城郭 長谷川博美 基本記録

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明智 羽柴 丹羽 柴田 織田信長が登場する本格劇画『元亀の騒乱』4

2019-08-14 16:44:18 | 戦国
明智 羽柴 丹羽 柴田 織田信長が登場す
る本格劇画『元亀の騒乱』4

小野伸明先生の秀逸な劇画を紹介したいと思
います。先生の画業の斬新かつ素晴らしい作
品には敬服 致します。小野先生の益々の御
発展と隆昌を祈念して『元亀の騒乱』を、
是非紹介したいと思います。

作品のネームつまりシナリオや原作は◆長谷
川博美が担当しています。また当ブログでの
解説も私が担当させて頂いております。なお
順番を追って紹介しますが皆様は順次ページ
を追って御鑑賞下さい。





◆劇画中の柴田勝家の文言が凄い!人間とは
迷信や風説の流布に簡単に惑わせられると言
及しています。詰り人間とは自分ではなく周
囲に生きている人々の噂や意図的に流されて
さいる言説に簡単に惑わされるものだと
言っております。柴田勝家は後年越前北庄城
主時代に宣教師達の布教活動は意外にも寛容
で越前での布教は「切り取り次第」である。
つまり布教活動は自分達の力量次第だとと述
べています。勝家の馬印は金の御幣であるか
ら勝家自身は神道系ではないだろうか?越前
の織田氏先祖の神社の奉斎においても織田信
長の代行者として赴いてる。また越前敦賀郡
の延喜式内社にも「織田神社」がある事も留
意しておきたい。

◆越前敦賀郡の謎の城郭状況
 永禄末期には越前朝倉氏は若狭守護職の
武田元明を越前に拉致し実質若狭を手中に
する目算で再三再四に渡り敦賀郡から若狭
に侵入しているのであるが、下図は越前若
狭の境界に存在する城址名称は控えたい
城址であるが図の左が若狭方面に位置し図
の右が敦賀方面に位置する。城郭遺跡の常識
として高所を占める右が本丸に相当しこの
城郭遺跡は越前から若狭方面に向って構え
られた城郭遺跡である事が解る。金ケ崎城
より手筒城よりはるかに戦国末期の城郭遺構
の様相を呈していると言えよう。この城の構
造は元亀の騒乱で朝倉方が陣した田部山城な
どと類似した城郭遺跡であり朝倉氏と言うよ
り北近江型の土塁陣城とも言えようか?

◆元亀の騒乱の仮説を立てる!
 元亀の騒乱が始まる契機つまり切っ掛け
は?織田信長が若狭の武藤氏から救援を受
けての若狭派兵である。
この時期若狭の朝倉氏に頑強に抵抗してい
た粟屋氏はどうしていたのであろうか?若
狭粟屋氏は国吉城を根城に親織田信長派と
して活躍した若狭でも傑出した武将である
と私は評価している。元亀元年に織田信長
が若狭から急遽敦賀平野越前に攻め込む際
にイラストにある様な陣城に越前勢が布陣
していたら全く信長は越前には侵入できな
かった事であろう!一応若越の紛争が一時
収束して、形式的には古い旧式の金ケ崎城
や手筒城へと朝倉勢が引き上げていた時期
に織田信長は若狭から越前に乱入したと歴
史の流れを仮定すると。元亀元年の頃の元
亀4年天正元年の北近江と若狭の浅井朝倉
方の城郭状況を知る必要がある。それを知
り得る文献とは何か?
◆文献『信長公記』の天正元年記の浅井
朝倉方の落城した記録だ。1573年8月25日)
天正に改元されている事にも注意!「同日
、落城の数、大づく、やけ尾、つきがせ、
ようの山、たべ山、義景本陣田上山、引
檀、敦賀、志津が嵩、若州粟屋越中所へさ
し向け侯て、付城共に、拾ケ所退散。」と
ある。是を現代的に解釈するならば

大づく、=大嶽城
やけ尾、=焼尾丸砦
つきがせ=月ヶ瀬城
ようの山=丁野山城
たべ山、=田部山城
義景本陣田上山=田上山城★
引檀=疋田の城つまり引壇城
敦賀=全く不明!金ケ崎城や手筒山城の
事か?花城山城の事か?それと下図の城
郭遺跡の事か?
志津が嵩=賎ケ岳城★
若州粟屋越中所=国吉城
へさし向け侯て、付城共に、=中山の
附け城など。拾ケ所退散。」
これらの浅井朝倉の城郭の内で★印の
ある★賎ケ岳城と★田上山城は1583年
天正11年の賎ケ岳合戦に再利用されて
いる事である。これに注意したい!
また敦賀の城とは金山城の事なのか後
の敦賀城の事なのか全く解らないので
ある。

◆賎ケ岳城の現況
 賎ケ岳城の現況としてはかって観光
開発された為に城郭遺跡の原型を完璧
にはとどめていない。しかし砦の周囲
は旧来の切岸を中心とした室町期の城郭
を思わせる切岸が残る。

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