久しぶりの登山。
ジャカルタから南方向に車で空いていれば1時間以内、混んでいれば何時間もかかるボゴールという町の近郊にあるサラック山。
標高は2,000メートルちょっとなので、前回登った3,000メートル近いグデ山と比べるとかなり楽。
「2時間程度のハイキングですよ~」というY田君の言葉に騙され、いや、励まされ、また「温泉掘って入りましょ~」という言葉にそそられて参加決定。
同じく「ハイキングですよ」というセリフに騙され、普段運動不足の人たちも参加表明し、十数名集まった。
同じアパートに住むM本さんの車に乗せてもらい(今回は運転手遅刻せず)、朝5時にアパートを出発、集合場所のボゴールのKFCへ。
土曜日の早朝は道が空いているので、45分ぐらいであっさり到着。
車5台に分乗して集まる予定だが、ここはやはりインドネシアなので「○○さんの車、ちょっと遅れま~す」という連絡が入り、時間つぶしにKFCカフェでコーヒーを飲む。
運転手のせいであったり、交通渋滞のせいであったり、はたまたインドネシア人化している本人のせいであったりで、日本人同士の待ち合わせでも時間通りに全員そろうことはまれである。
さて、しばらく待って全員がそろったので、KFCからサラック山の登山口へ向かう。
ボゴールは町だけど、そこから畑やら田んぼやら段々畑やらあるのどかな(でもバイクがうじゃうじゃいる)田舎の風景の中を走る。
ちょっと標高が上がって涼しくなり、硫黄のにおいがしてきた。
「ようこそサラック山へ!」と書かれたゲートをくぐる際、料金を徴収するおじさんがいた。
「2万ルピア」と言われたが、運転手が「そんなわけねーだろ」と1万ルピアだけ渡して走り去った。
よく考えれば、たぶんこの料金徴収は正規の入場料徴収ではなく、その辺の住民が勝手にやってることだと思う。
これが日本人が運転する車だったりしたら、「2万ルピア」と言われるとあっさり「あ、そう」と思って支払ってしまうが、さすがインドネシア人の運転手、相場がわかってるらしく相手にしなかった。
でも一応1万ルピアは払うのが礼儀(?)らしい。
途上国ではそういうことがよくある。
交差点や駐車場などで、警察官でも係員でもないのに勝手に交通整理をし、小銭をもらう人があちこちにいる。
たまに支払わない運転手もいるかもしれないが、たいていの場合2,000ルピア程度の小銭をみんなが支払っている。
ちりも積もれば山となるので、意外とあの人たち稼いでいるのかも。
その代わり、毎日排気ガスを吸い、交通事故の危険にさらされながらの仕事(?)だけど。
さて、こちらが登山口。
いざ、出発。
なんか、ボーイスカウトみたいな、同じ赤いスカーフを首に巻いた少年らがたくさんいた。
さて、サラック山は「ハイキング」とはいえ、事前に聞いていた情報では「川の中をジャブジャブ進んでいく」とのこと。
最初は濡れないようにしてるんだけど、
もう濡れなきゃどうしようもない場所もある。
準備のいい人はスパイク付の長靴を着用。
それ以外の人は足元ずぶ濡れ。
ハイキングと言いつつ、結構ハードな部分もあり。
岩の上にカエルさんがいたり、
生姜の赤いきれいな花が咲いていたり。
ふぅ、やれやれ。
半袖の人は蚊に刺される。
ハードな行程を超え、ようやく温泉がわき出るエリアに到着!
ぐつぐつと煮えたぎるお湯の温度は90度以上。
川の中にも温泉がわき出てるスポットがたくさん。
でもガスが多く出ているところは危険なので、場所をじっくり選んで温泉掘り開始。
掘ったり、石で水をせき止めたり、川の水で温度調整したりと難しい。
本当は全身入るつもりで水着を持って行っていたのだけれど、川底が硬くてうまく掘れず、足湯だけに。
でも極楽~♪
ビールなんかも飲んじゃったりして。
(すっかりぬるくなっていますが。)
そして、準備のいい人たちは卵とストッキングを持ってきていたので、温泉卵づくり。
こんなに真っ黒に!
卵によって、仕上がり具合が違うけど、これは結構うまくいったやつ。
さらに驚愕の事実。
登山にすいかを持ち込んだK原さん。
こんな重いもの背負って下さってありがとうございました。
帰りも同じルートなので、過酷な川渡りあり。
岩がゴロゴロしていて足場も悪いので、やはり往復はしんどい。
膝が痛くなってきた…。
ヘロヘロになって下山すると、またまた準備のいい人たちは、クーラーボックスに入れて車の中に置いていた、冷えたビンタンビールで乾杯。
下山直後のこのビールのおいしいこと!
いや~、疲れたなあ。
足、痛いなあ。
この後、車でジャカルタに戻りブロックSというディープなエリアにある韓国料理屋でカムジャタンを食べよう!ということになり、出発。
が、渋滞でえらい目に遭う。
山を下りてしばらく、ボゴールの町へ入る手前で悪魔の渋滞。
そこで1時間ぐらい足止めを食う。
反対車線は流れているので、おそらく警察でも出て迷惑な交通整理を行っているのだろう。
インドネシアでは警官による交通整理が迷惑な結果となることが多々ある。
意味もなく一つの車線を止めてしまうので、止められたほうは大渋滞。
ところで同乗しているT田氏、親切で面白い楽しいおじさんなのだけど、間違いなくアル中ではないのかと。
これからジャカルタで飲み会だっていうのに、「ビールを買って車の中で飲もう!」と。
え…。
トイレとか行きたくなるし、嫌やん…。
ボゴールに出る手前の村で入った食料品店では、ビールは売っておらず。
そらそうだろ、この辺イスラム教徒だらけ。
もうちょっと都会に出ないと堂々とビール売ってないよ。
その後もう少し下って町エリアでコンビニに立ち寄り。
ここでもビンタンゼロという、ノンアルコールビールしか売っていなかった!
それでも未練が断ち切れないのか、そのビンタンゼロを購入したT田氏。
飲んでみると、、、アップルサイダーですね。。。
なぜビール味にせず、わざわざアップル味にしてあるのか意味が分からん。
そしてさらにボゴールへ出る手前の大渋滞中に再びT田氏はコンビニへ。
そこでめでたくアルコール入りのビンタンビールをゲット。
ちなみにT田氏、私と同じく足を痛めてるので、足を引きずりながら歩いている。
(後日、「靭帯切断で全治3か月」と判明。)
それでもコンビニにビールを買いに行くその執念…。
1時間後、ようやく渋滞を抜け出し高速に入りガンガン走る。
が、ジャカルタ手前でやっぱり渋滞。
ううう、時刻はもう夜8時。
お腹すいた~、カムジャタン食べたい~。
3時間以上かかってようやくジャカルタの韓国料理屋に到着。
カムジャタンとは、トロトロに煮たお肉とジャガイモのお鍋。
エゴマの葉っぱも苦くておいしい。
ナムルやチヂミもおいしかった~。
最後は麺で〆。
(インスタント麺です。)
あ~、膝と渋滞はつらかったけど、楽しい登山だった。
(決して「ハイキング」ではない。)
ぞういや登山前のY田君の話では、「ゴール付近で3人のインドネシア人が合流予定」だったなあ。
でもそんな人たち見当たらなかったなあ。
インドネシアでの人との約束とは、そんなもんである。
守られる前提でいると振り回されるので、最初から期待しないこと。