さすらいの青春(33)
———————————【33】—————————————————
Mais, apercevant cette femme assise dans le grand fauteuil,
au fond de la salle, elle s'arrêta, déconcertée. Bien vite,
elle enleva sa coiffure, et, durant toute la scène qui suivi,
elle la tint contre sa poitrine, renversée comme un nid dans
son bras droit replié.
————————————(訳)—————————————————
しかし、広間の奥でこの婦人が安楽椅子に腰かけている姿
に気づくと、母の動きは止まって、戸惑った。すぐに
頭の被り物を取り払い、その場が続く間、母は帽子を
鳥の巣のように、さかさまにして、胸に当て、右腕に抱え
込んでいた。
———————————《語彙》————————————————
déconcertée(過去分詞、女性形)狼狽した
< déconcerter とまどわせる、狼狽させる
vite 早く、すぐに
enleva<enlever (他)取り除く、取り除ける
durant (前)~の間中、~を通じて
tint (単純過去、3単) < tenir 保つ
poitrine (f) 胸、胸部、バスト
nid (m) 巣
replié (発音:ルプリエ)< replier 再び折る、
折りたたむ、折り返す、
————————— ≪学習感想文≫》—————————————
tint の元の動詞が tinter (鐘が)鳴る、(かちんと)鳴る
かなと勘違いして、また、泥沼にはまりかけた。
帽子の真鍮がチリンと鳴ったのかなと思いこんだのでした。
ひとつの間違いが、次の間違いを生み、雪だるま式に
間違いが大きくなる。
【教訓】火事は小さいうちに消火しましょう。