ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『これ描いて死ね』01~03

2023-04-19 10:20:04 | エンタメ全般

マンガ本は滅多に買わないんだけど、大童澄瞳さんの『映像研には手を出すな!』はNHKのアニメ版にハマって、そして とよ田みのるさんの『これ描いて死ね』は朝の情報番組で紹介されてるのを観て、つまり両方ともテレビに影響されて買いました。

『これ描いて死ね』は「マンガ大賞2023」で大賞を獲ったばかりだけど、それはまったく関係ありません。テレビで紹介された粗筋にビビッと来たワケです。



いずれも女子高生グループが主人公で『映像研〜』は映像(アニメ)研究会を、そして『これ描いて〜』は漫画同好会を、それぞれゼロから立ち上げていくストーリー。

つまり創作の楽しさに目覚め、没頭していく「クリエイターの初期衝動」を活き活きと描いた作品であり、エロ描写はいっさい期待できない点も共通してますw

こういう作品に私が強く惹かれるのは、かつて自分自身が自主映画創りに没頭してたからだけど、単に創作の楽しさや苦しさを描いただけのストーリーなら、たぶん購入には至ってません。

『映像研〜』と『これ描いて〜』が私のハートを大きく揺さぶった最大のポイントは、先にも書いた「クリエイターの初期衝動」の活写だと思います。それは先日から記事にしてる庵野秀明さんや岡本太郎さんの話題にも通じること。



『これ描いて死ね』の主人公=安海 相(やすみ あい)は、東京都の離島・伊豆大島に住むマンガ大好き高校生。

特に『ロボ太とポコ太』って作品にどっぷりハマってるんだけど、なぜかマンガを忌み嫌う担任の手島先生にいつも叱られ、マンガなんてロクなもんじゃないと説教されてばかり。



そんなある日、相は知ってしまいます。この10年間、ずっと休止してた『ロボ太とポコ太』の新刊が、東京で開催されるコミティア(同人誌即売会)で販売されることを!

それで初めて1人で東京へ出向いた相は、恐らく彼女の人生を変えることになる、2つの大きな衝撃と出くわすことになります。

まず1つ目は、コミティアで同人誌を手売りしてる人たちが皆、そのマンガの作者であったこと。つまり、それまで相にとって「読むもの」でしかなかったマンガが、実は自分で描こうと思えば描けるものだった!という衝撃。



今さらかいっ?って思うけど、こういうキッカケが無ければ意外と気づかないもんかも知れません。

そして2つ目の衝撃。『ロボ太とポコ太』の新刊を手売りしてる女性=ずっとずっと憧れ続けてきたその作者が、実は担任の手島先生だった!



ええーーっ!? あんなにマンガを否定してたのにーっ!?💦

だけどそんな事より、10年ぶりの新作を読めるのが嬉しくてたまらない相は、憧れの先生に「マンガの描き方を教えて下さい!」と懇願するのでした。

最初はきっぱりと断る手島先生だけど、相が初めて自分で描いてきたマンガを読んでみて、これまた大きな衝撃を受けてしまう。



それはとてつもなく稚拙な作品なんだけど、作者のマンガに対する愛情がこれでもかと溢れまくってて……



思わず先生の涙腺が決壊してしまう!

10年前に先生がマンガ界を離れた理由は今のところ謎だけど、たぶん、プロになって締切りに追われながら、読者や編集者のニーズに合わせて描き続けることに疲れ果て、このままじゃマンガを嫌いになっちゃう!って感じたからでしょう。

だけど最初は……ただ趣味として描いてた頃は、今の相みたいにキラキラした眼をしてたはず。

手島先生は漫画同好会の顧問を引き受けるんだけど、1つだけ絶対的な条件を出します。それは……



「これ描いて死ね」などと、マンガに命を懸けないこと。教え子にはずっと、マンガを大好きなままでいて欲しいんでしょう。

10年前に手島先生が見失い、今の相をキラキラ輝かせてるのが、つまり「初期衝動」だと私は思うワケです。

『映像研には手を出すな!』の主人公=浅草氏には天才的な素質も見え隠れしてたけど、相にはそれが無いw だからこそ尚更、単純に好きだから描きたい!っていう衝動が際立って見える。

私もウルッと来ちゃいました。主人公よりも手島先生の側に感情移入してるワケです。

かつて……昭和の時代、高校生だった頃、初めて自主映画を撮ったときの私は、やっぱり輝いてたと思います。単純に好きなことを、ただ無邪気にやってただけだから。

それが2作目、3作目と続けて行くうち、色んな欲や打算、つまり邪気が沸いて来ちゃう。こればっかりは誰も避けられない。

だから、よく云われるように、ものを創る人は自分の処女作を永遠に超えられない。上達すればするほど、初期衝動のキラキラを失ってしまう。

まあ、ノスタルジーですよね。



これも勝手な憶測だけど、庵野秀明さんや岡本太郎さんがクリエイターの中でも特に異彩を放っておられるのは、この初期衝動ってヤツを決して諦めず、処女作の輝きを絶対に超えてやる!って、常にそう思いながら作品を創っておられる(おられた)からじゃないかと。

そんなのどう考えたって不可能なんだけど、あの人たちに常識は通じない。うまくあるな、きれいであるな、ここちよくあるな、マイナスにとび込めタローマンですよ!



『シン・仮面ライダー』のドキュメンタリーでチラッと紹介されてた、庵野監督が高校生時代に撮られた8ミリ映画『ナカムライダー』は処女作かどうか判らないけど、まさに初期衝動の塊みたいな作品で、無邪気そのもの!

自ら怪人を演じる庵野少年の、心底から楽しそうなあの姿!(タローマンにちょっと似てたw)

その新鮮さを無謀にも超えようとし続ける庵野秀明ってクリエイターは、やっぱり『エヴァンゲリオン』の碇ゲンドウと同じ究極のモラトリアム人間なんだと思います。

岡本太郎さんはまぁ、モラトリアムと言うより「奇才」そのものって感じだけど、初期衝動の爆発力みたいなもんを追い続けてた点で、庵野さんと凄く似てる気がするんですよね。なんだこれはっ!?


 

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『TAROMAN/岡本太郎式特撮活劇』

2023-04-17 23:30:04 | エンタメ全般


爆発だ! 爆発だ! 爆発だ! 芸術だ!

べらぼうな夢はあるか? でたらめをやってごらん

自分の中に毒を持て 自分の運命(さだめ)に盾を突け

うまくあるな きれいであるな ここちよくあるな

マイナスにとびこめ! タローマン (なんだこれはっ!?)

……というイカした歌詞の主題歌で始まる、1970年代に放映された特撮ヒーロー番組『タローマン』を、皆さんご存知でしたか? 私はつい最近までまったく知りませんでした。



第1話『でたらめをやってごらん』では、べらぼうにでたらめな怪物=飛行奇獣「森の掟」が突如出現、街の人々を「なんだこれはっ!?」と驚かせます。

するとそこに、シュールレアリズム星からやってきた巨大ヒーロー「タローマン」が降臨!



奇獣よりでたらめな動きを見せるタローマンは、街の人々を「なんだこれはっ!?」と困惑させます。

「芸術は爆発だ!」



タローマンがその場の思いつきで放った芸術エネルギーにより、特に悪い事してなかった「森の掟」は一瞬で粉砕され、地球防衛軍の戦闘機も吹っ飛ばされるのでした。なんだこれはっ!?



第4話『自分の歌を歌えばいいんだよ』では、通行人から罵声を浴びせられてた路上ミュージシャンたちの前に、梵鐘奇獣「歓喜」が出現! なんだこれはっ!?



手強い敵に見えた「歓喜」だけど、タローマンのまったくでたらめなドラミング攻撃により、あえなく粉砕!

そう、自由こそ無敵。でたらめでも何でも、自分の歌を歌えばいいんだ!



第7話『一度死んだ人間になれ』では、未来スコープを操る予知奇獣「未来を見た」が街の人々に彼らの(どうせ冴えない)未来の姿を見せ、みんなを無気力にしてしまう! こいつは悪い!

未来を予測できる奇獣だから、地球防衛軍の攻撃もスイスイ避けてしまう!



ところが! タローマンの未来だけは見ても(あまりにでたらめ過ぎて)意味が解らず、さすがの「未来を見た」も為す術なし! なんだこれはっ!?

自分の未来を知ったからってどうだと言うんだ。一度死んだつもりになって自由に生きれば何も怖くない!

負けるかも知れない相手と闘うからこそ楽しいのではないか。ただ間違いないものが間違いない結果を出したところで、退屈であるに過ぎないのだ。そう岡本太郎も言っていた!



第9話『同じことをくりかえすくらいなら、死んでしまえ』では、街に癇癪奇獣「駄々っ子」が出現し、駄々っ子のように暴れ回る!

そこにタローマンが「いつものように」現れ、街の人々は「いつものように」奇獣を倒して!と声援を送るんだけど、そこで急に戦意を失くしたタローマンは、自分で自分の攻撃を受けて倒れてしまう!



タローマンにとっては「予定調和」こそが最大の敵! だから「いつものように」奇獣を倒すルーティンがイヤになっちゃったのでした。



瀕死のタローマンに新たな生命を授けるべく、シュールレアリズム星から心強い仲間=タローマン2号が駆けつけます。ところが!

「芸術は爆発だ!」



「予定調和」以上に「自己模倣」が許せないタローマンは、駄々っ子もろともタローマン2号を粉砕しちゃいます。同じことをくりかえすくらいなら、死んでしまえ!



第12話『真剣に、命がけで遊べ』では、高速奇獣「疾走する眼」が街中を猛スピードで疾走! それをタローマンが必死に追う!

ところが、それは戦闘ではなく、ただの鬼ごっこだった! 遊びとは、真剣に、生命のすべてをぶつける行為なのだ!



第15話『美ってものは、見方次第なんだよ』では、ファッションモデルの写真を見て「こんな綺麗な顔に生まれたかったわ」とため息をつく地球防衛軍のマミ隊員(小笠原皆香)を、タローマンがいきなり拉致し、惑星ゲルダへと連れ込みます。

そこでは小型奇獣「みつめあう愛」たちが、同じように自分の容姿を嘆いているのでした。


「なに言ってんの、みんな同じ顔してるじゃない!」



第20話『好かれるヤツほどダメになる』では、すっかり人々の人気者となったタローマンが、双腕奇獣「赤い手・青い手」にまったく歯が立たず、いびつな姿に変えられちゃう。

そんな不甲斐ない姿を見た人々は、手のひらを返したようにタローマンをバッシングし始めます。なんだこれはっ!?



第23話『孤独こそ人間が強烈に生きるバネだ』では、剛腕奇獣「傷ましき腕」が有名な画家や作家ばかり誘拐し、カプセルに閉じ込めて孤立させちゃう。



ところが、それは皮肉にも彼らにとって理想的な創作環境だった! 芸術とか哲学とか思想なんてものは、みんな孤独が生み出した果実なのだ!



第25話『なま身の自分に賭ける』では、地球侵略を企てる知能奇獣「午後の日」たちが宇宙船内で会議ばかり繰り返し、保身を気にするあまり何も決められないでいる内、タローマンに爆殺されちゃいますw



自分で指一本動かさず、自分の責任において何もしない。組織の人間関係に血道を上げていないで、賭けるなら自分自身に、生身の自分に賭けるしかないんだ!



第30話『芸術は爆発だ』(最終回) ではついに、べらぼう奇獣「太陽の塔」が出現!

もちろんラスボスゆえ、これまでの奇獣たちとはレベルが違う! タローマンが真っ二つに切り裂いた太陽の塔は2つに増殖し、バラバラにすればバラバラにした数だけまた増殖してしまう!



お前のせいで災いが増えちゃったじゃないか!と、これまで護ってもらった恩も忘れてタローマンに罵詈雑言を浴びせる地球人たち。



だけど、そんなことでタローマンは悩まない。行き詰まった時はくよくよせず、さらに大きな悩みを求めて体当たりすればいい。

宇宙に飛び出したタローマンは、渾身の必殺技「芸術は爆発だ」を地球に向けて放ち、全人類もろとも粉々に吹っ飛ばすのでした。



人類全体の運命も、いつかは消える。それで良いのだ。無目的に膨らみ、輝いて、最後に爆発する。

そして平然と人類がこの世から去るとしたら、それがぼくには栄光だと思える。そう岡本太郎も言っていた。(完)



ご存知の方は少ないと思いますが、このテレビ番組は実在します。私はBlu-rayとオフィシャルファンブックを買いました。

放映されたのが1970年代、っていうのだけウソだけど、あとはいっさい改変してません。本当に最終回で地球は滅びます。主役のヒーローの手によってw

「NHKタローマン」で検索すれば詳細はすぐ判るし、いつでも視聴可能かと思います。多くは語りません。とにかく凄い作品です! なんだこれはっ!?


 

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『ドキュメント/シン・仮面ライダー』

2023-04-16 16:00:13 | エンタメ全般

大ヒットした『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』『シン・エヴァンゲリオン』と比べると、公開中の『シン・仮面ライダー』は興行成績がイマイチなんだそうです。

が、それは仕方ないかも知れません。予告編の段階で上記3作品よりトーンが暗く、スケールも小さい印象があったから、コアな特撮ファンと庵野秀明ファンの興味しか引けなかったんでしょう。

作品の良し悪しが、決して観客の動員数に直結するワケじゃない事ぐらい、ある程度エンタメに興味ある人ならみんな分かってると思うけど、ネット民たちはここぞ!とばかりにバッシングを始め、ネットニュースの類いは「失敗作」の烙印を押したりする。

実際にちゃんと観て「つまんない」と感じたなら、そりゃ遠慮無く叩いて構わないと思うけど、ヒットしてないからとか、みんなが絶賛しないからなんてアホな理由で、よからぬ先入観を植え付けるのはホントやめて頂きたいもんです。



うっかり読んでしまったネットニュースに、庵野秀明監督が俳優陣に何の指示も出さず、なのにダメ出しと撮り直しを繰り返して、撮影現場を大いに困惑させた、みたいなことが書かれてました。

で、それを象徴する場面としてクローズアップされたのが、地上波よりいくらか早くBSで放映されたNHKのドキュメンタリー番組における、主役=池松壮亮くんの「どうせやり直しでしょ?」っていう、投げやりとも受け取れる撮影現場でのお言葉。



確かに、観たらちょっと吐き捨てるような言い方してるし、そこだけ「切り取れば」現場の雰囲気が悪かった→キャストとスタッフがモチベーションを失った→結果、失敗作……みたいに連想しちゃいそうです。

そこがネットニュースの悪辣さなんですよ! 私自身、その記事を読んで「そこまで険悪な雰囲気だったのか」って思っちゃいましたから!

けれど今回、地上波で放映された本番組をちゃんと観たら、池松くんが後日、先の言葉が庵野監督に対する誤解だったことを認めてるんですよ! 逆にそれをキッカケにして、池松くんは以前より情熱を持って撮影に臨んでる!

そこまでちゃんと書くべきなのに、ネットニュースはわざとネガティブな部分だけ切り取ってアクセス数を稼ぐワケです。ほんとタチが悪い!💢



観てない方の為にいきさつを書きますと、アクションシーンが「ただ段取りに合わせて動いてるだけ」に見えることを避けたい庵野監督がなかなかOKを出さないもんで、その日、日没が迫ってる中、アクション監督が大急ぎで組み直した立ち回りを俳優陣は大急ぎで覚えなきゃいけなかった。

で、うろ覚えのまま勢いに任せて演じたもんだから、池松くんからすればボロボロのアクションだったのに、そのときに限って庵野監督が一発OKを出しちゃった。

なもんで、池松くんは「これ以上やってもムダだから仕方なくOKにしたんだろう」と思い込み、どうせ後日やり直しでしょ?って言ったワケです。

だけど後で池松くんは、庵野さんをよく知るスタッフたちから真実を聞かされるワケです。ボロボロに見えちゃう立ち回りこそ、監督が求めてたリアルなアクションなんだと。



庵野さんは最初の打ち合わせの段階で、ちゃんと言ってるんですよね。自分の思い通りにキャラクターを動かすことはアニメでさんざんやって来たから、実写ではあえて指示を出さないって。生身の人間に演じてもらうからには、まったく想定外の動きが見たいんだって。

それはもう、アニメ畑で頂点まで行っちゃったクリエイターならではの感覚でしょうから、ろくに裏も取ってないテキトーな記事をなんの責任も背負わずに垂れ流す、ネットニュース記者ごときに解るワケがない。

そいつらと違って池松くんは、子役からずっと第一線でやって来たプロフェッショナルですから、すぐに理解出来たはず。柄本佑くんや森山未來くんも然りでしょう。



とは言え、確かに庵野監督の要求は、そもそもムチャなんですよね。立ち回りは段取りをきっちり決めて、その通りに動かなきゃ生命を落とす事故にも繋がりかねない。

そうならないよう配慮しつつ、いかに立ち回りを格好良く見せるがアクション監督の仕事なのに、段取りするな、カッコ良くするなと注文されたら打つ手が無くなっちゃう。

庵野さんは「役者から殺気が伝わって来ない」とおっしゃるけど、仮面で表情が見せられない、声も出せないとなると伝える手段が無い。

アクション監督さんがいよいよ追い詰められ、あわや庵野さんと一触即発!ってな場面もそのまま放映されて、そこだけ「切り取れば」そりゃ険悪な撮影現場に見えるでしょう。



けれど番組では、そのあとカメラが回ってない時に「(監督が)涙目になって直立不動で謝ってくれた」っていう、アクション監督さんのコメントもちゃんと出してるんです。

私はもう、泣きましたよ! 庵野さんだって、自分の要求がムチャだってことを百も承知で言ってたワケです。

ムチャだけど「これまで誰も見たことがない仮面ライダー」を見せる為には、ムチャをやるしかない。その為ならスタッフ全員に恨まれたって構わない。

それだけの覚悟を持って作品に取り組んでるクリエイターが今、この国にいったい何人いるだろう?って話です。



スタッフもキャストも皆、どうすれば庵野監督が求めてるものを具現化できるか、必死に考えて考えて考え抜いて、本当に命懸けで取り組んでるのが画面からヒシヒシ伝わって来ました。リーダーが命懸けでなきゃ、誰もそんな風にはならんでしょう?

そうして創り上げられた作品が、つまんないものになるワケないと私は思うけど、まあ感じ方は十人十色だから否定意見も出るのは仕方がない。

けど、面白半分にネガティブな部分だけ切り取って記事にするバカ、それを真に受けて悪い噂を拡散するバカ、つまり命懸けで何かに取り組んだ経験なんか一切無いであろう連中に、庵野作品を否定する資格が果たしてあるだろうか?

『シン・仮面ライダー』に文句をつけて許されるのは、庵野さん以上に仮面ライダーを深く、それこそ命懸けで愛してる人だけだと私は思うけど、まぁそうそういないでしょう。昭和ライダーをまったく知らない世代は別にして。



アクション撮影以外の部分も観たかったけど、これは歴然たる「アクション映画」だし、監督VSアクション監督のバトルを超える見どころは無いでしょうから、文句ありません。とても面白いドキュメンタリーでした。

セクシーショットは恐怖の「蜂女」を演じられた、西野七瀬さんです。


 

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『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』2023

2023-04-14 22:25:08 | 刑事ドラマ HISTORY

2023年春シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜9時「木曜ドラマ」枠でスタートした、テレ朝&アズバーズ制作、福田靖脚本による連続ドラマ。‘20年の冬シーズンに放映された『ケイジとケンジ/所轄と地検の24時』の続編です。

ちょうど前作の放映期間中に、検事役(つまり主役の1人)だった東出昌大くんの不倫スキャンダルが出ちゃったんですよね。別に法を犯したワケじゃないから降板沙汰にはならなかったけど、さすがに続編はもう無いだろうと思ってました。

が、世間は冷たい。最初からこれは桐谷健太くん1人が主役だったかのように、シレッと再開しちゃいましたw

桐谷くんが演じるのは、神奈川県警・横浜みなとみらい警察署の捜査課強行犯係に勤務する、元は高校の体育教師だった熱血刑事=仲井戸豪太。



その豪太と同居する妹が、横浜地方検察庁みなと支部で立会事務官を務める、仲井戸みなみ(比嘉愛未)。



今回、みなみのサポートを受けることになる新任検事=二階堂俊介(北村有起哉)が彼女に一目惚れし、前作の真島検事(東出くん)とまったく同じ轍を踏んでるのが笑えますw



そしてアメリカでの研修を終え、警部補に昇進して強行犯係にリターンした若手刑事=目黒元気(磯村勇斗)が、今回は豪太のバディとなって活躍。



前作の毛利ひかる(今田美桜)に代わってチームの花となる女性刑事は、原口奈々美(岡崎紗絵)と岸本 凛(長井 短)。



チームをまとめる上司はノンキャリア組の江戸係長(古田新太)。



江戸係長とは対照的に若くしてエリート街道を歩んでる、牛島署長(伊藤淳史)。



横浜地方検察庁のみなと支部長に昇進した、持丸検事(峯村リエ)。



元「ミス東大」の美人だけど、野心がありすぎて婚期を逃しそうなエリート検事=矢部律子(中村アン)。



律子の助手だけど新婚ホヤホヤの立会事務官=三崎 遥(久住小春)。



そして「時々」登場する横浜地方裁判所みなと支部のクールビューティー判事=諸星美沙子(吉瀬美智子)は、なにやら二階堂検事と因縁がある様子。



幕間のほっこりタイムは前作に続いて飲食店「OKAZU-YA」の女主人=宮沢かほり(奥貫 薫)と看板娘のジュン(ぎぃ子)が担当します。



ちょっと登場人物が多すぎて視点が定まらないきらいもあるけど、所轄と地検に今回は裁判所も加え、それぞれの立場から多角的に事件を描くのがコンセプトでしょうから、そこは我々視聴者の読解力が試されるところ。

事件発生(いつも必ず湯江タカユキさん扮する交番巡査が発見するw)から捜査が始まり、犯人を割り出して確保→取調べ→自白で通常の刑事物は終わるけど、さらに送検→起訴→令状→裁判へと続く過程にも様々なドラマがある。その全てを見せちゃおうってワケだから、そりゃ「ながら見」だとついて行けないかも?

ユーモアも随所に仕込まれてるし、これは昨今の刑事物にしては珍しく、ちゃんと腰を据えて観てこそ楽しめる番組と言えそうです。

女優陣が華やかなのも良いですよね。特に、イイ味出してる強行犯係の女性刑事コンビに要注目!



そんなワケでセクシーショットは、比嘉愛未さん、岡崎紗絵さん、久住小春さん、中村アンさんです。


 

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『風間公親/教場0』2023

2023-04-11 23:30:02 | 刑事ドラマ HISTORY

2023年春シーズン、フジテレビ系列の月曜夜9時「月9」枠でスタートした、原作=長岡弘樹、脚本=君塚良一、演出=中江功の強力タッグによる連続ドラマ。

同じスタッフによるスペシャルドラマが2020年と’21年にそれぞれ前後編で放映されており、今回描かれるのはその前日譚。

「暗い」「重い」「長い」という、私が敬遠したくなる三大要素を備えてる(ように見えた)スペシャル版は、やはり敬遠して一切観てません。

が、この連ドラ版はなにせフジの「月9」ブランドを背負ってますから、良くも悪くも客を選ばない内容になってる筈……と思って観たら案の定、冒頭いきなり登場したのがこの人ですw



木村拓哉くんとはマブダチってことで、明石家さんまさん!

ほぼカメオ出演に近いチョイ役だけど、たった三言ぐらいのセリフにジミー大西さんや村上ショージさんのギャグを盛り込むサービス精神。お陰で肩の力が抜けました。これぞフジテレビの真骨頂!



とはいえ、本筋は神奈川県警・捜査一課の刑事指導官=風間公親(木村拓哉)が「風間道場」と刑事たちから揶揄され、恐れられるスパルタ教育で新人刑事を指導、というより「振るいにかけて」不適正な者を排除していくという、どシリアスな内容。

しかもスペシャル版(つまり後日談)で風間は片眼を失ってて、なおかつ警察組織に強い恨みを持った状態で登場するらしく、今回の連ドラではそのいきさつも描かれるようで、どう考えてもさんま師匠の出る幕はもうありませんw



それはともかく、いつぞやも書いたけど、私は木村拓哉くんが刑事ドラマに出てくれるのをずっと心待ちにしてました。かつて明石家さんまさんとダブル主演した月9ドラマ『空から降る一億の星』はいちおう刑事物だったけど、さんまさんが刑事で木村くんは容疑者の役でした。

過去に刑事役のオファーは無数に来てる筈なのに一度も演ってないって事は、ご本人が主義として刑事役を敬遠してたとしか思えません。たぶん刑事物が嫌いってワケじゃなく、型にはまったジャンルにやり甲斐が見い出せなかったんでしょう。

だけど『教場』の風間公親は警察学校の教官って立場からスタートし、連ドラ版(つまり前日譚)では現役の警部補だけど指導官の立場で、決して型にはまった刑事役じゃない。

しかもパワハラ……というよりモラハラしまくりの無愛想な鬼コーチで、昨今の若い人らが「自分の上司になって欲しくないタイプ」の条件を100%満たしたチョー時代錯誤なキャラクター。だからこそ演じる価値を感じたのかも知れません。

確かに、劇中のセリフにもあった通り、こういう人が指導すればボンクラな警察官はいなくなる。今、こんな不安だらけの時代だからこそ、警察組織に限らず風間公親みたいな指導者が必要なんじゃないか?って事ですよね。

そんな「風間道場」最初の犠牲者となる、捜査一課に配属されたばかりの新人刑事=瓜原潤史に、NHKの朝ドラでブレイクしたばかりの赤楚衛二。



風間の秘書みたいなポジションの事務員=伊上幸葉に、やはりNHKの『大奥』でひと皮むけた感じの、堀田真由。



瓜原の先輩となる捜査一課刑事の谷本と尾山に、濵田崇裕と結木滉星。



初回ゲストの殺人犯第1号に、内田理央。



とってもシブい拳銃を自分で密造しちゃう殺人犯第2号に、市原隼人。



そして警察学校の校長=四方田(小日向文世)、副教官の服部(佐藤仁美)、捜査一課・調整官の眞堂(小林 薫)といったキャラクターが初回に登場しました。

ちょっと驚いたのが、初回で扱った2つの殺人事件が2件とも、最初から誰が犯人か判ってたこと。つまり『古畑任三郎』等と同じ倒叙法ミステリーなんですよね!

トリックに無理を感じる謎解き描写もあったけど、「犯人当てゲーム」で視聴者の興味を引く安易な道を捨て、あくまで指導する者とされる者の「人間ドラマ」で勝負を挑む創り手たちの姿勢に拍手! これは想像してたより面白くなりそうです。

これから登場してくるキャスト陣がまた豪華なんですよね。まずは第2話ゲストに宮澤エマ。



そして赤楚くんの次に風間のシゴキを受けるらしいシングルマザー刑事=隼田聖子に、新垣結衣。



同じく風間と組まされる新人刑事=鐘羅路子に、白石麻衣。



素行の悪さで所轄署から風間道場に飛ばされる暴力刑事=中込に、染谷将太。



のちに風間が片眼を失う事件で殉職するらしい遠野刑事に、北村匠海。



北村くんはスペシャル版にも登場済みで、ほかに工藤阿須加、濱田岳、大島優子、川口春奈、三浦翔平、林遣都、葵わかな、上白石萌歌、福原遥、岡崎紗絵、高月彩良、矢本悠馬、杉野遥亮、目黒蓮、眞栄田郷敦、三浦貴大、重岡大毅、佐久間由衣etc…と、そうそうたる若手俳優陣がスペシャル版に登場しており(観ればよかった!w)、連ドラ版にも顔を見せてくれるかも知れません。

実際、冒頭シーンでさんまさんと共演した富田望生さんも、スペシャル版で風間にシゴかれた訓練生の1人だったみたいです。

私としては今回初の刑事役であろう、白石麻衣さんに是非とも注目したいところ。なぜなら、素晴らしいセクシーショットを発表されてるからです!


 

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