第3章 踏み出す １４２

　『オロンテス、その件、承諾した。運搬の要員を引き連れていかなければならないが、その方はどうなっているかな』
　『はい、その件については、もう、アンテウスと打ち合わせが終わっています。用材の方も伐り倒してから一ヶ月、乾燥具合も、いい具合にきてると思っています』
　『よし、判った。オロンテス、明日は朝の打ち合わせを終えたら、直ぐに出かけよう。いいな』
　『判りました』
　『遂に、帆柱を立てるところまで来たな、オロンテス、作業予定の方は順調にいっている。帆の縫い上げの手配は、どうなっている？』
　『その件についても、手配は完了しています。ご安心ください』
　『よしっ！オロンテス、お前の段取り、手配りで仕事が順調にうまく動いている。ありがとう、礼を言う。この調子で行けばあと半月で完成を見ることができる。いい調子だ。一同、気をゆるめず、しっかり、締まっていこう』
　『パリヌルス、貴方の言うとおりだ。我々スタッフの踏ん張りもあるが現場で仕事をしている者たちのたゆみない努力の結果でもある。俺が一同にはかりたいと思っていることは、ここらで皆、総出で夕食会でもと考えている、一同、どのように思う。考えを聞かせてほしい』