三流読書人

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ドングリ小屋住人 

兵庫県警が断罪されました

2004年12月23日 11時44分23秒 | 教育 
 大学院生が暴力団に長時間にわたって暴行を受け、殺された事件で、神戸地裁は、原告側の主張を認め、犯人の他に、兵庫県警のずさんというかひどすぎる対応を厳しく断罪し、兵庫県に対し賠償を命じました。
 要するに、暴力団に拉致され、危機的状況にある市民を、現場にいながら助けようとしなかったのです。
 警察に助けてもらえへんかったら、どないしたらええんや!
 全国的に裏金作りや詐欺まがいの行為が問題になってるけど、兵庫は昔からひどいんですね。 
 こんな本があります。『交番のうらは闇』著者元兵庫県警松本均、『交番の中は楽園』著者同、『ケーサツの横はドブ』松本均・丸山昇(警察評論家)編著、『オマワリさんの華麗なセカイ』著者元兵庫県警巡査山下寛。4冊とも同じテーマです。「第三書館」発行。
 1987年に書かれた本ですがわりとよく売れた本だと思います。ご存じの方はいますか。
 兵庫県警現職警察官による内部告発本です。といっても出版された時点ではくびになってますが。
 カバーに書かれた紹介文を少し長いですが引用します。およその中身がわかって頂けると思います。
 以下引用。1987年刊『交番のウラは闇』から。
[「民主警察」とは名ばかり、毎月200件の交通違反検挙ノルマを達成するための違反デッチ上げ、本人の知らぬ間に「非行少年リスト」に上げての「補導点数かせぎ」、在日朝鮮人への目に余る差別、正当な政党活動・選挙運動への介入、被疑者への暴力的脅しの日常化、署長の不明朗な小遣い稼ぎ、横行する地位濫用と公私混同、上司が部下を引き連れての買春旅行、差別言辞が飛びかう警察署、疑問を持つ者へのアカ攻撃、暴力団とのワケあり癒着、購読新聞チェックまで行われている住民監視、サツ回り新聞記者とのナレあい、モミ消し関係、末端巡査に対する思想信条・信仰上の干渉、公安警察の異常な増加ぶり、現職警官のサラ金・興信所への情報売り、再生産されるオイコラ精神などなど今日の警察が内包する、あらゆるドロドロした腐敗部分を徹底的に実名をあげながら暴露した史上初の下級警察官による内部告発の書。] 
 どうでしょうか。内容は想像つくでしょう。背筋が寒くなってきます。いまどきそんな、と言いきってしまえますか。
 これは20年近く前に書かれたものですが、この事件は2年あまり前におこりました。こんな内部告発本が出版されても、県警の体質は変わっていなかったのでしょう。
 最近、裏金作りや、公金の不正支出、ずさんな捜査、など警察内部の腐敗ぶりが、北海道・福岡・大分・愛媛・青森・警視庁・京都・埼玉等々で話題になりましたが、ここで名をあげるのは気の毒ですよね。ほとんどの都道府県警察でしょうから。
 違うと言うんなら、すべて情報公開することです。都合の悪い領収書などは絶対出さないのですから。ちょっとやそっとでは直らないでしょう。
 現場の警察官はいい人たちが殆どで、一部の不心得者が悪いことをするという言い方があります。が、キャリアを頂点とする官僚機構が退廃しきっているのではないでしょうか。全体にモラルハザードが蔓延し、不祥事が起こった場合でも、上層部は自分の手は汚さないが、すべて承知しているはずです。この中で現場の警察官に士気高く、高いモラルのもとに全体の奉仕者として尽くせと言っても無理はあります。超勤手当を始め諸手当はピンハネされ、上層部に裏金として提供され、何に使われているかわからないのです。
 紹介した4冊の本、手元にあります。ご希望があればお貸しします。本のタイトルはちょっとキワモノ的ですが、私は嘘を書いたものだとは思いません。