トニオ・クレーガー(10)
————————【10】——————————————
Beide hatten die Schulmappen über
die Schultern gehängt, und beide waren*²
sie *¹ gut und warm gekleidet*² ; Hans in
eine kurze Seemanns-Überjacke, über
welcher auf Schultern und Rücken der
breite, blaue Kragen seines Marineanzuges
lag, und Tonio in einen grauen Gurtpaletot.
Hans trug eine dänische Matrosenmütze
mit kurzen Bändern, unter der ein Schof
seines bastblonden Haares hervorquoll.
—————————(訳)———————————————
二人とも通学かばんを肩に掛けて、二人ともいい身
なりで、あったかく着込んでいました; ハンスは
短い海軍ジャンパーを着て、その肩と背中の上に
(中に着ていた)海軍セーラー服の広くて青い色の
襟が出ていました.そしてトニオの方は、ベルトの
ついたダッフルコート*を着ていました.
————————— ㊟ ————————————————
* パルトーというらしいですが、知らないので書く
のも無責任と思い、とりあえずダッフルコートに近
いものということで、こうしました.
—————————〘語句〙———————————————
die Schulmappe: (Nタイプ) (生徒用) 通学かばん
die Schulter:(Nタイプ) 肩
gehängt:(過去分詞)
<hängen (自/他) 掛かっている、
(4格を)掛ける
gekleidet:(過去分詞) <kleiden
Seemanns-Überjacke 辞書不掲載
→ Seemann + Überjacke
der Seemann:{_(e)s/_leute} 船乗り
Überjacke:辞書不掲載 → Über + jacke =
上に羽織る + ジャケット、
=(おそらく) 上っ張り
der Rücken (同尾タイプ) 背、背中
der Kragen:(同尾タイプ)(南ドイツKrägen)
❶ 襟、カラー、❷首
der Kragen des Hemdes / シャツの襟
Marineanzuges:辞書不掲載
→ Marine + Anzug = 海軍スーツ
die Marine (Nタイプ) ① 海軍、
②(一国の)海軍力、海軍勢力、海運力
der Anzug (変Eタイプ) スーツ、背広の上下
lag: (過去3単)
<liegen (自) 横たわっている、置いてある
3変化= liegen lag gelegen
grau:(形) 灰色の
語尾 -en は混合男性3格、in が「服を着て」とい
う意味で、この場合3格支配になるため、grauen.
Gurtpaletot: 辞書不掲載 → Gurt + Paletot
der Gurt:(Eタイプ) ベルト、帯
der Paletot:(Sタイプ)[服飾] パルト:
古くはダブルボタンの紳士用コート
19世紀以降は婦人用、
及び紳士用トッパーコート (小学館大独和)
パルトー(短いダブルのコート)(アクセス独和)
よくわからなかったのでネット検索しました
http://kinntailor.blog98.fc2.com/blog-entry-419.html
それでもまだわからないのですが、トレンチ
コートとダッフルコートを足して2で割った
ようなコートでしょう.ボタンは前に6つ、
ネコのおっぱいみたいな配列です.
————————————≪文法≫—————————————————
*¹ sie: 主語です.1行目のbeide は「不定代名詞」で
主語.beide の単独用法で「ふたりとも」と訳し
ます.
2行目のbeide も「不定代名詞」.sie との同格主語で、
sie が真主語でbeide が言い換え表現.「彼らはふたり
とも」と訳します.
*² waren...gekleidet 状態受動です.受動態は、
動作を表すときは「werden + 過去分詞」、
状態を表すときは「sein + 過去分詞」
となります.英語で受動態は「be + 過去分詞」
一点張りですが、ドイツ語では使い分けます.
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