つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

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まちづくり条例に基づく意見書(全文)

2020-12-26 19:29:57 | としまえん問題

株式会社イム都市設計 御中(原本)

練馬区都市整備部開発調整課 御中(写し)

 

ワーナーブラザース スタジオツアー東京―メイキング・オブ・ハリー・ポッター(以下「スタジオツアー東京」)の建設に係る私の意見は以下のとおりです。

 

1.本年8月31日、94年の長きにわたって近隣住民のみならず多くの都民に愛されてきた「遊園地としまえん」(以下「としまえん」)が閉園し、その跡地の一部(誤解を恐れずに言えばとしまえん跡地のほぼ北半分)にスタジオツアー東京が建設されようとしている。

当初はとしまえんの閉園を惜しむ声こそあれ、スタジオツアー東京の建設それ自体に対する反対の声はそれほど大きくはなかった。ところが、「としまえんを中心とした一帯を練馬城址公園として整備・開発する」という都市計画公園指定以来の経緯が徐々に明らかになるにつれ、としまえんの閉園を惜しむ声は東京都や練馬区、ひいては西武鉄道株式会社(以下「西武」)や伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠」)、ワーナーブラザース ジャパン合同会社(以下「ワーナー」)に対する不信と怒りと怨嗟の声に変ってしまった。何故か。それを述べる前に簡単にとしまえんと練馬城址公園整備・開発計画の経緯を簡単に整理しておきたい。

2.としまえんを中心とした一帯が練馬城址公園として整備・開発されることが決まったのは1957(昭和32)年。今から63年前である。

しかるに、その後も整備・開発計画が進展する様子はなく、その間もとしまえんは23区内に存在する「緑と水に恵まれた広大な敷地を持つ稀有な遊園地」として練馬区民・東京都民から愛され続けてきた。このことは本件に係る練馬区議会議長や東京都議会議長宛ての各陳情書、東京都知事宛の意見書に短期間で多くの賛同署名が集まったことからも明らかである。「としまえんのプールだけでも存続して欲しい」という署名活動に対しては実に10,000名を超える署名が集まっている。

ところで、わが国は2011(平成23)年、東日本大震災に見舞われた。震災関連死を含めれば12都道府県で実に22,000名を超える死者を出した未曽有の大災害である。この年の12月、東京都は「都市計画公園・緑地の整備方針」を策定し、2020(令和2)年までに事業認可を目指す優先整備区域として「としまえんを中心とした一帯」を指定した。

その後、東京都は、2016(平成28)年度に整備計画案検討のための基本計画案の取りまとめを目的とする委託調査を、2017(平成29)年度には同年5月の東京都公園審議会の答申を踏まえた「防災機能の強化等の検証」と前年度の委託調査の修正を目的とする委託調査を実施するなど、練馬城址公園の整備・開発に向けた作業を着々と進めてきた。2016(平成28)年度の委託調査に基づく報告書と、翌2017(平成29)年度の委託調査に基づく報告書ではその内容に著しい変化、すなわち、練馬城址公園の整備・開発区域内において民間事業者が参入しやすい対象エリアが一気に広げられるという不可思議な変化が見て取れるものの、ここでは詳しくは言及しない。それでも「東日本大震災の教訓を踏まえて練馬城址公園を広域防災拠点に」という東京都の基本理念は維持されていた。

ところが今年2月。「としまえんは閉園し、跡地にハリーポッターの施設が作られる」と一斉にマスコミが報じた。この時点では「スタジオツアー東京」の正確な規模、運営方法、それに伴う従前の練馬城址公園の整備・開発計画の修正は一切、報じられていなかった。

更に今年6月12日。東京都、練馬区、西武、伊藤忠及びワーナーの5者によって「都市計画練馬城址公園の整備にかかる覚書」が締結された(しかしながら、この覚書に添付されている別紙においてすら、スタジオツアー東京の正確な全容は明らかにされていない)。

3.以上がとしまえんと練馬城址公園整備・開発計画の簡単な経緯であるが、スタジオツアー東京の具体的な建設計画やその後の運営計画が明らかになるにつれて、「練馬城址公園を広域防災拠点に」という10年前の東京都の計画は大きく後退、もっとはっきり言えば事実上形骸化されてしまったことがわかってきた。

スタジオツアー東京はその外構部分や来場者のための駐車場スペースなどを合わせると、としまえん跡地の半分(としまえんのほぼ中心を東西に流れている石神井川の北側ほぼ全域)を占めている。練馬城址公園として当面整備できるのはプールのあったとしまえん跡地の南半分に過ぎない。しかも、このとしまえん跡地の南半分は台地であり、多くの斜面が存在しているエリアである。このような場所にヘリポートや食料・水その他の災害物資の備蓄基地、全国から災害派遣されてくる自衛隊や消防隊員、ボランティアのための受け入れ施設、震災時にも機能する通信その他のインフラを整備することはおよそ不可能であろう。

東京都も(付け足しのようで恐縮だが練馬区も)かかる異常事態を自覚したからなのか、上記5者覚書において、

「西武、ワーナー及び伊藤忠は、開発事業区域において、この覚書の締結以降、他の関係者と誠実に協力して前項に定める取り組みを行う際、第4条に定める機能の実現の一翼を担うことに配慮する。」(第6条第2項)

という何とも曖昧で、どうとでも解釈可能な一条項を盛り込ませている。

敢えて「盛り込ませている」と書いた。おそらくこれが、「2020(令和2)年までに広域防災拠点機能を有する練馬城址公園の事業認可を目指す」という目的を踏みにじられる形となった東京都と練馬区の精一杯の抵抗であったことは想像に難くないからである。

4.本意見書は株式会社イム都市設計及び練馬区のみならず、西武、伊藤忠及びワーナーにも内容を共有させるものであると聞き及んでいる。

そこで敢えて、西武に問う。

2020年までに「としまえんを中心とした一帯を練馬城址公園として整備・開発する」という都市計画公園指定の事業認可を目指すという東京都の方針、そのために一帯を優先整備区域として指定したという経緯を西武は知っていたはずである。それにもかかわらず、何故、その期限である2020年に30年を超える事業用定期借地契約によって練馬城址公園の整備・開発予定地のほぼ半分を伊藤忠及びワーナーに提供してしまったのか。これはそれまで手続を進めてきた東京都に対する重大な背信行為ではないのか。

なるほど、としまえん跡地は西武の所有地である。私有財産の保護は憲法上の保障でもある(憲法第29条第1項)。しかしながら、私有財産であれば何をしてもいいというものではない。憲法も「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように」定めるものとし(憲法第29条第2項)、さらには私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる」(同条第3項)と定めている。

としまえん跡地を、大震災時に多くの練馬区民・東京都民の命を救うために必要不可欠な広域防災拠点として整備すること以上の「公共性」を私は寡聞にして知らない。

ワーナーにも問いたい。

東日本大震災のとき、貴社が本拠を置くアメリカ合衆国はそれこそ無償で、何一つ見返りを求めることもなく、私たちの同胞のために瓦礫を撤去し、行方不明者を探し続け、援助物資を運び続けてくれた。その姿を見て、「アメリカという偉大な国家と同盟国でよかった」と改めてアメリカという国を大好きになった人間は私一人ではない。数えきれないほどの日本人がアメリカに感謝し、親愛の情を抱いた。復興支援のために駐留していたアメリカ軍が東北の地を去るにあたって、機内の窓から見下ろした地に「ARIGATO」の文字が書かれていた、というエピソードはまさに我々がアメリカという国を真の友人だと感じたからこそである。その同じアメリカ合衆国の企業が、「ロンドンでハリーポッター・スタジオツアーが盛況である。アジア地域にも同じ施設を作りたい」というただそれだけの理由で、22,000名を超える命が遺してくれた教訓から我々が子孫のために整備しようとしていた広域防災拠点の地にスタジオツアー東京を作るという。それも30年間という長きにわたって。

これは真の友人のすることではない。公共性からも遥かに遠い。

スタジオツアー東京を作るなというのではない。「何故、広域防災拠点となる予定の練馬城址公園の整備区域内でなければならないのか」ということが問題なのだ。

我々は明らかになったスタジオツアー東京の計画の全貌に驚愕し、絶望し、この問いを数えきれないほどの練馬区議会議員、東京都議会議員、そして東京都知事、イム都市設計に投げ続けてきた。それに対する回答は、「としまえんの地がハリーポッターのイメージにぴったりだったから」という、およそ理解も納得も同意もできないワーナーの説明だけである。

今一度、ワーナーに問う。

あなたの会社で働く社員が長年愛してきた公園。震災などの緊急時に逃げ込める貴重な避難場所。大災害時には広域防災拠点にもなる場所。そこにスタジオツアー東京と同じものを作るのか?

それは真の友人、理解しあった国の国民がすることではない。ましてや練馬城址公園の広域防災拠点化はあの東日本大震災の教訓を経たものである。22,000名が命を賭して教えてくれた教訓である。その命の散り際にアメリカ合衆国の軍人や多くの民間ボランティアも立ち会っていたのではなかったか?私だけではない。数えきれないほどのとしまえんを愛していた人々。練馬城址公園の広域防災拠点化を夢見ていた人々。彼らの怨嗟の声を乗り越えて作るスタジオツアー東京とはワーナーにとって何なのか。多くの(おそらくはアジア圏の)来場者と彼らからの収入は見込めるだろう。しかし、それは友人の命を守る場所を犠牲にしてまで得るべきものか?今一度、再考を願う。

5.スタジオツアー東京には疑問点も多い。

疑問その1。

スタジオツアー東京が作られるとしまえん跡地は第2種住居地域に指定されている。第2種住居地域には娯楽施設などは作れない。ところが、スタジオツアー東京の建物の目的は「博物館その他これに類するもの」である。

しかしながら、ロンドンにあるハリーポッター・スタジオツアーを見る限り、これと同様のスタジオツアー東京が「博物館」であるとはおよそ思えない。博物館法第2条第1項に定義される博物館の要件を備えていないことは明白である(博物館法に定める要件をスタジオツアー東京は充足している、というのであればその旨をご回答願いたい)。なによりワーナーの会長ご自身がスタジオツアー東京に関して、「東京にテーマパークを作る」と発言されている。

建築基準法における第2種住居地域における建築物の制限は同法別表第二(用途地域等内の建築物の制限)という形で定められている。この別表第二(へ)では第2種住居地域に「建築してはならない建築物」が定められている。つまり、この別表第二(へ)に挙げられていない建築物であれば第2種住居地域における建築は可能なのであるが、別表第二には「博物館その他これに類するもの」という文言は存在しない。

実務上、昭和46年8月10日付東大阪市長宛市街地建築課長回答(以下「昭和46年通達」)以来、「博物館」は、別表第二(い)第4号の「学校(大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校を除く。)、図書館その他これらに類するもの」の「その他これらに類するもの」に含まれるとして扱われてきている。この別表第二(い)第4号の建築物は第2種住居地域においても建築可能であるから(別表第二(へ))、結果、第2種住居地域に指定されているとしまえん跡地においても、「スタジオツアー東京が博物館その他これに類するものであれば建築可能」というのが西武、ワーナー及び伊藤忠の理解ではないかと推測される。

但し、別表第二(い)の第1種低層住居専用地域内においては、たとえ博物館法第2条第1項に言うところの「博物館」に該当するとしても、①住居専用地域内の良好な環境を害するおそれがなく、また、②通常時において、当該地区外から一時に多数の人又は車が集散するおそれのない、③教育的な目的をもつ建築物でなければならない、とされている(昭和46年通達」)。

第1種低層住居専用地域とは「低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」であり(都市計画法第9条第1項)、第2種住居地域とは「主として住居の環境を保護するために定める地域」である(同条第6項)。いずれも「住居の環境を保護する」ことが目的の地域であることには変わりがない。

スタジオツアー東京は上記昭和46年通達の「博物館その他これに類するもの」の要件をすべて充足しているのか?1日5,000名ないし10,000名の、おそらくは主として国外からの来場者を見込んでいるはずなのに?(ちなみに閉園前5年間のとしまえんの1日当たりの平均来場者数は3,000名強である。)

第1種低層住居専用地域と第2種住居地域とでは建築可能な「博物館その他これに類するもの」の要件も異なる、というのであれば、それはどのような法令あるいは通達ないし国土交通省の公式見解に基づくものか?その根拠法令(あるいは通達、公式見解)によれば、第2種住居地域に建築可能な「博物館その他これに類するもの」とはどのようなものなのか?具体的に回答願いたい。

疑問その2。

スタジオツアー東京の開業によってインバウンド収入が見込めるという。雇用の促進にもつながるという。

しかしながら、スタジオツアー東京にやってくる海外の客の殆どはアジア圏の方たちであろう(欧米圏のハリーポッターファンは、その立地的・距離的・費用的・時間的観点からも、またロンドンのスタジオツアーの本家性からも、わざわざ極東のスタジオツアー東京に来るとは考え難い)。そのほとんどは団体ツアー客であり、観光バスでの来場であろう。観光バスでスタジオツアー東京にやって来て、観光バスで去っていく彼らが練馬区にどのようなインバウンド収入をもたらすというのか?仮にその半分程度が公共交通機関で来場すると仮定しよう(そもそもそのような割合率の維持自体がなんの担保もない机上の空論に過ぎないのであるが、ここではその点は措く)。アジア圏の観光客の興味をそそるような土産物店、飲食店の類が練馬区にどの程度あるのか?それは実際に具体的な数値を踏まえて検証されたものなのか?そうであればその検証結果を開示して頂きたい。

雇用の促進についても、9月に行われた説明会では600名程度を地元在住の人間から雇用するということであった。それはとしまえんにおいて就労していた正社員及びアルバイトの数と比較してどうなのか?多いのか少ないのか?そもそも地元在住者で600名もの就労希望者が存在するのか?

具体的な金額、具体的な数値、具体的な来場者の(利用交通機関等の)コントロール方法。これらの情報は前出5者覚書の当事者でもある練馬区の、あるいは東京都の利益に直結するものでもある。速やかな開示を求めたい。

疑問その3。

上記疑問その1及び疑問その2にも関係するが、スタジオツアー東京への来場者の多くがアジア系の国民であろうことは想像に難くない。

5,000名ないし10,000名の彼らがコンスタントにスタジオツアー東京及びその周辺に集散するとして、スタジオツアー東京周辺の住環境の保護はどのように図られるのか?伊藤忠あるいはワーナーは何らかの具体策をお持ちなのか?お持ちであれば直ちに周辺住環境の保護策を開示して頂きたい。「としまえんのプールにも大勢の日本人が来ていました」ということとは事案の性質が全く異なっているのである。

6.以上を踏まえた最終意見としては、スタジオツアー東京の建設を直ちに中止して頂きたい。建設予定地を本来のあるべき姿、広域防災拠点としての練馬城址公園に返して頂きたい。

それが不可能だというのであれば、前出の5者覚書第6条第2項に基づき、スタジオツアー東京に最低限でも以下の機能を具備して頂きたい。

① 建物の耐震強度を震度7クラスの直下型地震にも耐えうるものにすること(今後30年間に震度7クラスの地震が東京都で発生するとされている確率を再度、確認されたい)。

② 上記①を前提として、スタジオツアー東京の建物屋上部分を災害緊急時のヘリポートとして活用できるようにすること。

③ 上記①を前提として、大震災時にはスタジオツアー東京全体(建物内部を含む)を全国から災害派遣されてくる自衛隊や消防隊員、ボランティアのための受け入れ施設として活用できるように設計すること。

④ 上記①を前提として、スタジオツアー東京(建物)内に食料・水その他の災害物資の備蓄スペースを確保すること。

⑤ 上記①を前提として、大震災時にはスタジオツアー東京全体(建物内部を含む)の通信その他のインフラ施設を広域防災拠点のために提供すること。

⑥ スタジオツアー東京の工事期間中は、工事の進捗状況に合わせて、災害時に近隣の避難民(東京都がとしまえんを避難場所として指定していた住民の数は64,000名に上っている)を受け入れられる安全なスペースをホームページ等で常時公開すること。

 

以上

2020年12月27日

住所:(略)

氏名:平 岩 利 文 (印)


公開意見交換会開催のお知らせ

2020-11-17 12:08:41 | としまえん問題

Twitterだと文字数制限があるのでこちらで詳細を。

としまえん問題、というより「としまえん跡地」に作られる「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐メイキング・オブ ハリー・ポッターと「広域防災拠点機能を備えた練馬城址公園」について、練馬区議会議員池尻成二先生を招いた公開意見交換会を開催します。

委細は以下のとおり。

告知のチラシが週明け11月24日頃、出来上がってくる予定です。

このチラシを「まちづくり条例に基づく意見書提出権」が認められている「としまえん周辺のご家庭」にポスティングして下さる方を募っています(特にマンションにお住まいの方)。

また、意見交換会の様子は後日YouTubeで公開しようと思っています。

YouTubeへの動画アップやそのための撮影等の知識をお持ちの方にもお手伝いいただけると嬉しいです。

ここにたどり着くまでに多くの議員の方々と会って直接お話を伺いましたが、公開意見交換会への参加を前向きに検討してくださる議員の少ないこと少ないこと。

なんで?

少なくとも伺った理由はわたし的には全然納得していないのですが、そこは水面下の交渉のルールなので詳細は開示しません。

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日時: 2020 年 12 月 12 日(土) 13:00~15:00(入場受付は 12:30~)

会場:練馬駅前ココネリ研修室2

参加費:無料

その他:

①新型コロナ感染防止の観点からご入場いただける人数を 50 名に制限させて頂きます。

②意見交換会へのご入場に際しては「マスクの着用」と「会場入口での検温及び手指消毒」を必須とさせていただきます(マスク の 着用 や手指消毒に応じて頂けない 方、検温時に 37.5 度以上の発熱が認められた方はご入場いただけません)。

③当日、会場に直接お越しください。入場受付は 1 2 時 半 か らですが、 メール予約または当日受付が 50 名に達した時点で以後のご入場はお断りします。
(メールでの 事前予約 は、 nerima.park@gmail.com 宛てに、 (1) ご参加者の氏名 (2) 参加人数 を添えて申し込みください。)

※現在、意見交換会の様子を後日 YouTube 等でご覧いただけるよう対応を検討しています。


I 君への手紙

2020-10-22 20:03:00 | としまえん問題




としまえんが大好きだったIくんへ

 

おへんじがおそくなって ごめんなさい。

カッコいいサイクロンの絵をかいてくれてありがとう。

ゴーッと走りぬけるサイクロンのスピードが伝わってくる絵でした。

のっている人がみんなニコニコ顔なところが、Iくんはふだんから、すごくちゃんとサイクロンを見ていたんだなぁ、とかんしんしました。

サイクロンにのっている人たちって、みんな「きゃー」とか「わー」とかさけんでいるのに、いつも楽しそうだったよね。

 

私はIくんがおてがみと しょめいを送ってくれた、べんごしのひらいわといいます。

もしかしたらIくんのおてがみは私あてではなくて、としまえんのへいえんに反対しているたくさんの大人たちにあてたものだったかもしれません。

でも、べんごしは色んな人のかわりに何かをつたえたりすることがしごとなので、たくさんの大人たちにかわって私がIくんにへんじを書くことにしました。

 

としまえんはIくんがいうとおり、春夏秋冬、いつ行っても楽しい、すてきなばしょだったよね。

Iくんがいうとおり、なにもかもが「かんぺきなゆうえんち」だったよね。

今、たくさんの大人たちは、「なぜ、あんな楽しい、すてきな、かんぺきなゆうえんちが なくなってしまったんだろう」とひっしに考えています。

 

なにが悪かったんだろう。

だれが悪かったんだろう。

どうすればよかったんだろう。

 

たくさんの大人たちがいっしょうけんめい考えても、なかなか答えが見つかりません。

もしかしたら、かみさまが、「あんなかんぺきなゆうえんちをつぶしてしまうなんて!」「そんなおろかな大人たちには答えはおしえてやらない」とおこっているのかもしれません。

Iくんたち子どもが、としまえんのことを全力で愛してくれていたのに、もしかしたら私たち大人は ちゃんと としまえんを見ていなかったのかもしれません。

ちゃんと としまえんを愛していなかったのかもしれません。

ちゃんと としまえんのことを考えていなかったのかもしれません。

ちゃんと見ていたら、ちゃんと愛していたら、ちゃんと考えていたら、としまえんがつぶされるまえに私たち大人はもっと何かできたかもしれない。

だからきっと、としまえんがなくなってしまったのは私たち大人のせいです。

としまえんがなくなってしまって悲しんでいるたくさんのIくんのような子どもたちに 私たち大人はどうやってあやまったらいいんだろう。

何をしたらゆるしてもらえるんだろう。

私たち大人は毎日そればかり考えています。

たぶん、これからもずっと考えつづけます。

 

なくなってしまったとしまえんを ふっかつさせることはむずかしいかもしれないけれど、Iくんたちにあやまるために、Iくんたちにゆるしてもらうためには、としまえんがあった場所に、としまえんのようにすてきで、Iくんたちの命を大じしんや大火事のときにまもってくれる、としまえんのようにかんぺきなこうえんをもう一度、作ることだと私は思っています。

だからそのために私が考えられること、私がやれることはぜんぶしようと思っています。

 

Iくん。

Iくんは、これからもとしまえんのような「大好きですてきでかんぺきなもの」にたくさん出会うでしょう。

だから、これは私たち大人からのおねがいです。

もし、Iくんがとしまえんのような「大好きですてきでかんぺきなもの」に出会ったら、それから目をはなさないでいてあげてください。

いつもちゃんと見ていてあげてください。

ずっと愛してあげてください。

それだけで、もしかしたら、その「大好きですてきでかんぺきなもの」がこわされてしまうことを助けられるかもしれません。

Iくん一人だけじゃなく、たくさんのともだちといっしょに「大好きですてきでかんぺきなもの」を守っていってあげてください。

 

私たち大人はそれをしませんでした。

「自分が守らなくても、きっとだれかが守ってくれるさ」とのんきにくらしていました。

そのけっか、としまえんはなくなってしまいました。

Iくんたち子どもたちに、あやまっても、あやまっても、あやまりたりません。

だから、Iくんたち子どもたちには、私たち大人のようなしっぱいはしてほしくありません。

大切なものは、自分で守らなければなりません。

自分で守ろうとしないなら、それはもう、大切なものではなくなってしまいます。

 

私たちは、もういちど、としまえんがあった場所にIくんたちが「大好きですてきでかんぺきだ!」と思ってくれるようなこうえんを作ります。

ぜったいです。やくそくです。

だから、もうすこしだけ、私たち大人に時間をください。

2020年10月21日

としまえんが大好きだった、大人のひらいわより

 

※むずかしい漢字はお母さんかお父さんに読んでもらってね。





公開意見交換会に関するアンケート(10月24日正午〆切)

2020-10-22 11:21:27 | としまえん問題

「ハリーポッター・スタジオツアー 」及び「練馬城址公園 」に関して、「まちづくり条例」に基づく住民意見提出やパブリックコメント提出に向けた意見交換会(あるいは討論会)を企画したいと思います。

意見交換会(あるいは討論会)で「この人の意見を聞いてみたい!」という方のお名前を教えてください。
あと、その方に聞いてみたい質問やテーマも併せて募集します。〆切は10月24日正午です。

あくまでも「意見を聞いてみたい人」です。

公開の場で批判したいだけとか糾弾したいというのはダメです。
また、あまりに非現実的な人や意見交換会に来てもらう意味が見い出せない人の名前も書かないでください(例:ワーナーの会長、としまえんの元従業員さん等々)。

※重複回答やなりすまし回答を防止するためにメールアドレスは必ず記入してください。
※メールアドレスは「重複回答やなりすまし回答防止」以外の目的では使用しません。また、アンケート締切・集計後はメールアドレスのデータを廃棄します。

※「重複回答」とは、たとえば私が「小池都知事」「小池都知事」「小池都知事」と同じ候補者名を複数回にわたって回答することを言います。「小池都知事」「都議会議員のおじま先生」「区議会議員の池尻先生」というように異なる候補者名を回答するのはOKです。なお、この場合は一度、回答を送信した後、改めて別の候補者名を入力して送信をしてください(一度の送信では一人の候補者名しか回答できません)。

↓アンケートへの回答はこちらから↓

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdGMQbhXSFmLO3PrnqjyHpWweb3Dj7ddS5Zr8Ge9eVSTNW6Gw/viewform

 

 


樹木保存に関する西武鉄道さんとの協議(報告)

2020-10-19 13:18:30 | としまえん問題

本日10時から西武鉄道さん(以下「西武さん」)の本社で樹木保存に関する協議をさせて頂きました。

参加者は西武さん側が、広報部の方2名、沿線企画事業部の方2名、イム設計さんから1名。

あと、私と協議の仲介をしてくれた都議会議員の先生1名。

(個人名を出すべき報告ではないと思うので個人名は省略させて頂きました。)

 

10月18日のブログでお知らせしたポプラ@氷川台三丁目公園さん他が作ってくれた樹木保存案をお渡しして、樹木保存を望んでいる方々の考えを口頭で説明しました。

あわせて

「樹木の保存を望んでいる方々は西武さんの事業を妨害してやろうとか、一本も木を切るなとか、工事を今すぐ止めろとか、そういうことは言っていない。少なくとも私のところに連絡をくれている方々はそう。

ただ、なんとか、としまえんが94年間も守り育ててくれた樹木のうち、1本でも守れるものは守りたい、と願っているだけ。」

とも伝えました。

これに対する西武さん側の回答は以下の通り。

1)工事現場への一般の方々の立ち入りは安全性等の問題もあり難しい。

2)実は、本日、頂いた企画書でご提案頂いたことは既に西武において実行中。たとえば、

① スタッフで手分けしてドングリは拾い集めている。

② 伐採対象樹木の移植についても検討していて、伐採対象エリアの樹木をすべて伐採しているわけではなく、西武造園さんなどの専門家の意見を聞きながら、移植可能な樹木については伐採対象エリアの樹木であっても将来の移植を見据えて伐採を留保しているものもある。

③ 木工製品化についても社内で検討しており、なんらかの形にしたいとは考えている。

④ ただ、ドングリは拾って来たものの全てが発芽することはありえず、発芽率は50%もあればいい方だと聞いている。移植についても移植先はどうするのか、本当に移植して根付くのか等々問題があり、「やってみたけどダメでした」ではかえって皆さんをがっかりさせてしまうのでまだ正式に公表はしていない。

 

以上の西武さんの回答を受けての私からの申し入れは以下のとおり。

【1】少なくとも、樹木の保存についてはそれを望む住民の方々と西武さんは同じ方向を見ているのだと思う。そうであれば、早期に西武さんが現在取り組んでおられる活動(どんぐり拾い、移植可能性のある樹木の伐採留保、木工製品化等)をHPなり、西武線の駅で配布しているリーフレット等で告知すべき。

【2】どんぐりを有志の住民が拾って植えても発芽するかどうかは分からない。西武さんがドングリを育てようとして仮に植えたどんぐりが全滅したとしても、西武造園さんなどの専門家の指導の下に一生懸命やったことならそれを責めたり批判したりする人などいないはず。その意味でも、情報の公開を。

【3】特に移植伐採を留保している樹木については、「どのエリアの、何という種類の樹木か」を公開して欲しい。それだけでも安心する人は大勢いる。また、樹木の種類や大きさが分かれば、みんなで手分けして移植を受け入れてくれる学校を探したり、公園への移植のために練馬区さんにお願いをすることもできる。

【4】どんぐりについては、西武さんだけが発芽に向けた取り組みをするのではなく、希望者に「どんぐりととしまえんの土セット」のような形で配布してくれないか。木馬の会の建物を使っての配布なら工事現場にも立ち入らないし危険はないと思う。人手のかかっている作業なのだから有償でも構わない(1セット300円とか)。各セットには採取場所(お化け屋敷周辺とか、ブラワーエンジン南側とか)と樹木の種類(樫の木とか、ブナの木とか)と簡単なドングリの育て方を書いた紙を付けて、購入者が自宅で栽培できるようにしてほしい。

【5】いずれにしろ、今回の一連の問題において西武さんの情報発信はお世辞にも上手くいっているとは言えない。正確な情報発信をしてくれればここまでボタンの掛け違いが起こることもなかったと思う。このまま工事がどんどん進んでしまってからの情報発信では遅い。今からでも遅くないので、正しい情報を発信して誤解や疑心を解いて欲しい。

以上です。

【1】から【4】はあくまでも私からの提案なので、西武さんとしては「現時点ではお約束できませんが・・・」というレベルです。誤解なきよう。

以上のまとめで間違ってないと思います。

広報部の方が議事録作成のために協議内容をIC録音してくださっているので、万一、上記のまとめ内容に誤解や誤記があればご連絡ください(to 西武さんの広報さん)。