伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

憲法を地方自治に活かす/議員だよりの記事を書きました

2016年04月26日 | 市議会
 24日付の議員だよりの記事を書きました。

 今度のテーマは憲法。憲法を地方自治に活かすという趣旨で記事をまとめました。

 どうぞご覧ください。



憲法を市政に活かす
憲法記念日に学んでみたい



 日本が中国・東南アジアの侵略戦争に敗れた翌1946年11月3日に公布された日本国憲法は、47年5月3日に施行されました。それから69年目の憲法記念日を間もなく迎えようとしています。この憲法をどう活かしていくのか。市政に常に問われています。

 3つの角度から考えてみたいと思います。

■基本的人権

 憲法は、国民に幸福追求権や生存権を保障しています。

 この権利を守る役割を、行政が発揮しているかどうかが問題です。

 例えば国民健康保険制度です。


 現在、国保税滞納者には被保険者資格証明書が発行されています。

 これは国保加入者であることを証明するだけで、医療を利用すると、窓口でいったん医療費の全額を自己負担し、後に、保険から支払われる分の7割を還付してもらうことになります。

 そもそも、国税税を支払えない加入者が、医療費を全額支払いながら病院にかかることは困難です。

 市は、病気になれば、短期保険証を渡し、病院にかかれるようにするといいます。

 しかし、生存権を考慮するならば、まず病院に自由にかかることができるようにすることが必要です。

 まず保険証を全加入者に渡す。そして国保税の滞納には、生活実態を十分考慮した支払いができるように、相談や訪問を強めることが必要です。

 そして何よりも、一般的に所得水準が低いという国保加入者の特性に対応し、もっと国保税を引き下げることが求められていると思います。

 市の措置のおおもとには、国の制度改悪などがありますが、地方自治体が知恵をしぼってこの改悪と対決していくことが、憲法を活かす道につながっていくものと思います。

■平和主義と国民主権

 日本国憲法は、侵略戦争への反省から、恒久平和を願い、国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄し、そのために陸海空の軍隊を持たないと憲法に明記しました。

 この憲法の願いは、いわき市が1986年に制定した、「非核平和都市宣言」にもこめられています。



 ところが、安倍自公政権のもとで採決が強行された戦争法(安全保障関連法制)は、この憲法の願いを真っ向から踏みにじり、日本が武力で国際紛争に介入する仕組みを作り上げました。

 同時に国民主権にも、足かせがはめられてきました。

 一昨年の秘密保護法は、国が指定する情報を国民の目から隠すことができるようにしました。

 国家に関する情報は、主権者である国民が政治や行政のあり方を判断し、場合によっては是正を求めて行動するために欠かせません。

 その情報を制限なく隠すことができるようにしてしまったのです。

 「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」

 人民を施政に従わせればよく、その道理を人民にわからせる必要はない、という政治です。これは、国民主権を掘り崩し、戦前の日本のような専制的政治を作り出しかねません。

 だからこそいま、憲法の平和主義と国民主権を守れという声を上げることが大切だと思います。

 それが、非核平和都市宣言に込められる「恒久平和」の願いを活かすことにつながります。

 行政としても、少なくとも、戦場に自衛隊を送り込む事態にたいする懸念を表明しながら、平和の尊さを市民的に普及していく行動が求められていると思います。

 震災後の、中学生の長崎派遣事業や、韓国の若者たちとの交流事業は、その普及の役割を担ったものと思います。

 さらに、71年前の戦争の記憶を風化させないために、市民団体が要望する関連資料を収集・公開しながら、戦争の現実を市民に普及する事業を進めてくことも必要だと思います。

■憲法と人権学ぶ機会に

 市内では5月3日、午後1時30分から、文化センターで、憲法について学ぶ集会が市民団体によって開かれます。

 「生活現場からの日本国憲法・日本に憲法があるんか」と題し、日雇い労働者の支援活動にたずさわる弁護士の遠藤比呂通さんが講演することになっています。
 この機会によく学んでみたいものです。



 最後にいわき市の非核平和都市宣言を紹介します。

 提案当時の田端金光市長は、「真の恒久平和を実現するには、非核三原則を堅持するだけでなく、平和秩序が脅かされるすべての行為を排除する高い理念が求められており、この理念を全世界に普及することが重要なことであります」との趣旨から、非核平和都市宣言を提案し、この立場は後の市長も同様の姿勢を示しています。

 恒久平和の達成のための非核平和都市宣言も、ご覧ください。



非核平和都市宣言


青い空 碧い海 緑の大地
そして豊かな明るい暮らしは
わたくしたちいわき市民のみならず
平和を愛するすべての人々の共通の願いである

しかし 地球上では
ますます多くの核兵器が貯えられ
世界の平和に深刻な脅威を与えている
一刻も早く核兵器をなくさなければならない

このかけがえのない美しい地球と
世界で唯一の核被爆国という痛みの中から
世界中に核兵器の廃絶を強く訴える
「核兵器はつまらないからよせ」と

そして平和な社会をはぐくみ築いていくため
いわき市は 永遠に「非核平和都市」であることを
ここに宣言する

昭和61年3月31日制定


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