伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

和紙の材料・コウゾの黒皮削り

2021年01月13日 | 遠野町・地域
 朝の愛犬の散歩に出かけた。
 道路は凍結し、たくさんの菊模様で埋まっていた。



 走行する車は慎重にその上を走って行った。

 和紙の材料づくりは入遠野地区の遠野和紙工房「学び舎」で行われる。自宅からだいたい7㎞程あるのだろうか。車で向かった。途中、3回はタイヤが滑った。やはり凍結路はやっかいなもの。

 学び舎での作業は、前年までに終えていたコウゾから剥いだ皮の表皮にあたる黒皮の剥ぎ取りで、私にとっては初体験。藁で編んだ剥ぎ取り台と包丁を使いながら黒皮を剥ぎ取り、内側の白皮を取り出していく。



 これがなかなか大変な作業。黒皮に切れ目を入れ、包丁でそぎ落としていくのだが、一度の作業できれいに白い皮を残せるわけではない。黒い皮の下にある、緑がかった薄皮を落としてはじめて白皮が現れる。また、もともとのコウゾの枝の状態により黒いしみが白皮に残っていたり、黒皮を干している過程でカビが生え、白皮が青や紫色に変色している場合がある。こうしたものを取り除くために2度3度と皮の繊維をそぎ落とし、どうしてもとれない汚れは切り落としていく。

 こうして最後に残ったのが最初の写真の白皮だ。

 この白皮を和紙にするためには、乾燥の後、再度水にさらすなどしながら塵をとり、繊維を取り出すなどの作業があるよう。和紙作りの大変なところはこの作業工程が基本的には人の手によって進められることがあるだろう。しかし、その苦労の結果、肌触りが暖かく「1000年持つ」(実際には製造方法等で異なるようですが)といわれる丈夫な和紙ができあがるのだから、手をかけただけの価値はあると言えるだろう。

 本日は6㎏のコウゾの皮を白皮にした、14人程が作業にかかり、2時間強で作業を終えた。この作業がしばらく続き、次年度に製造される遠野和紙の材料になる。作業は大変だが関心のある方は、ぜひご一報を。


 さて、昨日の積雪と雨でお湿りを得、かつ氷点下となった今朝は霜景色で明けた。





 朝日を反射してキラキラ輝く景色はとても美しい。宝石をちりばめた景色を楽しみながらあるいた。





 枝の水滴は落ちることもできず、そのままの形で凍り付いていた。



 霜で凍てついた枝々。赤く花芽をつけた梅の枝も白く染まっていた。



 寒かろうに、可哀そうにも思うが、こうした寒さの積み重ねが、花が咲き葉が茂る、喜びの季節を準備していくのだろう。そう考えると、枝に向かって声援の一つも送ってみたくなる。寒さに負けずがんばれ、と。


 午後の空に轟音が聞こえた。フライトレーダー24で確認すると、4基のプロペラを備えた民間機の貨物機、軍で言えば輸送機のようだ。行先は不明となっているが、東方より飛来し西南の空に消えていったようだ。このコースは、国内なら名古屋か、もしかしたら羽田。国外ならば韓国方面と考えられる。

 この航空機の運行は、米国アラスカ州アンカレッジに本拠を置くリンデン・エアーカーゴで、米軍関係の輸送に従事しているらしい。運行している機体はロッキードL382Gヘラクレス。米軍で使用されている場合はC130ハーキュリーズとなるようだ。ハーキュリーズは、ヘラクレスの英語読みだとか。軍の活動が民間会社に支えられて展開され、軍事行動と経済活動の境界が問題となり、報道等もされてきたことがあるが、今日の機体は軍事と経済の境界‥塀の上を渡っていたようだ。

 轟音に気付いて戸外で空を眺めた時には、すでに西方の空に消えた後だったよう。長く続く轟音は低空をゆっくりと飛行している証と思う。貴重な場面を記録できなかったのは返すがえすも残念だ。

 その西方の夕方の空には彩雲が流れた。




 


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