徹底的合理主義 名刀排除 質実重視 朝倉氏
朝倉家之拾七ヶ条 「朝倉英林壁書」
「朝倉孝景(敏景)17ヶ条」には
一、名作の刀、さのみこのまれまじく候、
其ゆへは、万匹の太刀を持ちたりとも、
百匹の槍百丁には勝たれまじく候、万匹
をもつて百匹の槍を百丁求め、百人に
もたせ候はば、一方は防ぐべく候
長谷川
さても、人間とは、人とは、愚かなものだ。
名刀。名医。名声。肩書。に眩惑される事
が世の常だ。越前朝倉氏の経営理念として
恐るべき人間批判精神と徹底的合理主義が
記されている。「何千万円もの価値がある
名刀に見せられる凡愚軽薄を戒めて何千万
円も資金があれば100人の槍つまり有能社員
100人を雇用して朝倉家の為防衛に役立てよ」
と徹底的合理主義を述べているのであるが?
惜しい事に最期の当主朝倉義景100年の栄華
を保持する事が出来ず、浅井長政、浅井久政、
朝倉義景は髑髏、頭蓋骨にされ信長の酒席の
酒肴に出されるという、残酷な結末を迎える。
長谷川
さても時代は過ぎ行きても名人、名医、名誉、
肩書、名声、名刀、と言う虚飾に人間は常に
惑わされて続けるものだ。名を捨て実を求む
事など誰も考えてはいない。それが人間社会。
茶器の名器を求めた信長が合理的人間に見えなくなりました。
これは、与える土地がなくなった代わりとも思えますが。
朝倉金吾教景は稀代の武将でしたが
一旦都で政変があれば朝倉氏は京都
での軍資金としてあの天下の名物茶器
九十九茄子を使う為に、所持していたと
されます。茶器を貨幣の代用物軍資金
と思考する武将も居たのです。茶器や
数寄による茶の湯の政道なるものも存在
致します。利休、織部などの世界もある。