地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

フィリピンと日本、戦争の爪痕

2011年03月27日 | Weblog
今朝の「日刊まにら新聞」にこんな見出しの記事があった。


先祖の遺骨盗まれた比人男性が自殺。
関連性指摘される収集事業「無言の一石」



先祖の遺骨を盗まれた30代の男性が、それを苦に自殺したという記事、実は日本と深い関係がある。
フィリピンでの戦没日本人遺骨収集をやっているのは、日本政府から委託を受けたNPO団体。
現地の人に遺骨収集の報奨金を出している。

このことが現地住民の間に亀裂を生んでいるそうだ。
お金がもらえるとなると、他人の先祖のお墓から遺骨を盗んで、それを戦没日本人のものだとして提出する人が出てくる。

手段を選ばず懐を温めたい住民と、そんな不正は許さない住民の間でしばしば衝突が起きていたようだ。

ちなみに以前は遺骨1体につき4,000ペソ(約8,000円)がもらえたそうだが、最近はノルマがきつくなり、収集数が増えたため500ペソまで単価が落ちたとの不満の声もある。
(ノルマって何なんだ?!)


今回、先祖の遺骨を盗まれた男性はある部族の人。
その部族では先祖の霊を慰めるために盛大な儀式を行わないといけない。
しかし、そのために用意する供え物などの費用負担が重くのしかかる。

この日、妻が儀式に使う豚などの購入先の目途が付いたと伝えた後、男性は自宅で自殺した。


こんなことが起こっているとは、日本人として情けなくなる。
そもそも遺族も、これまでに渡された遺骨が全く関係のないフィリピン人のものだったかも知れないと思うと、全く身内を供養できたことになっていない。

戦没者の遺骨はDNA検査をしているわけではないのか?
そもそもどれが誰の遺骨かというのは、どうやって確認を取っているのか?
まとめて戦没者の遺骨を供養しているだけ?

今まで遺骨収集の記事などは目にしてきたけど、深く掘り下げて調べてみたことはないので、一度調べてみたいと思う。
うちの祖父は生きてフィリピンから帰ってきたけど、故郷の土を踏むことなくこの地で没した邦人はたくさんいる…。

と思って少しネットで検索してみたら、確かにこの手の疑惑の記事は出ている。


http://diamond.jp/articles/-/9652

もちろんNPO団体はボーンビジネスを否定している。
某アルピニストが理事だったけど、週刊誌に取り上げられてから退会したそうだ。

NHKとはいえ、マスコミの報道を鵜呑みにしてはいけないが、この記事で語られているような政府の対応は目に浮かぶ。
きちんと検証してもらいたいな。

そのためには国民がもっと戦争というものに関心を持たないといけないんだよね。