『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  978

2017-03-01 16:10:08 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 浜は、新艇2艇の納入を目指して動き始める、
 ドックスはオキテスの指示を受けて予備の帆四枚の縫製加工、そして、櫂および櫂舵の製作がスタートした。
 パリヌルス、オキテスが納入に関する日程組み合わせに知恵をしぼりながら話し合っている。。
 『なあ~、オキテス、納入の方法がいくつか考えられる。どの方法にしろ行くときは海路ということになる。帰りは陸路ということも考えられる。どの方法でやるかで所要日数が大きく変わる。いくつかの案を立ててみる』
 『おう、解った。それについては任せるから頼めるか。俺は今、戦闘艇の試作艇の工作でドックスと取り組みの真っ最中なのだ』
 『了解した。とにかく、明日の会議までにいくつか、まな板に載せる案を作る。ところで、恥ずかしい話だが、暦で今日が何月の何日なのかがわかっていない。日を追いかけているだけで暦の日付が、とんと解らない。統領か軍団長に聞いてみようと考えている』
 『言われてみれば、俺もそれについては全く分からない。俺らも、そして、浜の者全員が、季節、季節で日を送っているという感じだ』
 二人は話を終えて持ち場に戻っていく。
 パリヌルスは、新艇の納入に関しての仕度仕あがりから考えられる日程を考え、納入航海にかかる日数を考える。添付用具の仕あがりに要する時日を考えて、納入仕度の仕あがり予定日を決めなければならない。
 レテムノンへの納入航海総日数は、出入り2~3日、テムパキオの納入航海で往復を海路とした場合は四日、往路を海路、帰路を陸路と海路とした場合の所要日数は五日くらいと算段した。そのうえ、テムパキオ行きの場合には海路、陸路のそこに存在する危険度に対処することを考えねばならなかった。また、選ぶ航走手段に関連する動員人数についても思考を重ねた。この件に関して道中の危険度を考慮したときは、その納入航海は戦略構想といえた。
 オキテスはドックスと二人で戦闘艇の実験試作艇の工作に力を傾注している。
 『オキテス隊長、この難易度の高い工作をこの調子で作業を進めれば、あと四日で試乗できる段階となります。手直しに一日見て五日で完成です』
 『おう、そうか!ドックス、頑張ってくれ』
 『あ~、それから、ガリダ方から連絡がありました。戦闘艇の建造用材ですが、今日の午後に到着します。それから、製材担当の5人の者たちも到着します』
 『そうか、この件、予定通りということか。重畳!』
 オキテスとドックスはうなずき合った。


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