『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1256

2018-04-02 08:32:00 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オロンテスの返事を聞いたイリオネスは、引き合いの件の決着がいつであろうかと懸念する。
 ここは了解するより外に手はない、相手側からの連絡待ちである、受け身であることをこらえた。
 『そうか、受け身であることがもどかしい、シブシブの了解だ。君ら、俺の気持ちがわかるか?記念売り出しの催行、その日時、その日限が一か月余り後である。艇の建造計画の立案、それに付随するいろいろな事案がある。それらの方針の決定、先行する諸手配に着手しなければならない。この件についての会議を開く。日時は8月24日、この日は朝から会議を開く。いいな!各自、考えをまとめておくこと。以上だ』
 『解りました』
 パリヌルスら三人が了承の返事を返す。
 『一同、解ったな。打ち合わせを終わる。ご苦労であった』
 イリオネスが打ち合わせの終了を告げる。
 アエネアスがイリオネスに声をかける。
 『イリオネス、いや、軍団長、いい返事というものは人を待たせる。早すぎる返事こそ要注意だ。今の我らは、ネクスト、次の体制の準備に注力して、考え、行動することが肝要だ』
 『解りました』
 『打ち合わせは終わったのだな。軍団長、宿舎のほうへ行こう』
 二人は宿舎に向けて歩み始める。
 日は没して、海は凪いでいる、残照が消えている、宵が浜を包み始めている。二人は宿舎へ向かう道を話しながらたどりゆく、宵が背中を押していた。
 
 日が替わる。
 建造の場のオキテスの席にパリヌルス、オキテス、ドックスの三人が話し合っている。
 オキテスが言う。
 『パリヌルス、お前、どう思う?軍団長の問いかけは正しくない。お前、どう思う?それをやるにはどのようにしてやるかだろうが。新舵構造を出張してやるにはどうしてやるか算段しろ!でいいのだな。お前、そうは思わんか?』
 『そうだな。オキテス、今、お前が言ったように考えるのが妥当な考えだ』
 オキテスは、新舵構造の出張取り付け造作について自説を述べる。
 『ドックス、お前は、どのように考えている?』
 『できるが私の答えです』
 『解った!『出来る!やれます』と軍団長に伝える。いいな!』
 『おう、いいとも!』とパリヌルス。
 『出張造作、工作についてはこちらでの準備に半日、出先でテスト航走の時間を含めて一日、それでいけます』
 ドックスが述べる。
 『おう、了解!』
 三人が目線を交わしてうなずき合った。

 *文章の訂正をします。3月30日に投稿した<1255>の最終行です。
 『ーーー。まだ何の連絡はありません』   を    『ーーー。まだ何の連絡もありません』
 連絡は  を  連絡も  に訂正します。           山田秀雄