アジア賞に審査会があり出席した。
審査は外部の有識者にお願いしてあるが、我々クラブ員にも発言の機会が与えられる。
応募17作品を複数回読み返して私なりに理解したつもりで席に着いた。
しかし作品の中にどうしても意味が解らない熟語があった、それは信州大学に学ぶ中国からの留学生が寄せた「心の文化」というエッセイで【日本に来てから、日本人が学校でも商店でも一生懸命に働く姿がよくみられます。どんな思想が日本人の行動を左右しているのでしょうか?中国の古人が万里の長城を建てたり、『魯班精神』を継承したり、中国にも「よく働く」という美徳があります】。
そこに記された「魯班精神」の意味があらゆる手段を使っても判らなかったが、今日それが判った
「昔中国に魯班という聡明な人がいた、そのころ材木を切ったり加工するのはもっぱら斧を使い、鋸に類する便利な道具は存在しなかった。
誰でもが丸太から薄い板を作る道具の出現待望した。 ある時魯班が薄の原を歩いているとき、薄の葉に触れた腕が出血した。不思議に思ってその葉をよく観察すると縁に沿って小さな鋭い突起が並んでいる、そうか!!魯班はひらめいた、こんな道具を作ったら、材木から板がで
きるかもしれない。魯班は不眠不休で鋸つくりに没頭し、ついに鋸が誕生した。
中国では魯班を鋸の発明家と称え、教科書にも掲載されているという
藤の鞘 風が吹くと乾いた音がする。