誕生日おめでとう。
一生懸命勉強して、真面目に部活に取り組んで、可愛い彼女を作って、パパと約束した門限を守り続ける。
そんなヒロの高校生活をパパは誇りに思う。
努力できること。
嘘をつかないこと。
約束を守ろうとすること。
そして人に優しいこと。公平であること。裏切らないこと。
目の前の苦しさから逃げないこと。
ヒロには人に誇っていいところがたくさんある。
それは幸せな人生を送るための大切な資質だということが、いつか、わかる日が来る。
16歳になって、身長もパパを追い越したヒロに対して、パパはもう、ヒロに代わって何かを決断してあげることも、ヒロが歩く道を決めてあげることもできない。
パパにできることは少し離れたところからヒロを応援することだけだ。
この先、もし、ヒロが何かに迷ったり壁にぶつかったりしたら、こう考えて欲しい。
自分がやろうとしていること、選ぼうとしている道は、
胸を張ってパパやママや祐ちゃんに語れることか?
ヒロのことを死ぬまで可愛がってくれていた名古屋のじいちゃんに語れることか?
彼女に語れることか?
いつかできるだろう自分の子供に語れることか?
校則とか、法律とか、常識とか、世の中のルールなんかより大切な、ヒロが生きていくうえでどんな時も揺らがない基準だ。
卑怯というのは自分の心の中にある大切な基準を裏切ることだ。
自分の基準に嘘をつく人間のことを卑劣という。
自分の基準を失くした人間のことを弱者という。
その基準でヒロがやろうと決めたことは、それがなんでも、パパは100%応援する。
パパがヒロを応援する、ということはそういうことだ。
これからの数年間はヒロが「人間としていちばん基本的で大切な部分」を形作る大切な時間になる。
だから、色んな人と会って話をしてほしい。
色んな所へ旅に出かけてほしい。
たくさん本を読んでほしい。
人と旅と本はヒロの心を成長させるインプットだ。
別にパパが考えた言葉じゃなくて、ライフネット生命の創始者で立命館アジア太平洋大学の学長でもある出口治明さんという人の言葉だ。
話をしていて楽しい人。魅力的な人。一流といわれる人。
そういう人は例外なく本をたくさん読む。
スマホやパソコンからは「情報」は得られるけど「知恵」は得られない。
人を魅力的にするのは、持っている情報の量じゃなくて、その人が持っている知恵の深さだ。
電車に乗っている時間。誰かを待っている時間。ふと空いた時間。
即座にスマホを取り出してゲームを始めるような人間じゃなく、ポケットに突っ込んでいた文庫本を開くような、そんなカッコいい男になってほしいと思う。
2019年2月9日
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