市議会2月定例会の代表質問が2月24日、から行われ、25日に質問しました。議員だより用に原稿をまとめたので、その内容を大幅加筆・修正してアップします。
質問の冒頭は、安倍首相が「戦争できる国」に向けて集団的自衛権や靖国神社の参拝、秘密保護法、そして武器輸出三原則の改悪と、性急な動きを見せることから、これを批判し、市の友好都市の取り組みを活かすために領土問題を話し合いで平和的に解決することを求めました。た部分は昨日のブログに全文掲載した通りです。
友好都市の中国・撫順市
尖閣諸島問題では、日本が領有の正当性を各国に説明し、中国とは話し合いで平和的に解決するよう政府に求めることが、撫順市との交流の上からも大切との立場で問いかけました。
本市と撫順市の間では、現在、書写など文化交流は継続しているものの、友好都市30周年の関連事業が延期されるなど都市間交流はストップしている状況です。
清水敏男市長は、尖閣諸島の領有の話し合い解決を求めることには「国政問題の論評を控える」としながら、撫順市との交流は「文化交流を始め、友好関係が深められるよう取り組みたい」としました。
TPP
環太平洋経済連携協定・TPP交渉に関してアメリカは、大統領貿易促進権限法案で、農産物の関税をアメリカ以下にすることなどをうたっているので、妥結をしようとするなら日本が聖域を明け渡すしかない状況にあります。
市長は、全国市長会を通じて国益を守ることなどを求めてきたとしながら、「引き続き国の動向を注視」し「国民的合意形成の状況を見極めたい」と答弁しました。
一方、農業委員会会長は、「農業・農村に壊滅的な打撃を与え、食料自給率の低下や食の安全を脅かすことが危惧される」とし、「重要5品目の聖域確保ができないと判断した場合は、交渉からの脱退も辞さないとした衆参農林水産委員会決議を堅持すべき」と答弁しました。
再質問では、いわきの農業を守る立場で、少なくとも農業委員会会長と同様の考えを表明することを市長に求めました。
市長は「農業分野については強く国に要望したい」としながら、一方で「いわき市は東北一の工業出荷額という立場もあるので、そういった立場で国に適切な判断を下していただきたいと思っています」と答弁しました。
「ぎょっぎょっぎょっぎょっ」という答弁です。工業と農業を天秤にかけているように聞こえるのです。昨年の市長選で、市内に本社を構える世界的企業が、市長を応援したと聞いていますが、このためなのでしょうか。
答弁を聞きながら「これはつっこみどころ」と思いました。しかしその後も答弁が続き、また再々質問に立とうとしたその時、答弁が残っていると、あらためて別の問題で答弁に立つ市長。「つっこみどころ」の思いは、この答弁で上書きされ、つっこんだ質問を失念してしまいました。残りの質問時間は37秒ありましたが、未熟者でした。
公約
市長当選後に公約を変えた問題を市長にただしました。
市長は選挙時の公約は「市政運営を行っていく上での目標」とし、当選後に市長として個別事業を検討する際には「財源などを総合的に勘案する必要がある」という趣旨の答弁をしました。
市長選時と当選後を分けて考える答弁は「詭弁」と言わざるをえません。
市長は予算編成権を持っており、市長候補の公約には当然市民は実現の希望を持って投票します。これをいつかはやるという立場で受け止めることは、市民は何のために投票したのかが問われることになります。
特に昨年の市長選挙は、復興のスピードや進行中の新病院の建設計画など喫緊の課題が問われたわけで、これに関する公約が目標という言葉で片付けられるはずはありません。
再質問に市長は、「(選挙時の)公約、発言は4年間かけて達成すべき目標で、その市民的評価は選挙で結果が出るものだと思っている」と答弁しました。
選挙で評価がくだされることはその通りです。しかし、公約違反の事実に何ら変わりはありません。
出産祝金
また公約の関係では、新年度からスタートさせたいという「出産祝い金」も取り上げました。第1子に5万円、第2子6万5000円、第3子に8万円の祝い金が提案されています。
選挙では第1子に10万円、第4子以降は100万円という発言をしているのです。
提案された祝い金の額は、出産費用と出産一時金(出産時に健康保険から支給される費用)の差額が基本。つまり出産一時金の不足額を補填する内容です。
市長は「新しい制度の創設に力を入れた」と前日の質問者に答弁していました。それならば将来的には祝い金を引き上げるのか。再質問でただしました。
市長は「効果を見極めながら検討していきたい」としました。
東海第二発電所
いわき市の境界から約50㎞の東海第二発電所は、被害し日本大震災で非常用発電機などに浸水被害を受け、3日半の賢明な作業で、何とか冷温停止状態に誘導することができました。
この再稼働申請の動きが報じられたことから、申請をしないよう求めることをただしました。
行政経営部長は、「事故に対する市民の不安は拭い去れるものではない」としながら、「原子力行政は国が判断し、再稼働を認めるものと考えており、他県の原子力発電所再稼働の是非について評価する立場にはない」と答弁しました。
原発事故の危険という問題で見れば東電福島第一、第二原発の廃炉を求める立場と矛盾します。重ねて質問しましたが、答弁は変わりませんでした。
一律の損害賠償請求
東電福島第一原発の事故に対するいわき市民への一律の損害賠償は自主避難者等を除き、2011年4月22日で打ち切られ、その後は個別の損害賠償請求に応じるとされています。
この日に、事故後、政府が支持した原発から20㎞から30㎞圏内の屋内退避の指示が解除されました。しかし、市民の事故に対する不安はこの日で解消することはなく、この後、現在に至っても継続しています。
このため損害賠償を求める市民訴訟などが広がっており、市として一律の損害賠償の継続を求めるようただしました。
行政経営部長は、「いまなお福島第一原発の事故は収束しておらず、汚染水問題などトラブルも絶えない状況に多くの市民が不安を抱えているため、訴訟の提起や運動等を行うことは理解できる」とし、「これまでも賠償期間の延長など適正な倍賞を要望・申し入れてきたので、引き続き精神的損害の一律賠償の継続を求めていきたい」と答弁しました。
学校給食検査
学校給食の放射性物質の測定の問題を取り上げました。
食材検査は1㎏あたり20ベクレルを使用する基準にするため、下限値を概ね5ベクレルで測定し、10ベクレルを超えた場合ゲルマニウム半導体検出器で測定し、20ベクレルを超えないものを使用しているとしました。時間がなくて測定できない場合は使用しないと説明します。
また1食分を丸ごと検査する陰膳検査も実施しており、これまで放射性物質が検出されたことがないと答弁されました。
イノシシ
またイノシシ被害の問題では、新年度も今年度と同じく捕獲等数1,500頭分の報奨金が予算化されています。
しかし捕獲頭数は、今年は1,600頭が見込まれ、一方、農業共済の有害鳥獣被害の支払額が2009年度で約256万円だったものが、2012年度は約400万円と拡大基調にあります。
副市長は、有害鳥獣の捕獲は「全市的な課題になっている」と認識しながら、国が鳥獣保護法の改定を予定していることを踏まえて、「被害状況に応じた柔軟かつ適切な対応」としていきたいとしました。
今年度の捕獲実績に見合って来年度の捕獲報奨金を拡大することを、補正予算で対応するのかただしましたが、これには明確な答弁がありませんでした。
質問の冒頭は、安倍首相が「戦争できる国」に向けて集団的自衛権や靖国神社の参拝、秘密保護法、そして武器輸出三原則の改悪と、性急な動きを見せることから、これを批判し、市の友好都市の取り組みを活かすために領土問題を話し合いで平和的に解決することを求めました。た部分は昨日のブログに全文掲載した通りです。
友好都市の中国・撫順市
尖閣諸島問題では、日本が領有の正当性を各国に説明し、中国とは話し合いで平和的に解決するよう政府に求めることが、撫順市との交流の上からも大切との立場で問いかけました。
本市と撫順市の間では、現在、書写など文化交流は継続しているものの、友好都市30周年の関連事業が延期されるなど都市間交流はストップしている状況です。
清水敏男市長は、尖閣諸島の領有の話し合い解決を求めることには「国政問題の論評を控える」としながら、撫順市との交流は「文化交流を始め、友好関係が深められるよう取り組みたい」としました。
TPP
環太平洋経済連携協定・TPP交渉に関してアメリカは、大統領貿易促進権限法案で、農産物の関税をアメリカ以下にすることなどをうたっているので、妥結をしようとするなら日本が聖域を明け渡すしかない状況にあります。
市長は、全国市長会を通じて国益を守ることなどを求めてきたとしながら、「引き続き国の動向を注視」し「国民的合意形成の状況を見極めたい」と答弁しました。
一方、農業委員会会長は、「農業・農村に壊滅的な打撃を与え、食料自給率の低下や食の安全を脅かすことが危惧される」とし、「重要5品目の聖域確保ができないと判断した場合は、交渉からの脱退も辞さないとした衆参農林水産委員会決議を堅持すべき」と答弁しました。
再質問では、いわきの農業を守る立場で、少なくとも農業委員会会長と同様の考えを表明することを市長に求めました。
市長は「農業分野については強く国に要望したい」としながら、一方で「いわき市は東北一の工業出荷額という立場もあるので、そういった立場で国に適切な判断を下していただきたいと思っています」と答弁しました。
「ぎょっぎょっぎょっぎょっ」という答弁です。工業と農業を天秤にかけているように聞こえるのです。昨年の市長選で、市内に本社を構える世界的企業が、市長を応援したと聞いていますが、このためなのでしょうか。
答弁を聞きながら「これはつっこみどころ」と思いました。しかしその後も答弁が続き、また再々質問に立とうとしたその時、答弁が残っていると、あらためて別の問題で答弁に立つ市長。「つっこみどころ」の思いは、この答弁で上書きされ、つっこんだ質問を失念してしまいました。残りの質問時間は37秒ありましたが、未熟者でした。
公約
市長当選後に公約を変えた問題を市長にただしました。
市長は選挙時の公約は「市政運営を行っていく上での目標」とし、当選後に市長として個別事業を検討する際には「財源などを総合的に勘案する必要がある」という趣旨の答弁をしました。
市長選時と当選後を分けて考える答弁は「詭弁」と言わざるをえません。
市長は予算編成権を持っており、市長候補の公約には当然市民は実現の希望を持って投票します。これをいつかはやるという立場で受け止めることは、市民は何のために投票したのかが問われることになります。
特に昨年の市長選挙は、復興のスピードや進行中の新病院の建設計画など喫緊の課題が問われたわけで、これに関する公約が目標という言葉で片付けられるはずはありません。
再質問に市長は、「(選挙時の)公約、発言は4年間かけて達成すべき目標で、その市民的評価は選挙で結果が出るものだと思っている」と答弁しました。
選挙で評価がくだされることはその通りです。しかし、公約違反の事実に何ら変わりはありません。
出産祝金
また公約の関係では、新年度からスタートさせたいという「出産祝い金」も取り上げました。第1子に5万円、第2子6万5000円、第3子に8万円の祝い金が提案されています。
選挙では第1子に10万円、第4子以降は100万円という発言をしているのです。
提案された祝い金の額は、出産費用と出産一時金(出産時に健康保険から支給される費用)の差額が基本。つまり出産一時金の不足額を補填する内容です。
市長は「新しい制度の創設に力を入れた」と前日の質問者に答弁していました。それならば将来的には祝い金を引き上げるのか。再質問でただしました。
市長は「効果を見極めながら検討していきたい」としました。
東海第二発電所
いわき市の境界から約50㎞の東海第二発電所は、被害し日本大震災で非常用発電機などに浸水被害を受け、3日半の賢明な作業で、何とか冷温停止状態に誘導することができました。
この再稼働申請の動きが報じられたことから、申請をしないよう求めることをただしました。
行政経営部長は、「事故に対する市民の不安は拭い去れるものではない」としながら、「原子力行政は国が判断し、再稼働を認めるものと考えており、他県の原子力発電所再稼働の是非について評価する立場にはない」と答弁しました。
原発事故の危険という問題で見れば東電福島第一、第二原発の廃炉を求める立場と矛盾します。重ねて質問しましたが、答弁は変わりませんでした。
一律の損害賠償請求
東電福島第一原発の事故に対するいわき市民への一律の損害賠償は自主避難者等を除き、2011年4月22日で打ち切られ、その後は個別の損害賠償請求に応じるとされています。
この日に、事故後、政府が支持した原発から20㎞から30㎞圏内の屋内退避の指示が解除されました。しかし、市民の事故に対する不安はこの日で解消することはなく、この後、現在に至っても継続しています。
このため損害賠償を求める市民訴訟などが広がっており、市として一律の損害賠償の継続を求めるようただしました。
行政経営部長は、「いまなお福島第一原発の事故は収束しておらず、汚染水問題などトラブルも絶えない状況に多くの市民が不安を抱えているため、訴訟の提起や運動等を行うことは理解できる」とし、「これまでも賠償期間の延長など適正な倍賞を要望・申し入れてきたので、引き続き精神的損害の一律賠償の継続を求めていきたい」と答弁しました。
学校給食検査
学校給食の放射性物質の測定の問題を取り上げました。
食材検査は1㎏あたり20ベクレルを使用する基準にするため、下限値を概ね5ベクレルで測定し、10ベクレルを超えた場合ゲルマニウム半導体検出器で測定し、20ベクレルを超えないものを使用しているとしました。時間がなくて測定できない場合は使用しないと説明します。
また1食分を丸ごと検査する陰膳検査も実施しており、これまで放射性物質が検出されたことがないと答弁されました。
イノシシ
またイノシシ被害の問題では、新年度も今年度と同じく捕獲等数1,500頭分の報奨金が予算化されています。
しかし捕獲頭数は、今年は1,600頭が見込まれ、一方、農業共済の有害鳥獣被害の支払額が2009年度で約256万円だったものが、2012年度は約400万円と拡大基調にあります。
副市長は、有害鳥獣の捕獲は「全市的な課題になっている」と認識しながら、国が鳥獣保護法の改定を予定していることを踏まえて、「被害状況に応じた柔軟かつ適切な対応」としていきたいとしました。
今年度の捕獲実績に見合って来年度の捕獲報奨金を拡大することを、補正予算で対応するのかただしましたが、これには明確な答弁がありませんでした。
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