『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  135

2011-08-02 06:49:54 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 彼ら三人にリュウクス、セレストスが加わり、部材を手に取り綿密にチエックのうえ指示図面に書き込まれている各寸法を修正した。新しい図面が作られた。
 すでに造られた部材の全てを廃棄処分とした。現場は新しい部材の製作に動き始めた。
 スタッフ一同は、組み立て場に足を運び、現状の説明を行い、不具合寸法で組み立てた部分を取り外し廃棄した。
 オキテスは、皆に向かって口を開いた。緊張は隠しようがなかった。
 『おう、皆を手こずらせたな、本当に済まないとと思っている。部材の組み合わせの不具合があり、舟艇建造上あってはならない不祥事であった。諸君たちに深く詫びる次第である。部材切り出しの指示図面に書き込まれた寸法に誤りがあり、この事態を招いた。済まなかった。深く詫びる。まもなく、新寸法で製作された部材が出来上がってくる。この部分は、舟艇の重要な箇所であるだけに少しの不具合と言えども許されないのだ。一同、慎重に仕事を進めてくれ。もし、気づいたことがあれば、即、俺、パリヌルス、カイクスに伝えてほしい、いいな。以上だ、頼むぞ』
 一同は、深くうなずいた。彼らは担当部署に戻った。舟艇建造の仕事の流れが正常な状態に戻っていった。
 発生した不具合の箇所は非常に重要な部分であったのである。もし、海上で事故ということになれば、舟艇が破砕するという大事故を引き起こす箇所であったのである。