『おう、パリヌルス。オロンテス、テカリオンも一緒か。俺もすぐ来る。ちょっと、アレテスに集合の指示をしてくる』
『判った。待っている』
オロンテスは、気にかけていた諸事についてテカリオンと話し合っていた。このクレタのキドニアの街での商慣習、商取引、また、来春以降の主食の小麦の件、そして、生鮮食料品の買い付け等について、あれこれと聞き取った。パリヌルスはもっぱら聞き役に徹していた。オキテスが姿を見せた。オロンテスの話し合いは終わろうとしていた。
パリヌルスとオキテス、テカリオンとの話し合いは『これから、どうする』が話題である。
『ところでだ、テカリオン。お前、どうだ。クレタのほうがエノスに比べて、来やすいのではないのか。取引もこちらのほうが活況だろう』
『え~え。それはもう、言われる通りで。北部エーゲ海沿岸地域の比べると活況がありますな。何といっても物の動きが活発です』
『そうか、そうであろう。取引の場も各所にある。その場その場で取引の物品も違ってくる。ここが売り場か、買い場かによって、取引の的もしぼられてくるいうものだ。テカリオン、お前も仕事がしやすかろう』
『そりゃ~、そういうもんだろう。仕事をやっていくうえで無駄がない。俺が仕事の重きを置いているのは、売りであって、買いの仕事の割合は少ない』
『テカリオン、聞くが。このあと、クレタに来るのは、いつ頃だ?』
『そうだな、新しい年が明けて、来月の末になる』
『よしっ、いいだろう。俺たちもそれまでには方向付けができるというものだ。そのときまでに『これから、どうする』の方針をまとめておく。それで、どうだ』
『判った、それでいい。オキテス殿、それまでに例の新しいものを完成させておいてくださいよ』
『俺にものを言うのに、殿つけか、まいったな』
話は終わりに近づいていた。
『判った。待っている』
オロンテスは、気にかけていた諸事についてテカリオンと話し合っていた。このクレタのキドニアの街での商慣習、商取引、また、来春以降の主食の小麦の件、そして、生鮮食料品の買い付け等について、あれこれと聞き取った。パリヌルスはもっぱら聞き役に徹していた。オキテスが姿を見せた。オロンテスの話し合いは終わろうとしていた。
パリヌルスとオキテス、テカリオンとの話し合いは『これから、どうする』が話題である。
『ところでだ、テカリオン。お前、どうだ。クレタのほうがエノスに比べて、来やすいのではないのか。取引もこちらのほうが活況だろう』
『え~え。それはもう、言われる通りで。北部エーゲ海沿岸地域の比べると活況がありますな。何といっても物の動きが活発です』
『そうか、そうであろう。取引の場も各所にある。その場その場で取引の物品も違ってくる。ここが売り場か、買い場かによって、取引の的もしぼられてくるいうものだ。テカリオン、お前も仕事がしやすかろう』
『そりゃ~、そういうもんだろう。仕事をやっていくうえで無駄がない。俺が仕事の重きを置いているのは、売りであって、買いの仕事の割合は少ない』
『テカリオン、聞くが。このあと、クレタに来るのは、いつ頃だ?』
『そうだな、新しい年が明けて、来月の末になる』
『よしっ、いいだろう。俺たちもそれまでには方向付けができるというものだ。そのときまでに『これから、どうする』の方針をまとめておく。それで、どうだ』
『判った、それでいい。オキテス殿、それまでに例の新しいものを完成させておいてくださいよ』
『俺にものを言うのに、殿つけか、まいったな』
話は終わりに近づいていた。
