前回、私なりの視点から「としまえん問題」について書いた。
あくまでも現状、私が入手可能だった情報にのみ依拠して書いた記事なので、事実誤認があれば是非、ご指摘いただきたい。
さて。このブログは私の落書き日記帳みたいなもので、別に読んでワクワクするような記事はないし、抱腹絶倒のネタで溢れているわけでもない。
気ままにつらつら書き綴っているだけの頗(すこぶ)る個人的なブログなので、根強い固定ファンはいらっしゃるものの、1日あたりの閲覧者(UU)は平均して150人程度、アクセス数(PV)200PVといったところだ。
ところが前回の「としまえん問題とは」をアップした9月8日。
閲覧数は4927人、アクセス数は7647PVに跳ね上がった↓
普段の30倍以上の人がこのブログを訪れ、「としまえん問題とは」を読んでくれた計算になる。
しかも、記事をアップしたのは14時25分だからわずか半日足らずで、だ。
あんまり気にしてないので記録を取っていないが、たぶん、ブログ開設以来の記録だろうと思う。
地方在住の方や、東京在住でも練馬やその近辺にお住まいでない方にはあまり直接的な関係もない、「としまえん」という古い遊園地の閉園の話題を読むために、半日で5000人近い人が私のブログに辿り着いてくれた。
つまりは、それだけ「としまえん問題」は世間の耳目を集めているにも関わらず、情報が閉ざされているということなんだろう。
頂いたコメントやメールの感想のほとんどは私の怒りに共感し、応援してくれているものばかりだ。
ただ、数が多すぎて一つ一つにお返事をお送りできていないのが申し訳ない。
さて。
私は天邪鬼なので、自分の怒りにみんなが共感してくれればくれるほど、
「そもそも俺を含めてみんな『としまえん閉園』の何にこんなに怒ってんだ?」
と、ちょっとだけクールダウンしてきたというか、興味の矛先が変わってきた。
そう。
俺たち、なんでこんなに腹が立つんだ?
以下、私の勝手な自己分析なので異論のある方も多いと思うが、まぁ、聞いて欲しい。
現在、としまえんは日に日にアトラクションの解体が進んでいる。
とうとう今日は「としまえん」の看板アトラクションであり、象徴でもあったフライングパイレーツの解体が始まったらしい。
胸が破れそうなほど苦しい。
でも「としまえん」のアトラクションや建物は株式会社豊島園さん(正確に言えばその大株主の西武鉄道株式会社さん)の所有物だ。
僕らのものは石ころひとつ、葉っぱ一枚ない。
法律論でいえば、㈱豊島園さん(=西武鉄道㈱さん)が自分の敷地の中にある自分の所有物を解体しようが捨てようが自由なはずで、僕らには口を挟む権利はない。
でもさ。
10年20年。人によっては、もしかしたら半世紀近く。
ずーっと「としまえん」と一緒に歩んで、成長して、見守ってきたんだ。
いつかのブログにも書いたけど、
としまえんは少なくとも私にとっては家族のような存在だ。
たとえ話をしよう。
子連れの女性と結婚した。女性も魅力的だが、子どもはその100倍可愛い。
しかし、事情があってその子どもと私は養子縁組をしなかったので、法律上、私と子どもの間に親子関係はない。赤の他人だ。
でも、一緒の家で暮らして、泣いたり、笑ったり、怒ったり。
喧嘩したり仲直りしたり。
何度も抱きしめたり、励ましたり、励まされたり。
同じ風景を見て、同じ風の匂いを嗅いで、20年間一緒に生きてきた。
ある日、その子どもが交通事故に遭って脳死状態になった。
医者が言う。
「このままほっといてもこの子は死ぬので、まだ心臓が動いて生きてるうちに腎臓とか肝臓とか移植できる臓器を取り出してしまいましょう。」
私が見ている前でどんどん子どもの身体がバラバラにされて、どんどん大切なものが身体の中から運び出されてく。
でも医者は言う。
「あなたはこの子の法律上の父親ではないので、この子の臓器摘出については何の発言権もありません。」
そうかもしれないけど。
でも、家族じゃん。
ずーっと一緒に歩いてきた家族じゃん。
「この子どもはもうだめだから。どうせ死ぬから」と一方的に宣告されて、子どもが身体をバラバラにされていくのを見て、自分の身体を切り刻まれるが如く心を痛めるのに
法律上の権利関係とかどーでもいいから。
ある日いきなり、「もうだめです」と通告されて。
何とか助けられないかと悩んで、奔走して、足掻(あが)く時間すら与えられずに。
お別れも満足に言えないうちに門を閉ざされて。
「あなたには何の権利もないから解体に口出しはできません。
これは解体ではなく、必要な部品を取り出してるだけです」
これが今の「としまえん」と僕らの関係だ。
毎日、アトラクションの解体の様子をTwitterにアップしてくれている人は、そうでもしないと心が張り裂けそうになるからだろう。
この心の痛みは、「としまえん」に脳死宣告をして臓器摘出を始めた西武鉄道㈱さんと東京都さんに対する「やり場のない怒り」として迸(ほとばし)るんだ。
長くなるので、西武鉄道㈱さんと東京都さんに対する怒りの原因については次回、書く。
※【東京都と練馬区に対する陳情書への署名は現在も募集中です。】
練馬区宛の署名は9月15日まで、東京都宛ての署名は10月28日まで、私の事務所に到着したものを私が練馬区と東京都に持ち込みます。
署名用紙は全国のセブンイレブンのコピー機でプリントアウトできます。
練馬区用の署名用紙を印刷するためにコピー機に入力する予約番号は34977591
東京都用は72063360
どちらも9月14日午後11時59分まで印刷できます。
送付先は〒160-0017 東京都新宿区左門町6-10 渋谷ビル4階 ネクスト法律事務所 弁護士平岩宛
陳情書を東京都や練馬区に送っても、署名をしても、何も変わらないかもしれない。
でも、自分の家族を殺されて、「どうせ何も変わらないでしょ」と何もしないでいるのは、たぶん、心が耐えられない。
変わるとか変わらないとかではなく。
工事を止められるとかどうせダメだとかではなく。
「としまえん」が復活するとか復活しないとかでもなく。
理不尽な世界に対する自分の気持ちを時代に刻み付けておくことは大切なことだと、僕は思う。
署名、送らせていただきました。
取りまとめて頂き、大変感謝しております。
としまえん復活まで、頑張って戦います!!