伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

障がい者の仕事づくりに感動覚えた視察でした。いわき障がい者職親会

2014年01月16日 | 活動報告
 きょう午前中に、原発廃炉などを求める100万人署名のお願いなどで歩き、午後から昨年12月20日頃までに、と言われていた記事の原稿を書いています。もう期限を1ヶ月も過ぎますが、催促もないので、この原稿がなくても雑誌に穴があくということもないのでしょう。少し煮詰まったので、気分転換にブログを更新しようと思います。




 実は昨日、15日のことですが、いわき市障がい者職親会が主催して、障がい者の雇用に取り組んでいる事業所の視察と懇談が行われました。年2回取り組まれていますが、久々、そう2年ぶりの参加になったと思います。職親会は障がい者の雇用拡大をはかる活動をしている団体で、毎月の学習会、年2回の職場視察などの取り組みを展開しています。

 かつて参加して訪ねたのは記憶にある限りで、地元本社のスーパーマーケット「マルト」、やはり地元本社の女性向けカジュアル衣料品の企画・小売りの「ハニーズ」などでしたが、今回、訪ねたのは溶液栽培でトマトを生産している「あかい菜園」と、「アイエスエフネットいわき」の2社でした。

 あかい菜園ではパートを含め25人のうち2名の精神(発達だったかも)障がい者を雇用しているといいます。勤続年数は3年と1年だそうですが、肉体的労働が伴う同社では、身体に障がいを持つ方は難しいので、その適性を見たうえで採用しているといいます。いずれも熱心に働いており、働いてもらう上での問題は何もないという実感を持っていると言っていました。

 同社の場合、原発事故の影響も多少あり、以前は屋根に降った雨水をためて事業に活用していたそうですが、原発事故があったために水道水に切り替えたのだそうです。雨水を測定して問題がないということは分かったのだそうですが、やはり風評が怖いということがその理由だったようです。

 栽培するトマトは複数種類あり、7月植え替えで同じ木から1年間で数回の収穫をするそうです。その木は最終的には20mにもなるのだということは驚きでした。帰りに少しお土産にミニトマトを購入しましたが、とても美味しいトマトでした。下の写真は、同菜園で収穫したトマト。まるで宝石のようです。



 次に訪ねたアイエスエフネットいわきは、IT産業で企業し、現在では様々な職種にグループを拡大している企業です。グループで約3,000人いる従業員のうち、3分の1に当たる約1,000人が障がい者などだと言います。

 このような事業体になってきたのは、当初ITで起業して従業員募集をしたものの、応募してくる方は必ずしもITに強い人ばかりでなかったそうで、それならばITに強いかどうかで採用するのはやめようと、履歴書を見ないで従業員の採用をすすめたそうです。その結果、その人にあった仕事を作り出して利益を上げる方向に業務を拡大していった結果、時短型在宅勤務を提供する会社、障がい者専門の人材紹介業や雇用草々しゅるをする会社など、様々な分野に業務を拡大していくことになったようです。

 例えばこんな話をしていました。

 障がいを持っているために一般的に働くことが困難な人だが、書道に卓越した技能をもっている人がいるそうです。作品は1枚数千円で売ることができるものであっても、障がい者の枠内での販売になると、障がい者団体の催すバザー等での販売ということになり、そこから生活していくだけでの収入を得ることは困難になる。ところが、この人が書く文字を、名刺の名前に使って、その名刺に使うための文字を5,000円で請け負うということになり、かつその名刺が商品として認められ、受注が増えれば、この人がまとまった収入を得ることができるようになる。

 こういう考えのもとに商品開発をしたり、仕事起こしをしたりして、どんな障がいを持つ人でも25万円の収入を得られることを目標にしているというのです。

 25万円という収入目標は、障がい者の親から「私たちが死ねば、この子は生きていくことができない。この子より一日でも長く生きたい」という声をよく聞くため、親がいなくても独立して生計を維持できる金額として生まれ者だということでした。

 この会社では、障がい者だからということで、戦力が小さいとは考えず、一人前の労働力と考えているし、むしろ大きな労働力だと考えているようでした。その障がい者の持つ特性や技能に合わせて、労働力を引き出すことができる仕事を作り出していこうとしていることが、感動的でもありました。

 いずれも障がい者も健常者もいっしょに働き、生きていこうとがんばっている会社でした。お忙しい中、ご説明等いただいたことに感謝します。


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