左手人差し指は明日、抜糸の予定ですが、当分、バイクには乗れそうもありましぇん。
傷口が完全にふさがったわけじゃないので怖くてクラッチ・レバー握れんのぢゃ!
ここでサモアがボールをサイドラインから蹴り出していれば、
というわけで日帰りツーリングの記事は暫(しば)しお休み。
バイク好きのブログ読者の皆様(何人いるか知らんが)、すまん。
史上最大級の台風も来てるしね。
台風といえば、ラグビー・ワールドカップの日本vsスコットランド戦の行方が気になって気になって2〜3日前から仕事も手につかん。
ホントのところは、今、抱えてる裁判がどうにもこうにもムカつくことばかりで、要するに仕事したくないだけなんだが。
私のポリシーとして、進行中の裁判についてはマスコミの取材は一切受けないし、ブログにも書かないし、流行りのTwitterとかで情報発信もしない。
弁護士である以上、法廷がすべてで、法廷外で相手を誹謗したり、懐柔(かいじゅう)したり、貶(おとし)めたりするのはルール違反だと思うからだ。
ま、今、ムカついてる裁判については、いつの日か記事にしてアップするのでそれまで待たれい。
さて。
ラグビーといえば、私、何を隠そう(隠してないが)高校時代はラグビー部でした。
50歳過ぎた今でも連絡を取り合う高校時代の友人といえばほとんどがラグビー部の連中である。
同期のノトヤ(仮名)は先日の日本vsサモア戦の試合会場から写メを送ってくれた。
この記事のカバー写真↑とこれ↓
(PHOTO by ノトヤ)
日本vsサモア戦。
私は出張先の金沢のホテルの部屋で見た。
当然だが試合の終了直前、日本が4トライ目を取った時にはダダ泣きした。
同期のクリ(仮名)から、「最後うんこちびらんかった?」と(名古屋弁で)LINEが来たが、
もちろん、ちびった。
そのクリ(仮名)から、「ブログにラグビーの話も書け」と指示が来た。
よし。書く。
というわけで今回はラグビーのお話。
私の周りのにわかラグビーファン(主に女子)からよく言われるのが、
ルールが分かりにくいですぅ❤︎
うむ。たしかに。
ただ、「とりあえず楽しんでラグビーを観る」ということなら、以下の1〜11を覚えておけばよろしい。
1.ボールは前に投げたり落としたりしちゃダメ。
2.ボールを持って前に走ったり、前に蹴るのはOK
3.反則があると主審がプレーを止めて、「軽い反則ならスクラム」「中くらいの反則ならフリーキック」「重い反則ならペナルティキック」でそれぞれプレー再開、と覚えておけばOK
4.相手の陣地(ゴールラインの向こう)にボールを押さえつければトライ(5点)。
ちなみに「トライ」の語源は、相手の陣地にボールを押さえつければ、相手のゴールポストにボールを蹴り込む(コンバージョン・キック)挑戦(トライ)権が与えられる、というところから来てる。
5.コンバージョン・キックに成功すると(ゴールポストの間をボールが通れば)2点。
6.コンバージョン・キック以外でゴールポストにボールを蹴り込めば3点
7.相手の反則が重大で、「おいおい、その反則なかったらトライが決まってたんじゃね?」と主審が判断したら7点(ペナルティ・トライ)
8.蹴ったボールがサイドライン(グランドの縦長方向のライン。端から端まで100m)から外に出たら、外に出た場所orボールを蹴った場所のどちらかからボールを投げ入れてプレー再開(ラインアウト)。投げ入れる場所は「ボールを蹴った場所がどこだったか」で決まる。
9.双方のチームの選手がボールを持った選手に集まって揉みくちゃになってるとき、ボールが地面に落ちてれば「ラック」、選手の誰かがボールを抱えて立ってる状態が「モール」。どちらも、なかなかボールが外に出て来ないと主審が判断したらその場でプレーを止めて、スクラムで再開。スクラムにボールに投げ入れるのは、モール(orラック)でボールを優勢に保持してた方のチーム。
10.主審の判断は絶対。
時に選手や監督が審判に食ってかかったり、ひどいのになると暴行までしたりして退場させられてるようなスポーツとは違うのだ。
11.最後。これがいちばん重要。
てか、これだけ覚えてれば他のことはどーでもよろしい。
試合が終わったら敵も味方もない。相手をリスペクトしてお互いを讃(たた)えあう。
ノーサイド。
試合が終わってもグダグタと相手を罵ったり、サポーター同士が乱闘騒ぎを起こすようなことはラグビーでは絶対にない。
で、サモア戦。
ラスト5分は、たぶん、ラグビー史上に残る場面だった(クリの言葉を借りれば、「うんこちびる」ほどの名シーン)。
世間ではサモアフォワードを凌駕した日本フォワードのパワーとか、日本人離れした姫野の突進力とか、トライを決めた松島の快足ばかりが評価されちゃってるけど、私は松島のトライの5分前のサモアの戦い方に感動して泣いた。
ラグビーの試合時間は80分。
その間に怪我人が出たりしてプレーが止まった時間があれば、オーバータイムが追加される。
あの日のサモア戦。
終盤、日本は31-19でリードしていたけどトライ数は3つ。
悲願のベスト8進出のためには「1試合4トライ以上」に与えられるボーナスポイントがどうしても欲しかった。
オーバータイムに突入する直前の79分25秒。
ここで日本は自軍のラインアウトからモールに移った所でサモアにボールを奪われてしまい、サモア側のボールでスクラム。
この時点で試合開始から80分が経過したことを知らせる銅鑼の音が鳴った。ここから先はオーバータイム。
ところがその直後、日本は痛恨の反則。サモアのフリーキックで試合再開。
ここでサモアがボールをサイドラインから蹴り出していれば、
試合は終了だった。
31-19で試合には勝てたけれど、日本はボーナスポイントを取れなかった。
サモアは、ボールを蹴り出さなかった。
自陣のゴール直前から100m先の日本のゴールまで走り込んでトライを奪う可能性にサモアは賭けた。
トライとコンバージョン・キックを成功させれば31-26。
試合には負けるけれど、「得点差7点以内の負けチーム」に与えられるボーナスポイントが手に入る。それはプール戦(予選)敗退を首の皮一枚の差で回避できる可能性が出てくる、ということ。
80分を走り抜いて、ぶつかり続けて、体力的には誰もが限界のはずなのに、サモアの選手たちは100mのトライに賭けた。
たとえ負けが決まっていても、サモアの選手たちは誰一人、最後まで勝負を投げようとしなかった。
自分たちの可能性を髪の毛一本も疑わなかった。
結果的には日本に4トライ目を奪われてしまったけれど、日本中が感動したあの松島選手の4トライ目は、サモアが最後まで試合を投げずに走り続けようとしたからこそ生まれた。
ラグビーは人生に似ている。
楕円形のボールはいつだって不条理に転がる。
体力的にも技術的にもとてもかなわない相手の突進を止めなければならない場面が何度もやって来る。
痛くて苦しくて、楽しいことなんかほんの僅(わず)かしかないのに、負けることが分かっているのに、それでも走り続けなければならない。
でも。
誇るに足る敗北は、勝利に負けず劣らず美しいときがある。
私はあの日以来、サモアの大ファンだ。