第１２章 攻略 ２

　帰陣したオデッセウスは、アガメムノン、ネストル、メネラオス、デオメデス、そして、アイアースの５人の将だけで、この案を協議した。皆の目の色が変わった、オデッセウスの語る、奇抜で生きて帰る保証のない作戦計画案に舌を巻いた。一同、賛意を示し、実行を決断した。
　作戦の要諦は、１、兵を必ず城市内に入れて戦闘を展開する。２、不意討ちであること。３、火を使う。４、絶対に勝利する事を不退転の決意とした。
　作戦のコードネームは、『木馬』とした。作戦の失敗は、木馬の腹腔に入っている将と兵の全員が命を失う、万に一つの生還も有り得ない、そのときは、連合軍の敗北である。そうであるだけに失敗の許されない作戦計画であった。
　オデッセウスが、練りに練って作りあげた作戦計画ある。事は、慎重に進めなければならない、彼は、軍団の土木、木工工事の全てに携わっている、エペイオスを呼んで、事の重大さと詳細を打ち合わせをして、この仕事の万事一切を任せた。