地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

カミーノにあしあと 1

2010年08月22日 | Weblog
※St. Jean Pied de Portの1日が長すぎてブログの文字数がオーバーしてしまったため、せっかく加えた修正や絵文字、写真も更新されず。
L’Esprit du Cheminでの夕食風景の写真をここでアップ。
この後もはや会うことのなかったメンバーなので、とても懐かしい







【1日目】6/26(土) St. Jean Pied de Port → Orisson
朝7:00から朝食。
多くの人がもっと早くアルベルゲを出発したがるが、オスピタレラのウベルタ曰く「朝食時間を遅めに設定しているのは、みなさんのためを思ってのこと。みんな競争のように我先にと出発したがるけど、カミーノは逃げない。もっと余裕を持って楽しんでほしい。それでもどうしても早く出発したい人を止めはしないけど…。」とのこと。

パンやシリアルなどの朝食を済ませ、出発準備。
昨日もらったカプセルには、日本から持参した住吉大社の五大力を入れることにした。
ここに「五」を置いていき、カミーノ上のどこかに「大」、サンティアゴに「力」を置こうかと。


部屋ではキャシーがドアと窓を開け放ち、「みんな、ごめんね、ごめんね」と言いながら足にたっぷりとスプレーを振っていた。
ものすごい揮発性のにおい…。

「ねえ、それもしかして皮膚を保護するやつ?」と聞くと、そうだとのこと。
「あのさあ、私が持ってるやつはフォーム状になって出てきて、足に摺り込むタイプで、そんなきついにおいしないよ。しかもこれアメリカ製だから、アメリカで手に入るんじゃないかな」と言うと、「うっそ~マジで」と驚愕していた。

ちなみにキャシーのスプレー、強烈な揮発性のにおいがする割にはなかなか乾かないらしく、椅子に座ってじーっと乾くのを待っていた。


私が爪やすりで爪をといでいると、キャシーが目を丸くしたので、「あ、違うよ。爪が割れたからといでるだけで、何もこの期に及んでかわいく見せようとかそういうことじゃ…」と言い訳すると、ホッとした顔してた。
これから長い巡礼生活に入るのに、ファッションで爪の形整えてるわけないじゃん…。


ようやく足が乾いたらしいキャシーが五本指ソックスをはいていた。
ふ~ん、アメリカでもちゃんと売ってるんだね。
私ももちろん五本指ソックス。そしてその上にトレッキング用ソックスの重ね履き。


我が部屋ではキャシーがまず一番に出発し、つづいてアンケが自転車で去って行った。
私は今日Orissonまでしか行かないからそんなに早く出発する必要もない。
なので皿洗いを申し出てみたけど、丁寧に断られた。
仕方がないので私もぼちぼち出発することにする。


出発時、1枚のカードを手渡される。
裏には一編の詩。






アルノに「ちなみに以前ここに泊まった韓国人巡礼者が韓国語に訳してくれたものがあるんだけど、君も日本に帰ったら日本語に訳して送ってね」と言われた。
は、はい…。ちょっと面倒くさいけど、やってみます。たぶん。


7:45、アルベルゲの人たちに別れを告げ、スペイン門をくぐって出発!
1泊しただけなのに、なんだか別れがたい気がする。

お天気がいいので国道沿いではなく、ナポレオンルートと呼ばれる山ルートの“Chemin du St. Jacques”を歩く。




すぐに上り坂になるので汗が噴き出す。
この先どんな景色が待ってるのかな~。ワクワク。


少し歩くと例のポーランドの家族が立ち止っていた。
声をかけるとマチェイーが「どうやら僕たちは道を間違ってると思う」と。

へ?
ナポレオンルートの標識からスタートしてまだ10分ぐらいしか歩いてないのに、そんなわけないやん
しかしポーランド家族は「いや、間違ってる気がする」と言って譲らない。

そこへ同じアルベルゲに泊まっていたフランス人夫妻が現れ、「いや、合ってると思うよ」と言ってくれた。
「ほら、この赤と白のラインが入ったマークもカミーノと同じだから、黄色い矢印やホタテ貝と共にこのマークもたどるといいよ」と。
念のため地元のじいちゃんにも聞いてみると、「うん。このまままっすぐ」と。

ほらね。
ポーランド人たちが出発早々なぜ道に迷ったと思ったのかは不明。


カミーノはほどなく田園地帯へ。
景色が奇麗








上り坂は結構きつい。
Orissonはほんの8kmほど先だけど、初日だし荷物重いし、結構こたえる。
ポーランドファミリーとは抜きつ抜かれつ。
でも意外とお父さんたちも健脚のようだ。


ほどなくOrissonへ到着。
こちらが本日のアルベルゲ。







“Ongi Etorri”とはバスク語で”Welcome”だと、スペイン北部出身の巡礼者が教えてくれた。





歩行距離が短かったのでまだ午前10時すぎ。
部屋は正午ごろまで開かないというので、アルベルゲの前のテラスで時間をつぶすしかない。




思いっきり喉が渇いているので、思わずオレンジジュースとペリエのダブルオーダー。
オスピタレロ(というか、ここは私営で結構商売っぽかったのでオーナー?)のジャン・ジャックが「あれ?フランス語話せるの?」と嬉しそうに聞いてきた。
は、はい。食べ物の注文は基本何語でもマスター早いです…。


L’Esprit du Cheminに泊まっていたメンバーの中で、今日Orissonに宿泊するのはどうやら私一人らしい。
みんな1日でピレネー越えをしてスペイン側のRoncesvallesまで行く予定。
なので休憩している間に知ってる人がどんどんまた出発してしまうので、ちょっとさみしかった。

ポーランドのお父さんに”Let’s go!”と言われ、「あ、いや、私は今晩ここに…」となぜか恐縮しながら答える。
みなさん、お元気で気をつけていってらっしゃ~い。
少し休憩したら疲れも取れたので、自分も一気にピレネー越えしてもよかったかなとすら思う。
でもアルベルゲは予約してあって代金も支払い済みなのでその場に残るしかない。


しばらくしてお腹も空いてきたので、サンドイッチとコーヒーを注文。
サンドイッチの中身はパテにしてみた。超おいしい!さすがフランス!





ようやく部屋に入ってもいい時間がきたので案内される。
私は若い方なので当然2段ベッドの上の段。

この部屋のメンバーは、フランス人のアンとミジャ、オランダ人のスィナ、スウェーデン人、スペイン人(この2人、名前聞いてない)、そして私。




オスピタレロにトークンみたいなのを渡され、「これがシャワーを使うためのコイン。これで5分ね」と。
「ええシャワーたったの5分」と全員驚愕。

「とりあえず行ってみるわ」とアンとミジャが先にシャワーを浴びに行く。
数分後戻ってきたアンが、「びっくりだけど、5分で全然余裕!しかもシャワー浴びながら洗濯までできちゃった」と。

ほ、ほんとですか~?
半信半疑ながらもアンが言うとおりにやってみると、これまた不思議、ちゃんとシャワーも洗濯もできた。

ここでの経験が機となり、この先も時間制限がなくてもシャワーは5分ぐらいで浴びられるようになる。
人間って、超合理的かつ効率的に5分でシャワーが浴びられるもんだね。(なんか、しょっぱなから変な技術を身に付けたな


アルベルゲの裏手に洗濯干し場。




テント泊の人もいた。





すでに文章が長くなっているので、ここで一旦区切って、つづく。