真の城郭遺跡見学者を育成しましよう!
対話者
初めは、長谷川先生の解説を無視し自分はもう充分に城郭遺跡の見学の
仕方を知っていると自信を持って先生の先に先に城址を走り回っていた人
が長谷川先生の見学会に参加する度に、城址を丁寧に落ち着いて見逃さず
に見学される様になりました。その方の城址を見学する態度も心も澄んで
きて謙虚に城址を見学される様になりとても気分が爽快かつ有意義です。
長谷川
中世城郭とは多くの人が、野放図でただ地形にあわせて、プリミティブ
に原始的に削平されていると勘違する人が多くおられます。実際に現地
を計測して縄張図を作成すると、室町末期や戦国末期の驚くべきハイテク
技術で縄張りや縄打ちが施工され、その普請工事の跡は驚くべき緻密です。
一般者
そんなマニアックに専門的城址を観察する一般の人おられるでしょうか?
我々歴史や観光や旅行のフアンにとり、そな事は略図で充分で良いのです。
長谷川
万葉集を学れる場合、人麻呂の詩を全文を読む事はマニアックでも専門的でも
ない初心者です。「東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ」と読んで行く
のは万葉を学ぶ人の基本でありマニアや偏執でもなくオーソドックスな初心者様
の初々しく学ばんとする良い意味の初心であると思います。「東の野」だけ読んで
後は読まない人は万葉を読んでないのではないか?と私は思いますが?
対話者
長谷川先生と長年城址を伴に歩き、先生から現地を学ばなかった人と、学ばなかった人の
差は明確に出て来ます。
「東の野」の3文字だけ読んで満足して、私はれっきとした万葉通と称する人よりも
「東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ」22文字読む初心者が大切です。
長谷川
城址に実際に22郭あるのに3郭だけ見て19郭見逃している城郭遺跡見学に気付いた
人が、おそらく私の解説に対して素直に冷静に耳傾けられる様になったのでしよう。
対話者
そうだと思います。だから以前行った滋賀県内の城址を、長谷川先生ともう一度見学
したいと希望されたのだと思いますよ。つまり初めて城郭遺構見学の意味に気付いた。
①本丸に到着してすぐ下山する城郭観光。
②城址を真直ぐに通過して行く城郭遠足。
③城郭遺構を観察見学する城郭遺跡見学。
最初から③がある事は、私は長谷川先生から以前より学んで知っていました。気付いてます。
最近もう一度①②として訪れた有名な城址を③として見直す事に気付いた貴重な人が居ます。
長谷川
「東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ」と万葉集を読む事は基礎的な事です。
城郭観光も城郭ハイキングも私は否定しません地域発展には大賛成ですが、今一度城郭
遺跡見学の基礎とは何ぞやと考え直す少数の人の真心も時には大切にしたいと思います。