自分が変わった品種に興味があるのを知っている知人が、「コレッ 知っている人の本や。珍しい果物が載ってるで」と、1冊の本をくれた。
表紙の色合いもデザインも粋だった。
裏表紙に「珍果園」とあった。「名は体を表す」だった。
表紙をまくると、園主挨拶文と見知らぬ品種の写真ばかりだった。
トップバッターは、「せとか」を超えるクオリティと紹介された「キャラメルマンダリン」だった。初めて見聞きする名前だった。
数ページまくると、柑橘のページがあった。大半の名前を知っていた。
でも、柑橘・全9ページをめくると、初めて聞く品種ばかり。ワクワクしながら品種ごとの特徴に目を通した。
この冊子は、農家が新品種を栽培するための「パンフレット」だった。植えてみたい品種が何種類もあったが、植えて5年はしないと一人前にならない果樹だけに躊躇するばかり・・・
我が勝手気ままな家庭園芸。自分で作るより、誰かが作った柑橘を味見させてもらう。これが、自分らしい戦略かもと思ったりして・・・
冊子を持ってきてくれたこの知人、みかん作りのプロだし、誰が何を作っているかの情報通だし、顔は広いし・・・
今はJA役員として地域農業発展のために多忙な日々を送っているようなので頼みにくいが、我が家の「甘くない大根の麹漬け」の愛好者だけに・・・
果物好きにはたまらないこの冊子、自分にそんな甘い夢物語までみさせてくれた。