三流読書人

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ドングリ小屋住人 

「経済観測」3月28日

2006年03月28日 16時51分47秒 | 教育 
経済観測
《 少し嫌みだが、経歴書の中で「東大中退」というのは勲章に値するのではないかという説がある。
 つまりあのひねくれた競争試験を突破したのだから平均以上の理解力、判断力はそなえていると言ってよい。
 そして現実の講義に出て、そのつまらなさ、くだらなさにアイソをつかすだけの決断力、これはすごいよ。
 同じようなことを、あのビル・ゲイツがせっかく入ったハーバード大学を1年もたたぬのに「こんなことでは人生のムダ」と退学してマイクロソフトを興したのと一脈通ずるところがある。
 もとより大学は通過点で目標ではない。リクツを言えば講義だけでなく自分が研究する場であり、ましてゼニ儲けとは縁がないのだが、東大、ハーバードがなんだという気概は買ってもよい。
 企業にとって「上場廃止」は退学にひとしい。はく奪されてみてそのブランドの重さ、大きさがわかる。銀行も取引先も社員も、である。
 株式会社の場合、毎日、「株価」で評価が下されていた。発行株数に株価を乗じたのが時価総額、会社の値段だ。「世界一の時価総額になってみせる」はホリエモンの目標であったが夢破れた今、どう考えているだろうか。
 「上場廃止」は「東大中退」と同じく絶対的な否定ではない。上場してみたが、東証の「官僚より官僚的な体質」(?)や高すぎる上場手数料にイヤ気がさして三下り半と言うのであれば、快さい、エールをおくりたくなるが。
 どうも廃止の理由は「上場」を悪用して分割、合併、そして経理の粉飾と、企業のハレンチ罪に当たるルール違反である。そんな「水に落ちた犬」にチョッカイを出す投資家もいる。やや空気がよどんでいる。(三連星)》
『毎日新聞』3月28日株式欄の中にあるコラム「経済観測」タイトル「いい中退、悪い中退」より引用。

 かなり痛烈な皮肉であるが、最後の「やや空気がよどんでいる。」というようなものだろうか。
 拝金主義、金もうけ至上主義は、腐敗し、よどんだ水は、腐臭を発している。
 ばくちでもそうだけど、資本の少ない者ほどリスクの高い勝負をする。最終的には大きな資本を持っている者に間違いなく吸い上げられる。それを生業としている者がいるのだ。
 なけなしの金をはたいて投資する一般投資家はよく考えた方がいいと思う。