風が己の力を誇示して吹きまくる、アエネアスとイリオネスが船陰に風を避けて話し合っている。
『なあ~軍団長、この荒れは、すざまじい!海の上ではこのような嵐には、会いたくない!』
『同感です!統領。私もそのように思います。統領、我々がクレタを出てから今日が7日目です。ここらで暦を確かめておきたいと考えています。クレタを出航して、ただただひたすらに航海に明け暮れています。記録しておきたいと考えています』
『そうだな、軍団長。書き留めてくれるか』
『解りました。私が書き留めます』
イリオネスがやや大きめの木板と木炭を準備する、記録を書き留める準備をする、アエネアスと話し合いながら木板に日々の経過を書き記していく。
3月21日 クレタ島を出航 キューテラ島沿岸洋上に停泊
3月22日 キューテラ島沿岸洋上を出航 ペロポネソス半島西南端のピユロスに着港
3月23日 ピユロスにて1日を過ごす スダヌス紹介のトーバル浜頭と接遇
3月24日 ピユロスを出航 ペロポネソス半島スピンツア沿岸洋上に停泊
3月25日 スピンツア沿岸洋上を出航 サギントス島南岸の湾に着港 レガント浜頭に接遇
3月26日 サギントス島にて1日を過ごす 夜半より風雨強まる
3月27日 サギントス島にて風雨の収まりを待つ
『書き終わりました。統領、目を通してください』
『おう、今日がクレタを出航して7日目か。海旅の序の口だな。嵐がおさまれば海路の日和となるかな?』
『保証はできませんな!私らの淡い期待です』
『それにしてもだな、自然の力は偉大だな。人はちっぽけな存在でしかない。この風、この嵐に手も足も出せない、ちじこまっているだけだ!』
『全くです』
『ところで風だが、おさまりそうにないな。若し、航海の途上でこのような風に遭遇しらばだ、背筋が凍る。海の藻屑になって、魚のエサになって終わりだな』
『統領、そのような悲観的な話はいけません!今の我々は、希望を抱いて未来に生きようと旅の途中なのです。希望のあふれる話題を話してください』
『おう、そうだな、悪い悪い、許せ!』
時は午前半ばである、風は一向に衰えない、パリヌルスが顔を見せる、話し方に明るさを含ませて話しかけてくる。
『軍団長、風が一向に衰えませんな。しかし、希望です。西方の空を見てください、明るくなってきています。もう少しで風はおさまります』
イリオネスが西の方角の空を見る、口を開く。
『お前の言う通りだ。西の空が明るくなってきている。いい傾向だ!』
『明日の海路の日和が期待できます。明日、早朝の出航の準備を整えます』
『おう、そのように準備を整えてくれ』
アエネアスとイリオネスが西の空を眺める、目を合わせる、目を輝かせる。
オロンテスが用件を携えて姿を見せた。
『なあ~軍団長、この荒れは、すざまじい!海の上ではこのような嵐には、会いたくない!』
『同感です!統領。私もそのように思います。統領、我々がクレタを出てから今日が7日目です。ここらで暦を確かめておきたいと考えています。クレタを出航して、ただただひたすらに航海に明け暮れています。記録しておきたいと考えています』
『そうだな、軍団長。書き留めてくれるか』
『解りました。私が書き留めます』
イリオネスがやや大きめの木板と木炭を準備する、記録を書き留める準備をする、アエネアスと話し合いながら木板に日々の経過を書き記していく。
3月21日 クレタ島を出航 キューテラ島沿岸洋上に停泊
3月22日 キューテラ島沿岸洋上を出航 ペロポネソス半島西南端のピユロスに着港
3月23日 ピユロスにて1日を過ごす スダヌス紹介のトーバル浜頭と接遇
3月24日 ピユロスを出航 ペロポネソス半島スピンツア沿岸洋上に停泊
3月25日 スピンツア沿岸洋上を出航 サギントス島南岸の湾に着港 レガント浜頭に接遇
3月26日 サギントス島にて1日を過ごす 夜半より風雨強まる
3月27日 サギントス島にて風雨の収まりを待つ
『書き終わりました。統領、目を通してください』
『おう、今日がクレタを出航して7日目か。海旅の序の口だな。嵐がおさまれば海路の日和となるかな?』
『保証はできませんな!私らの淡い期待です』
『それにしてもだな、自然の力は偉大だな。人はちっぽけな存在でしかない。この風、この嵐に手も足も出せない、ちじこまっているだけだ!』
『全くです』
『ところで風だが、おさまりそうにないな。若し、航海の途上でこのような風に遭遇しらばだ、背筋が凍る。海の藻屑になって、魚のエサになって終わりだな』
『統領、そのような悲観的な話はいけません!今の我々は、希望を抱いて未来に生きようと旅の途中なのです。希望のあふれる話題を話してください』
『おう、そうだな、悪い悪い、許せ!』
時は午前半ばである、風は一向に衰えない、パリヌルスが顔を見せる、話し方に明るさを含ませて話しかけてくる。
『軍団長、風が一向に衰えませんな。しかし、希望です。西方の空を見てください、明るくなってきています。もう少しで風はおさまります』
イリオネスが西の方角の空を見る、口を開く。
『お前の言う通りだ。西の空が明るくなってきている。いい傾向だ!』
『明日の海路の日和が期待できます。明日、早朝の出航の準備を整えます』
『おう、そのように準備を整えてくれ』
アエネアスとイリオネスが西の空を眺める、目を合わせる、目を輝かせる。
オロンテスが用件を携えて姿を見せた。
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