もぐりの語学教室+修行が辛くお寺を逃走した元僧侶見習の仏教セミナー

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

762番:さすらいの青春(31)

2022-01-31 05:21:40 | 日記

さすらいの青春(31)


—————————【31】———————————————————
               
En effet, lorsque j'eus pénétré dans la salle
à manger, immédiatement suivi de la visiteuse, ma
mère apparut tenant à deux mains sur sa tête des fils
de laiton, des rubans et des plumes, qui n'étaient pas 
encore parfaitement équilibrés...  Elle me sourit, de 
ses yeux bleus fatigués d'avoir travaillé à la chute du
jour, et s'écria :


—————————(訳)———————————————————
         
誰も出迎えてやらなかったことは間違いない。実際
私が入ってゆくとき、女性は直ちに私のあとを
ついてきたのだから。そして食堂に入るや否や
母の姿が見えた。真鍮線やら、リボンやら、
羽根やらが、まだアンバランスの帽子頭に両手を
置いたままの母の姿が・・・  母、ミリーは, 
日暮れて、作業で疲れた青い目で私に微笑みかけ、
叫ぶように言った。


—————————《語彙》———————————————————
               
en effet  ① 確かに、そのとおり 
    ② なるほど、実際
    ③ 実際~だから、なるほど~だから、だって~だもの
eus pénétré(前過去)<  pénétrer (自)入る、入り込む
            (dans の中に)
apparu  <apparaître (いきなり)あらわれる、 見える
laiton  (m) 真鍮(しんちゅう)
fils (pl) <(m) 糸、繊維糸、線
équilibrés  <équilibrer (他)釣り合わせる、均衡をとる、
           ② 埋め合わせる
chute (f) 落ちること
      à la chute du jour  日暮れ時に
s'écria(単純過去、3単) <  s'écrier  叫ぶ、大声を上げる

        ≪ひとこと≫
avoir もしくは être の単純過去形 + 過去分詞で「前過去形」になります。
これは、単純過去で描かれている行為の中で、
その行為の直前の行為であるときに用いられる。
これで過去の遠近感が出せるというわけです。

「lorsque j'eus pénétré dans la salle à manger  私が食堂に入ったとき」

「ma mère apparut  母の姿が現れた」

では、「食堂に入った(前過去〉」のが先。
そのあと「母が出てきた(単純過去)」 

ここで質問を受け付けます。

質問:「私が」入ったとき、ただちに「女性」がついてきたから
   suivre こそ、前過去になってしまえ!

回答:ご立腹はもっとも。しかし、immédiatement という言葉が
   すでに「私が入った」のが直前で「女性が入った」のがすぐあと
   ということが明白なので前過去にせず、「私」にくっつけて受け身
   表現にしています。
   「私は」「女性に追従されて」入ったのです。
   ここは時間差がなく同時進行なので、分詞構文です。
   きっと
   ジェロンディフ(これも同時進行でよく使われる)にすると、
   まだるっこしくなるので、歯切れのいい
   この表現を選んだのだと思います。
   
質問:あんた、そんなニュアンスまで、わかるんかい!仏検5級だろ!

回答に詰まった回答者:わからないけど、en がない分、てっとり早く
   言えるし・・ この辺りの真相はアラン・フルニエのみぞ知る
   ・・・とか。

さて前過去という、この曲者の時制。
この時制をめんどくせーと思うか、ナイーブで美しいと思うかで
今後の、フランス語の上達に開きが出るとすれば、ここはちょっと
がんばって注意しまひょか。

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761番:さすらいの青春(30)

2022-01-30 15:51:33 | 日記

さすらいの青春(30)

 

—————————【30】———————————————————
                
Personne ne venait ouvrir à la visiteuse inconnue.
Millie, sans doute, avait reçu le chapeau de La Gare,
et sans rien entendre, au fond de la chambre rouge, 
devant un lit semé de vieux rubans et de plumes 
défrisées, elle cousait, décousait, rebâtissait sa médiocre
coiffure...  


 —————————(訳)———————————————————
        
誰ひとり、この見知らぬ訪問者にガラス戸を開けには
来なかった。
ミリーは間違いなく、駅で帽子を受け取っていて
赤い部屋の奥で、何も聞こえず、古いリボンや
伸ばされた羽をまき散らしたベッドの前で、地味な
帽子を縫っては、ほどきの作り直しをしていたのだ。
  

—————————《語彙》———————————————————
        
visiteuse   (女性の) 訪問者、来客  < visiteur  (m)
La Gare  この物語では、駅というのは鉄道ではなく
   馬車の駅と思われる(仏鉄道は1832年の開業だが、
      普及は1900年以降)
semé <semer (他)まく、撒く
rubans < ruban (m) リボン、帯状のもの
défrisées 過分、女複 < défrisé √défriser (他)髪の縮れを伸ばす
cousait  直、半過去、3単 <coudre (他)縫う、縫い付ける
décousait  直、半過去、3単 <découdre (他)縫い目を解く、ほどく
rebâtissait <  rebâtir  (他)立て直す、再建する
médiocre  (形)平凡な
coiffure (f)① 髪の結い方、ヘアースタイル
       ② 美容、理容
       ③ 帽子、被り物 
       ここでは③の「帽子」

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760番:さすらいの青春(29)

2022-01-30 15:51:33 | 日記

さすらいの青春(29)

 

—————————【29】———————————————————
                  
Et, entre chaque phrase, elle frappait au carreau trois petits
cours à peine perceptibles.


—————————(訳)———————————————————
                    
そして、言葉の合間、合間に女性は、窓ガラスを
3度、ほとんど聞こえないくらいに叩いていた。


—————————《語彙》———————————————————
                   
carreau  (m)(plは~x)窓ガラス
coups  < coup (m)  打つこと、殴ること、打つ音
perceptibles(pl) <perceptible (形)知覚しうる、気づきうる
à peine   ほとんど~ない

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759番:レ・ミゼラブル(15)

2022-01-30 15:49:08 | 日記

レ・ミゼラブル(15)

 


————————————【15】——————————————

  M. Myriel était arrivé à Digne accompagné d'une 
vieille fille, mademoiselle Baptistine,  qui était sa sœur
et qui avait dix ans de moins que lui.*


————————————(訳)——————————————

  ミリエル氏は彼の妹で彼より10年年下だった老バティ
スティーヌ嬢と伴って、ディーヌに来ていたのだった.     
  

————————————《語句》——————————————

accompagné (過去分詞) <accompagner (他) (人と)一緒に行く、
                     (~の)お供をする 

————————————≪脚注≫————————————————

*) Mgr Miollis passa ses dernière années à Aix chez l'une de ses 
 sœurs qu'il appelait «la Séraphique ».

  Mgr [略] Monseigneur 閣下、猊下

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758番:アルト・ハイデルベルク(30)

2022-01-30 15:45:34 | 日記

アルト・ハイデルベルク(30)

 

—————————————【30】———————————————                         

Lutz.  Ein Mann meiner Position nimmt am Hofe zu 
     Karlsburg eine Stellung ein, während dieser Herr Doctor
     - lieber Gott, ein Jahr noch, dann braucht man ihn nicht
      mehr. Dann fliet er. 


—————————————《訳》———————————————
                       
ルッツ: 受カールスブルクの宮廷で、私のような身分のある者は
   しかるべき待遇を受けるものだ。なのに、あの博士ときたら ―  
   本当もう・・あと1年、そうなると、あの人も用無しだ。
   消え失せるさ。


—————————————《語彙》——————————————
                    
am Hof(e) 宮廷で 城内で
am Hofe zu Karlsburg   カールスブルク宮廷内では
ein Mann meiner Position  私のような立場の者は
die Stellung  (_/_en) ① 姿勢、ポーズ、② 位置 ③ 地位、身分、職
eine Stellung(しかるべき)身分待遇
nimmt... an <an/nehmen   受け取る、受ける
nimmt eine Stellung an しかるべき身分待遇を受けるものだ 
während  (従属接続詞)(定動詞後置)
      ~であるのに対して
     正しくは、博士が~であるのに対し、
     私のような地位のあるものは
     しかるべき待遇を受けるべきものだ、
     と訳すところですが、
     あまりこだわらず、「ちゃんとした扱いを
     受けるべきものを、あの博士ときたら、まったく・・・」
     というニュアンスを出すのがいいと思います。
lieber Gott おやまあ、何と
fliet<fliehen (  floh,  geflohen)(雅)消え失せる 

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