弁護士業界は就職難である。
完全に買い手市場。
毎年、数百人単位の人が、司法試験を合格して司法研修所を出たのに、就職先がない。
理由は簡単。
「アメリカ並みに弁護士を増やせ」
と言って、司法試験合格者を大増員した司法制度改革が大失敗だったから。
少なくとも私の回りにいる弁護士その他の法律家で、
「司法制度改革は成功だったよねっ!」
と言う人は一人もおらぬ。
「弁護士を増やせば草の根単位のリーガルサービスが全国津々浦々に行き渡る。みんな幸せになる。」
という、安易かつ短絡的かつ的外れな主張のせいで、いったいどれだけの人が不幸になったか。
それは就職先のない司法試験合格者だけでなく、レベルの低い弁護士に引っかかって人生がめちゃくちゃになった(少なくとも精神的にも経済的にも酷い目にあった)依頼者も同じだ。
司法制度改革の旗を振っていたお偉方は責任を取るべきだと思うが、いかがだろうか。
弁護士就職難の時代なので、ウチのような小さな事務所にも、
「1人でもいいから採用する予定はないか?」
と毎年、問い合わせが来る。
自慢するわけではないがウチは貧乏な事務所だ。だから積極的な採用予定はない。
ただ、毎年、いちいち電話で説明するのも面倒くさいので、参考までに「事務所のメンバーになってもらってもいいなぁ。」と思う人の条件を以下に書いておく。ウチに就職のことで電話してくるなら、せめて以下の条件を読んでからにしてくれんかな。
1.出身大学・ロースクールが「慶應義塾大学」「神奈川大学」以外の人→私は慶應義塾大学出身だが、私のポリシーとして事務所を「慶應仲良しサークル」化するのは耐えられないし、神大ローの出身者には酷い目にあったので。
2.男性→私の指導は厳しすぎるので(←控え目な言い方)、女性は無理だ。
3.明るい人・めげない人→暗い人、ネガティブな人はクライアントや一緒に働いている我々の気持ちまで沈み込ませる。
4.弁護士としての仕事以外に趣味とか、好きなこととか、楽しむ術を持っている人→勉強だけできる人は一緒にいてもつまらない。
5.体力と、知的好奇心と、戦略的創造性がある人→弁護士として必須の条件だ。
6.(できれば)お酒を飲める人→私が飲むんだから。下戸相手に酒が飲めるか。
7.(できれば)ゴルフのできる人で、スコアが100前後の人→私の現在のゴルフのレベル。一緒にゴルフに行っても楽しめるレベルの人がいい。
8.(できれば)社会人経験のある人→社会人としてのルールやマナーまで教えるのは辛い。
9.(できれば)実家に住んでいる人→ウチの事務所は給料は(とてつもなく)安い。
10.(できれば)即戦力になる人→一から育てていくのは大変だ。というか面倒。
・・・・他にも思いついた条件があれば、随時、アップしとく。
ね、買い手市場でしょうが。
あ、私が我が儘なだけか。