伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

紙漉き体験、草刈り

2023年09月05日 | 遠野町・地域
 上遠野中の遠野和紙の学習は、毎年行われているようで、おそらく文化祭の授業発表で学の成果が発表されることになるだろう。昔にその発表を拝見したことがあるような気がする。

 生徒は、協力隊員が講師の座学では、遠野和紙の歴史や製造過程などを学び、紙漉きでは通常のハガキと模様入りハガキを好き上げた。

 当日の準備段階で、楮の白皮の打解(叩解=こうかい)をした。
 打解は、和紙の材料となる繊維を作る紙漉きの前段の作業。保存会の作業であらかじめ作られていた楮の白皮(乾燥状態で保管)を、一晩程水に浸けて戻し、炭酸ナトリウムを加えて煮込む煮熟という作業をする。この作業で皮の汚れや塵を取り去るとともに、柔らかくして繊維化を容易にする。この後、水に浸けた皮から残った汚れや塵をとる塵取りという作業をして、きれいになった皮を木の棒や木槌で叩く。皮の繊維を解きほぐす作業だが、2kg程を2時間程かけて木槌で叩いた。

 皮を叩く。

 広がった皮をたたむ。また叩く。
 15分程度この作業を繰り返すし、だいぶほぐれてきた。



 厚さの厳しい時期にこの作業をしたことはなかったのだが、けっこう汗をかく。
 準備の最終段階で、打解した皮をビータという機械にかけて繊維化する。昨日、協力隊員が作業して今日を迎えていた。

 さて、この間の保存会は、楮畑の草刈り作業にいそしんだ。





 8月23日、24日の作業の様子だ。成長の良い畑は、枝が3m程に伸び、作業する会員は緑の中に埋もれてしまう。
 2日間の作業では、管理する畑全ての草刈りを終えることができなかった。暑すぎる。1つの畑で30分から40分作業する。暑さで火照る身体のクールダウンをはかるため、休憩時間を多めにとる。通常より作業に時間がかかる理由だ。残りの畑は作業日を追加して終らせたようだ。私は日程を勘違いしてしまい、その日の作業には参加しなかった。

 加えて9月3日には八潮見城探検隊が、遠野町上遠野にある八潮見城跡をめぐる散策路の草刈り作業をした。八潮見城跡には当時の石垣や井戸跡などの遺構が残る。跡地だけでなく、遺構が残る城跡は市内でも珍しいという。

 散策路は、いわき市立上遠野公民館から救護施設やしおみ荘脇の農道を通って山に入り、城跡を経て八幡神社に下山する。一生懸命歩いて1時間数十分程度の行程となるだろうか。草刈りの行程は逆の行程をたどるが、この道程を草刈り機を背負って草を刈りながら歩く。午前9時から11時30分頃までかかってほぼ全行程の草刈りを終えた。




 八潮見城跡前の展望台からは、上遠野から根岸にかけての遠野町や遠く小名浜マリンタワーなどいわき市の海岸線も眺望できる。この眺望が八潮見の名の由来になっているようだ。

 この日は幸い、それまでの日々より気温が下がり、おまけに、林の中、すなわち木陰をめぐる行程になるため、暑さでえばるようなこともなく、参加した11人とともに無事に任務を完了することができた。

 数ヶ月後に、障害物を取り除くための作業を計画するという。

 これから秋にかけて、和紙・楮保存会の活動も、八潮見城探検隊の活動も、例年通りならいろんな行事が入ってきそうだ。
 暦の上では秋。この夏のことを考えると、心地良い気候の中で行事に取り組めるので、やってくる秋の日々が楽しみだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿