面白く分かりやすい憲法落語・八法亭みややっこさん

　浜通り医療生協のまちづくり委員会が主催した八法亭みややっこさんの憲法落語を聞いてきました。
　いわき市文化センターの会議室はいっぱいで、みややっこさんの語る憲法に、笑ったり、泣いたり（あっ、そんな人はいなかったか）、感心したり、声を枯らした熱演に聞き入っていました。



　みややっこさんの本職は弁護士。ウィークデイは弁護士の業務をこなし、日曜・休日に依頼を受けて憲法落語を語っているとか。きっかけは、新日本婦人の会の基礎組織・班から憲法について講演を頼まれたことだったとか。事前に寄せられた質問に「憲法は生活にどう役だっているんですか」などとあったものだから、これに弁護士としてまともに答えると説教くさくなるので落語の語り口で説教くささをなくそうと考えて、落語調の憲法講演をはじめたのだといいます。

　演題は、「歴史に学び、未来を志向する日本国憲法」。
　憲法とは何かを、聖徳太子が制定したといわれる「十七条の憲法」から語り始め、日本国憲法の制定で国民主権や三権分立まで到達したことを説明。日本国憲法の中心的な理念は第十三条「全て国民は、個人として尊重される」、すなわち“好きなように生きる”ことを国民に保障しているところにあり、自由と国民主権（民主）の保障に加え、平和主義がなければ国民は幸せではないと気づいたところに、日本国憲法の先駆性があると指摘しました。なるほど、なるほど、です。



　さらに大日本帝国憲法下では、自由も、民主主義も、国民は享受できなかったことを、例えば姦通罪は女性にだけ適用されたのは、男性が徴兵されても妻の浮気が許されない仕組みにすることで、男性を戦闘に集中させるためであったことなどで説明しました。

　また、自民党の改憲草案は、その中にある「公益及び公の秩序」という文言を「安倍様の好み」に置き換えればよく分かると、改憲草案の第12条の「国民は、これを乱用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」を例に説明しました。

　「公益及び公の秩序」とは何を意味するのかは時の政権の考え方によって変わることから、ここを「安倍様の好み」と置き換えると、確かによく分かります。さらに加えれば、政府に批判的な言動や行動は「安倍様の好み」ではないので、こうした自由は許されないということにもなってきます。

　最近、ニュースステーションで元通産官僚の古賀誠がコメンテーターから外れました。その理由が取りざたされていますが、政権側からの圧力にテレビ局や番組が屈したためと、本人が暴露しています。彼にとどまらず、テレビから政府に批判的なコメンテーターが姿を消していると指摘されています。こうしたことから考えると、人権・民主主義が「安倍様の好み」で規制される社会のあり様がくっきり見えてきます。

　そしてこうした人権抑圧の憲法を、102条では国民に対して擁護することを義務付けをしています。同時に102条では、現行憲法では天皇にも課している憲法尊重義務から「天皇及び摂政」を外す内容に変えようとしています。天皇を超憲法の存在としてしまい、天皇に大日本帝国憲法下と同じような位置づけを与えようとしているわけです。

　そして自民党がねらう憲法9条の改悪。みややっこさんは、「海外に輸出をするなら憲法９条の平和主義。いわきからその声を上げていきましょう」と呼びかけていました。

　終了後ネットで検索すると、みややっこさんの高座を動画で配信しているページもありました。ユニークな講座（講演）なので、どうぞご一読・・いやいや動画は読めませんね・・「ご一見」ください。