議員だよりの原稿を書きました。岩手県宮古市の子育て支援策について、インターネットで見つけた資料を読んで感じたことを記事にしました。昨夜深夜の作業、寝落ちしてしまって、朝、目覚めて慌てて作業を再開した記事ですが、どうぞご覧ください。
自治体の取り組みを活きたものにするために
地方から国にもの申すことが大事~宮古市の事例から考えました~
以前、岩手県宮古市の視察を市議団で話題にしたことがありました。宮古市が子育て支援でユニークな取り組みをしているという話を聞いたことがきっかけだったと思います。結局視察はなかったのですが、最近、ある事情をきっかけに調べるため、インターネットで検索をしてみました。いくつかの資料が入手でき読んでみると、興味深い内容でした。紹介してみると・・。(伊藤浩之)
見つけた資料は「地方自治体からの提案」。当時、岩手県宮古市の市長だった熊坂義裕氏が「社会保障国民会議」の「持続可能な社会の構築(少子化・仕事と生活の調和)分科会」で2008年5月21日に発言した内容でした。読んでみました。
少子化対策は、①子育て世代への支援、②次の子育て世代への支援、③子どもたちへの支援――が必要だとして、保育料の軽減や病後児保育、就学前医療の無料化など宮古市の取り組みを紹介しながら、国に子育て支援策の充実が必要と説きます。
その根本的対策は、「社会と家庭の安心感・幸福観」が大切との観点から、国に「安心感につなげる改革」を求めています。
一つ目に「雇用の安定と雇用条件」。その前提にやるべき条件として「現行法は守られているか」をかかげ、労働時間、サービス残業、産前産後・育児休暇などが適正に行われているかをあげたほか、家族経営を支える施策も提案しています。
また宮古市独自に、産業の振興にも力を入れ、企業立地奨励金などの活用で2004年度から3年間で9件の工場新築も果たしたようです。
二つ目に「保育施設の整備」。そして三つ目には「義務教育終了までは国が負担する」発想を持って、給食費や医療費も含めて自己負担なしを提言。四つ目には「こころを育てる取り組み」を求めていました。
その上で、「今こそダイナミックな改革が必要」として、「国民の合意と政治の決断」で、地方自治体に「財源と権限」を移譲することを求めています。
本市の施策はどうなのか。気にかかりました。そこで「新・いわき市子育て支援計画後期行動計画」を見てみました。
この計画は、「いわき市総合計画」の分野別計画に位置づけられ、子どもの健全育成を図る実効性ある対策を推進するとして策定されました。
その基本方針には、表現の違いはありますが、先の①から③までの宮古市と同様の理念をかかげています。
そしてそれに沿って具体的施策を展開しています。その内容全部を点検したわけではありませんが、目についた範囲ではほぼ同様に事業が展開されているようです。
いわき市の事例は市の計画、宮古市の事例は国に対する提言。比較した資料の性格の違いがありますので、そこに盛られた内容には違いが出るということを前提にしますが、「提言」に盛られた国に対する指摘――労働時間やサービス残業適正化などの労働環境の整備、義務教育終了までは給食費・医療費も含めて無料などの、自治体独自では財源や権限の問題で限界がある施策で、国にその責任を果たすことを求めていることが注目されます。
これはいわき市も含めて、どこの自治体も共通する認識ではないか、と思います。
例えば市の計画では「子育てしやすい雇用環境の整備」として、「育児休業制度の普及促進」「女子雇用環境の整備」「21世紀職業財団等の各種助成制度の周知」「家庭にやさしい企業の普及促進」「育児休業を取得しやすい職場づくりの啓発」という事業を列挙しています。
こうした施策ももちろん大切な取り組みですが、どんな施策を並べようとも、長時間労働のためにいつも片親が自宅にいない、という状況で、「子育てしやすい環境」とはとても言えません。
こうした面を、国がしっかり取り組んでこそ、地方自治体の取り組みが生き、その取り組みがめざす目的が達成する。すなわち本市の「子育て支援計画後期行動計画」の上位計画ふるさと・いわき21プラン」のまちづくりの方向である「心をつなぎ、支えあう」まちの達成ができると考えられるからです。
宮古市から国に発信した声。国が動かざるをえなくなるほど、全国の自治体から国に発信される。そのためにも、本市も国に対してもの申すことが大切だとつくづく感じました
自治体の取り組みを活きたものにするために
地方から国にもの申すことが大事~宮古市の事例から考えました~
以前、岩手県宮古市の視察を市議団で話題にしたことがありました。宮古市が子育て支援でユニークな取り組みをしているという話を聞いたことがきっかけだったと思います。結局視察はなかったのですが、最近、ある事情をきっかけに調べるため、インターネットで検索をしてみました。いくつかの資料が入手でき読んでみると、興味深い内容でした。紹介してみると・・。(伊藤浩之)
見つけた資料は「地方自治体からの提案」。当時、岩手県宮古市の市長だった熊坂義裕氏が「社会保障国民会議」の「持続可能な社会の構築(少子化・仕事と生活の調和)分科会」で2008年5月21日に発言した内容でした。読んでみました。
少子化対策は、①子育て世代への支援、②次の子育て世代への支援、③子どもたちへの支援――が必要だとして、保育料の軽減や病後児保育、就学前医療の無料化など宮古市の取り組みを紹介しながら、国に子育て支援策の充実が必要と説きます。
その根本的対策は、「社会と家庭の安心感・幸福観」が大切との観点から、国に「安心感につなげる改革」を求めています。
一つ目に「雇用の安定と雇用条件」。その前提にやるべき条件として「現行法は守られているか」をかかげ、労働時間、サービス残業、産前産後・育児休暇などが適正に行われているかをあげたほか、家族経営を支える施策も提案しています。
また宮古市独自に、産業の振興にも力を入れ、企業立地奨励金などの活用で2004年度から3年間で9件の工場新築も果たしたようです。
二つ目に「保育施設の整備」。そして三つ目には「義務教育終了までは国が負担する」発想を持って、給食費や医療費も含めて自己負担なしを提言。四つ目には「こころを育てる取り組み」を求めていました。
その上で、「今こそダイナミックな改革が必要」として、「国民の合意と政治の決断」で、地方自治体に「財源と権限」を移譲することを求めています。
本市の施策はどうなのか。気にかかりました。そこで「新・いわき市子育て支援計画後期行動計画」を見てみました。
この計画は、「いわき市総合計画」の分野別計画に位置づけられ、子どもの健全育成を図る実効性ある対策を推進するとして策定されました。
その基本方針には、表現の違いはありますが、先の①から③までの宮古市と同様の理念をかかげています。
そしてそれに沿って具体的施策を展開しています。その内容全部を点検したわけではありませんが、目についた範囲ではほぼ同様に事業が展開されているようです。
いわき市の事例は市の計画、宮古市の事例は国に対する提言。比較した資料の性格の違いがありますので、そこに盛られた内容には違いが出るということを前提にしますが、「提言」に盛られた国に対する指摘――労働時間やサービス残業適正化などの労働環境の整備、義務教育終了までは給食費・医療費も含めて無料などの、自治体独自では財源や権限の問題で限界がある施策で、国にその責任を果たすことを求めていることが注目されます。
これはいわき市も含めて、どこの自治体も共通する認識ではないか、と思います。
例えば市の計画では「子育てしやすい雇用環境の整備」として、「育児休業制度の普及促進」「女子雇用環境の整備」「21世紀職業財団等の各種助成制度の周知」「家庭にやさしい企業の普及促進」「育児休業を取得しやすい職場づくりの啓発」という事業を列挙しています。
こうした施策ももちろん大切な取り組みですが、どんな施策を並べようとも、長時間労働のためにいつも片親が自宅にいない、という状況で、「子育てしやすい環境」とはとても言えません。
こうした面を、国がしっかり取り組んでこそ、地方自治体の取り組みが生き、その取り組みがめざす目的が達成する。すなわち本市の「子育て支援計画後期行動計画」の上位計画ふるさと・いわき21プラン」のまちづくりの方向である「心をつなぎ、支えあう」まちの達成ができると考えられるからです。
宮古市から国に発信した声。国が動かざるをえなくなるほど、全国の自治体から国に発信される。そのためにも、本市も国に対してもの申すことが大切だとつくづく感じました
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