つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

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僕らが知りたいこと

2020-10-01 19:51:01 | としまえん問題

としまえん問題で色々な方が、色々なところで、色々な観点から問題を提起している。

議論が散漫にならないように、少なくとも私が今、把握できているとしまえん問題の論点をまとめておいた。

もちろん、これがすべてではない。見落としている論点もあると思う。

私が見落としていた論点に気づいた方は是非、このブログへのコメントやメール(hiraiwa@nextlaw.jp)でご連絡頂ければありがたい。適宜、この記事は補充・更新していこうと思う。

としまえん問題で自分の怒りの方向性を見失いそうになった方が、いつでもここに戻って来て、自分の立ち位置を確認できる羅針盤のような位置づけとして。

もちろん、東京都さん、練馬区さん、あるいは西武さん、伊藤忠さん、ワーナーさんの関係者の方からの下記論点に対する回答も大歓迎である。というか、そういう方からのご連絡を心からお待ちしている。

頂いた回答もちゃんとこの記事に追加掲載する。約束だ。絶対だ。

誤解があるなら解くべきだ。

理解し合える可能性があるならそのための努力を惜しむべきではない。

私のブログをきっかけにしてハリポタ施設賛成派・反対派の前向きな議論が展開できるなら、ハリー・ポッターの一ファンとして、また、としまえんを愛していた者として、こんな嬉しいことはない。

「決定項だから」「こっちは権力の側だから」「一住民風情が何を言う」「今さら巨大プロジェクトを止められるか」で物事を推し進めて、いちばん悲しむのは他の誰でもない、ハリー・ポッターだと思う。

できれば、以下の論点をお読みいただいたうえで下記アンケートにご意見を記入していただけるとありがたい。頂いた回答は定期的に皆さんにお読みいただけるように公開します(もちろん、個人が特定できる部分は非開示にして)。

それによってさらにとしまえん問題に関する議論が深まればいいなぁ、と思う。

「としまえん」問題に関するアンケート

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScf2a_ylW7jK190-oM5ftx4gfRvnD4PqH4WgKQ9ApdS986PGQ/viewform

(こちらも是非)↓

「としまえん」草木の保存に関する緊急アンケート

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScMxu338BBgoIaKyPJ75OuRb8SlkREAERMj4-iL9OHYIV2O8Q/viewform

 

1.練馬城址公園関係

(1) 広域防災拠点として何をどのように整備するのか?

(2) 練馬城址公園として使える面積はハリポタ施設誘致前と比較すればほぼ半分になっており、これが練馬城址公園の広域防災拠点機能に与える影響について検証しているのか?

(3) 少なくとも練馬城址公園とハリポタ施設の工事が完了するまで、としまえん跡地は避難場所として使用できない。64000名の避難場所をどう確保するのか?

(4) 練馬城址公園の整備工事は来年5月以降になると思われるが、その間の工事車両や大型重機の搬入経路はどこになるのか?

(5) としまえん跡地の半分がハリポタ施設に30年間、利用されるのであれば、その半分の敷地に存在するプールも同じ期間存続させて、段階的に全体を練馬城址公園として整備していく、ということも考えられるのではないか。

(6) 平成30年3月に東京都が作成した「練馬城址公園基本計画資料作成委託報告書」によると、「現状あるプールについて、災害用の生活用水や消火用水としての活用を検討」との記載がある。なぜ、このプール存続の観点がなくなってしまったのか?

(7) 現在のとしまえんは多数台に対応できる駐車場を備えているが練馬城址公園には駐車場は設けないのか?

2.ハリーポッター・スタジオツアー(ハリポタ施設)関係

(1) ハリポタ施設は既にマスコミや海外でも「テーマパーク」として報道されている。これを「博物館その他これに類するもの」として建築確認申請するのはおかしいのではないか?

(2) 現在としまえん跡地内にある防災井戸はハリポタ施設建設後も使用できるのか?

(3) 「(ハリポタ施設の敷地の)構内通路は東京都が施工する」との事業者説明があった。都議の担当部署に対する確認でも担当部署はこれを否定していない。なぜ民間事業の敷地内の通路を東京都が施工するのか?何故、現状プランのルートなのか?東京都はいつの段階からハリポタ施設の計画に関与していたのか?

(4) 本来、跡地全体を広域防災拠点としての機能を有する練馬城址公園にするという計画だったのに、何故、「30年間のハリポタ施設」という話になってしまったのか?

(5) 5者覚書によると、「30年」という期間も伊藤忠や西武、ワーナーから申し入れがあれば更なる延長も、また、東京都側の準備も整っていない段階での途中撤退も、東京都・練馬区は協議に応じなければならないとなっている。これは実質的には練馬城址公園の整備を伊藤忠や西武、ワーナーの意思に委ねたことと同義ではないか?

(6) 練馬城址公園の目的には「緑と水」というものも入っている。石神井川の北側ギリギリまで建物が建てられるハリポタ施設計画において「緑と水」の公園目的が減殺されることはないのか?

(7) ハリポタ施設の営業期間中のバス進入路はとしまえんの旧東ゲート付近からの一方向乗り入れのみとするとあるが、これによって近隣道路に渋滞を引き起こさないか?

(8) インバウンドによる経済効果を見込むというが、海外旅行客は観光バスで来て、ハリポタ施設を見て、観光バスで帰るだけ。地元の経済効果は0に近いのではないか?

(9) 覚書6条2項によってハリポタ施設にも公園の「機能実現の一翼を担うことへの配慮」が求められているが、その「配慮」とは具体的にはどのように図るのか?

(10) 土地の借主・建物所有者は芙蓉総合リース。しかし、この芙蓉総合リースは6月12日締結のいわゆる5者覚書の当事者ではない。これで覚書に基づく「練馬城址公園の(広域防災拠点)機能の実現の一翼を担うことへの配慮」義務は実現できるのか?

(11) としまえん内の多くの樹木を保存して欲しいという声が多い。伐採対象になっている樹木について接ぎ木や挿し木、小さな木については移植といった方法での保存は可能か?

(12) 石神井川沿いの桜は(少なくとも現時点で公開されている計画図を見る限り)ハリポタ施設の建物にとって何の邪魔にもならないと思われるが、何故、伐採対象となっているのか?

(13) 練馬区長は樹木を伐採する事業者に対し、緑を愛し守りはぐくむ条例40条3項に基づくどのような助言・指導をしたのか?

(14)上記条例41条に基づく代替植栽について、事業者はどのような計画を持っているのか?その中には伐採される樹木の接ぎ木、挿し木、移植といった方法は入っていないのか?入っていないとすれば何故か?

(15) としまえん内の多くの生物の保護を求める声が多い。カブトムシやタヌキ等の小動物の保護はどうなっているか?