伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

建設水道常任委員会視察の「みやまスマートエネルギー株式会社」を聞いて思う

2016年01月25日 | 原発・エネルギー
 きょうはもしかして今シーズンで最も寒い日なのかもしれません。

 午後6時頃、信号待ちで停車した際、車載温度計が1度から0度に変わりました。今回の冬季に、この時間でここまで温度が下がったことはないと思います。

 自宅に帰ってからの室内の気温も、ストーブをつけているにもかかわらず低く、パソコンに向かっている部屋の隅では膝にかけた薄い毛布の外に冷たさを感じる程です。

 明日の朝にはもっと冷えるのだろう。そんなことを考えると、朝の犬の散歩が憂うつになってきます。

 それはともかくとして、先週、建設水道常任委員会が視察した、福岡県みやま市の「みやまスマートエネルギー株式会社」のお話を、同僚議員から聞きました。ざっと聞いた話で、直感的なものにすぎませんが、自治体がとるべきエネルギー政策はこれだ、なんて印象を持ちました。

 というのも、原発を全て廃炉にすることを決定したドイツで、2013年5月に、太陽光や風力及びバイオマスなど再生可能エネルギーでの自給自足の取り組みを学んだ際(もちろん自己負担です)に、同国での電気エネルギー供給はもともと自治体ごと供給公社のようなものがあって、自治体単位で行われているため、エネルギー自給の状況が分かりやすいと聞いてきました。

 ところが日本では、地域資源を活用したエネルギーである再生可能エネルギーも、全て、東北電力など電力会社に買い取られたうえで配電されるため、自給自足の実態が分かりにくいのです。規制緩和で新規の売電会社が進出しても、状況は変わらないでしょう。

 いわき市は、原発事故直後の数週間、市民が10数万人規模で他の自治体に避難したと言われています。確かにその頃、道路を走る車がほとんどなかったことを記憶しています。

 この経験に学んで本市は、2011年9月に策定した「いわき市復興ビジョン」の「理念5」を「 原子力災害を克服するとともに、再生可能エネルギーの導入を推進し、原子力発電に依存しない社会を目指す復興(挑戦)」として、その本文には「将来的には、原子力発電に依存しない社会の実現を目指します」という考えを織り込んでいます。

 確かに、太陽光発電施設の設置に対する補助や洋上風力発電など、本市としての取り組みはありますが、この取り組みで「原子力発電に依存しない社会の実現」に着実に前進しているのかどうか、それはなかなか分かりにくい。単なる理念で終わりかねません。

 こうした取り組みを理念として終わらせず、実現する上では、エネルギーの地産地消という観点を検証できる仕組みはとても良いと感じ、みやま市の取り組みは大いに参考になるように感じたのです。

 具体的な事業内容は、みやま市、株式会社筑邦銀行、九州スマートコミュニティ株式会社の出資によって設立したスマートエネルギー株式会社が太陽光発電による低電圧電力を、九州電力の買取価格より1円高く買い取ることと、2016年8月からは売電事業もはじめようというもの。こうすることで、エネルギーの地産地消の状況は一目で分かるものになり、巨大な発電力を頼りに遠距離の発電に頼る現在のエネルギーのあり方から大きく転換する可能性が生まれてくる。そんなことを感じる事業です。

 いわき市で原子力エネルギーに依存しない社会と言っても、具体的な事業展開では遠い遠い未来の話にしかならないように感じます。エネルギーの地産地消をすすめるこの事業はとても魅力的に感じます。よく学んでみる必要があります。この視察は私も行きたかったな(所属委員会が違うので無理)。まずは手に入る範囲の資料で良く学んでみたいと思います。


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