東条の図書館で借りた本 … 中野信子の『人はなぜ他人を許せないのか』は今年1月に出た本です。それが6月で12刷ですから、広く読まれています。
ひと口で感想を言うなら「この本が多くの日本人に読まれるのは、日本という人間の集まりにとって〈トテモイイコト〉だ」です。
「正義中毒」という耳なれない言葉の部分を引用してみます。
人の脳は、裏切り者や、社会のルールから外れた人といった、わかりやすい攻撃対象を見つけ、罰することに快感を覚えるようにできています。
他人に「正義の制裁」を加えると、脳の快楽中枢が刺激され、快楽物質であるドーパミンが放出されます。この快楽にはまってしまうと簡単には抜け出せなくなってしまい、罰する対象を探し求め、決して人を許さないようになるのです。
こうした状態を、私は正義におぼれてしまった中毒状態、いわば「正義中毒」と呼ぼうと思います。 (中略)
多くの人は元々怒りっぽいわけでも、誰彼構わず攻撃を仕掛けているわけでもありません。普段は、あくまでも常識的な、穏やかな、態度を保てるのに、ある話題、ある状況になると、豹変してしまうのです。 …… ネットの広がりが正義中毒を顕在化させ、より強めているのではないか。
ぼくは「満蒙開拓青少年義勇軍」のことで、このブログに自分の怒りを書いたことがあります。
そうか。75年以上まえのことを怒って、ある種の正義中毒にはまっているのか。棄民を怒り、冷静に歴史を見る眼をくもらせているのか。
ひと口で感想を言うなら「この本が多くの日本人に読まれるのは、日本という人間の集まりにとって〈トテモイイコト〉だ」です。
「正義中毒」という耳なれない言葉の部分を引用してみます。
人の脳は、裏切り者や、社会のルールから外れた人といった、わかりやすい攻撃対象を見つけ、罰することに快感を覚えるようにできています。
他人に「正義の制裁」を加えると、脳の快楽中枢が刺激され、快楽物質であるドーパミンが放出されます。この快楽にはまってしまうと簡単には抜け出せなくなってしまい、罰する対象を探し求め、決して人を許さないようになるのです。
こうした状態を、私は正義におぼれてしまった中毒状態、いわば「正義中毒」と呼ぼうと思います。 (中略)
多くの人は元々怒りっぽいわけでも、誰彼構わず攻撃を仕掛けているわけでもありません。普段は、あくまでも常識的な、穏やかな、態度を保てるのに、ある話題、ある状況になると、豹変してしまうのです。 …… ネットの広がりが正義中毒を顕在化させ、より強めているのではないか。
ぼくは「満蒙開拓青少年義勇軍」のことで、このブログに自分の怒りを書いたことがあります。
そうか。75年以上まえのことを怒って、ある種の正義中毒にはまっているのか。棄民を怒り、冷静に歴史を見る眼をくもらせているのか。