かが全部揃えてくれたとしても、努力できないヤツに作品を完成させることなど出来ません。
それまでモテなかった私に、映画を創ったお陰でカノジョが出来たのは、そうして努力する姿をカッコいいと感じてくれたからです。(たぶん)
逆に言えば、努力さえすれば誰にだって映画は撮れる。何らかの障害を持ってるからって、映画を撮れない言い訳にはならない。癌で余命3ヶ月を言い渡された人や、90歳を越えた人だって映画を完成させてる。障がい者のカテゴリーに入る映画監督だって世界中にいっぱいいるでしょう。
撮れるもんなら撮ってみろ。恵まれてたからじゃない。オレは努力したから映画を撮れたのだ。まいったか。