地元産の食材に関して「プルトニウム(Pu)やストロンチウム(Sr)、トリチウム(H-3)が心配だ」という声がありました。
放射性セシウムに関しては、20Bqを超える食材は提供しないという考えで、検出限界5Bqで測定できるベクレルモニターを使用し、10Bqを超える食材(いずれの数値もセシウム134と137の合算値)はゲルマで測定した上で、食材として使うかどうかの判断をしていることを11日のブログに書きました。ゲルマで一品一品を測定してはいないものの、セシウムによる被ばくを軽減するために「かなり慎重な対応をしているように思える」とお知らせしました。
PuやSrの摂取状況はどうなのか。ツイッターでアドバイスもいただきながら資料を探ってみると、測定の実績がありました。福島県が日常食の核種調査をしたデータです。
日常食とは、各家庭で日常の食卓に上っている食事1日3食分に加え、飲料、外食など調査対象者が飲食した物を言います。この中で使われた食材一つひとつの産地は、未記入もあり全体が明らかではないと、担当者は言っていました。しかし、例えば「いわき産のコメ」という記述もあったと言いますから、地元産の食材を使った食事が含まれていることは間違いないでしょう。
測定にあたっては、これらを混合・撹拌して測定試料(1日の食事が少ない場合は数日まとめて試料とし、1日当たりの食事量を算出した)としていますが、昨年の5月9日の第1期調査及び第2期から第4期調査の結果が、福島県のホームページで公表されています。アドレスは以下の通り。
福島県における日常食の放射性物質モニタリング調査結果
(放射性ストロンチウムとプルトニウム)―平成25年5月9日―
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/nitijyousyoku2013-0509.pdf
福島県における日常食の放射性物質モニタリング調査結果 ―平成25年7月18日―
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/nitijyousyoku2013-0718.pdf
さてその測定の結果です。第1期から第4期まで追跡した調査を見ると、検出がゼロではないということが分かります。第1期分ではすべて不検出(ND)でした。ところが追跡調査した第2期から第4期分では2度にわたりSr-90が検出されているのです。1度は、第2期におけるいわき市の13歳以上の調査対象で0.053Bq(検出下限値は0.032?)が、もう一度は県北のやはり13歳以上の調査対象でSr-90が0.023?(検出限界値0.022)です。Sr-89及びPuの検出例はありません。
また検出されたSr-90の測定値の分布で見ると事故前の全国の測定値の最高レベルクラスとなっています。調査結果はその評価を次のようにしていました。
「第2期から第 4 期調査の日常食を仮に 1 年間食べ続けた場合、摂取されるス トロンチウム 90 による内部被ばく線量(預託実効線量)を試算すると、0.00094mSv~0.0012mSv でした。この値は、国が示した「放射性物質を含む食品からの被ばく線量の上限(年 間 1mSv)」と比較して十分低い値でした。また、日本人が、もともと食品中に含まれる自然放射性核種(カリウム 40 等)から受ける内部被ばく線量(年間 0.98mSv)と比較しても十分低い値でした。」
被曝量は十分に小さいという状況のようです。一方で、データが少ないことと、県内産食材の使用実態が必ずしも明確ではないという現実があるので、その点をはっきりさせた調査を重ねて行っていくことが必要なようにも思います。そうすることで、不安を覚える方を含めて市民のみなさんの安心感を高めていくことにつながると思うのです。その実施を求めていきたいと思います。
もう一点、事故に伴う放射性物質の放出量の推定ですが、放射性のセシウムであるCs137と134の合算量(3.3×〈10の16乗〉)との比較で、Sr89と90の合算量が(2.14×〈10の15乗〉)で約15分の1、Pu238、239、240、241の合算量(1.2254×〈10の12乗〉で約2万6,930分の1となります。この計算の元は、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に係る1号機、2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について」(http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110606008/20110606008-2.pdf)の表5で、これをもとにした私の計算に間違いがなければですが・・。
放出量から推定できるのは、Csに比べてはるかに少ない値だということです。汚染の状況が小さければ、農産物に対する影響も小さく、人体に取り込まれることがあってもごく少ない量と考えて差し支えないように思うのですが、どんなものでしょう。
過去の大気中核実験の影響に加え今回の放出での土壌における放射性のSrとPuの汚染状況については、以下のアドレスにあります。しかし、いわき市内からのサンプルはいまだ測定中ということで、結果の公表が待たれます。
福島県原子力発電所環境放射能測定結果(平成25年度(10月) 測定分)
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/20131227_10kekka.pdf
放射性セシウムに関しては、20Bqを超える食材は提供しないという考えで、検出限界5Bqで測定できるベクレルモニターを使用し、10Bqを超える食材(いずれの数値もセシウム134と137の合算値)はゲルマで測定した上で、食材として使うかどうかの判断をしていることを11日のブログに書きました。ゲルマで一品一品を測定してはいないものの、セシウムによる被ばくを軽減するために「かなり慎重な対応をしているように思える」とお知らせしました。
PuやSrの摂取状況はどうなのか。ツイッターでアドバイスもいただきながら資料を探ってみると、測定の実績がありました。福島県が日常食の核種調査をしたデータです。
日常食とは、各家庭で日常の食卓に上っている食事1日3食分に加え、飲料、外食など調査対象者が飲食した物を言います。この中で使われた食材一つひとつの産地は、未記入もあり全体が明らかではないと、担当者は言っていました。しかし、例えば「いわき産のコメ」という記述もあったと言いますから、地元産の食材を使った食事が含まれていることは間違いないでしょう。
測定にあたっては、これらを混合・撹拌して測定試料(1日の食事が少ない場合は数日まとめて試料とし、1日当たりの食事量を算出した)としていますが、昨年の5月9日の第1期調査及び第2期から第4期調査の結果が、福島県のホームページで公表されています。アドレスは以下の通り。
福島県における日常食の放射性物質モニタリング調査結果
(放射性ストロンチウムとプルトニウム)―平成25年5月9日―
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/nitijyousyoku2013-0509.pdf
福島県における日常食の放射性物質モニタリング調査結果 ―平成25年7月18日―
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/nitijyousyoku2013-0718.pdf
さてその測定の結果です。第1期から第4期まで追跡した調査を見ると、検出がゼロではないということが分かります。第1期分ではすべて不検出(ND)でした。ところが追跡調査した第2期から第4期分では2度にわたりSr-90が検出されているのです。1度は、第2期におけるいわき市の13歳以上の調査対象で0.053Bq(検出下限値は0.032?)が、もう一度は県北のやはり13歳以上の調査対象でSr-90が0.023?(検出限界値0.022)です。Sr-89及びPuの検出例はありません。
また検出されたSr-90の測定値の分布で見ると事故前の全国の測定値の最高レベルクラスとなっています。調査結果はその評価を次のようにしていました。
「第2期から第 4 期調査の日常食を仮に 1 年間食べ続けた場合、摂取されるス トロンチウム 90 による内部被ばく線量(預託実効線量)を試算すると、0.00094mSv~0.0012mSv でした。この値は、国が示した「放射性物質を含む食品からの被ばく線量の上限(年 間 1mSv)」と比較して十分低い値でした。また、日本人が、もともと食品中に含まれる自然放射性核種(カリウム 40 等)から受ける内部被ばく線量(年間 0.98mSv)と比較しても十分低い値でした。」
被曝量は十分に小さいという状況のようです。一方で、データが少ないことと、県内産食材の使用実態が必ずしも明確ではないという現実があるので、その点をはっきりさせた調査を重ねて行っていくことが必要なようにも思います。そうすることで、不安を覚える方を含めて市民のみなさんの安心感を高めていくことにつながると思うのです。その実施を求めていきたいと思います。
もう一点、事故に伴う放射性物質の放出量の推定ですが、放射性のセシウムであるCs137と134の合算量(3.3×〈10の16乗〉)との比較で、Sr89と90の合算量が(2.14×〈10の15乗〉)で約15分の1、Pu238、239、240、241の合算量(1.2254×〈10の12乗〉で約2万6,930分の1となります。この計算の元は、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に係る1号機、2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について」(http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110606008/20110606008-2.pdf)の表5で、これをもとにした私の計算に間違いがなければですが・・。
放出量から推定できるのは、Csに比べてはるかに少ない値だということです。汚染の状況が小さければ、農産物に対する影響も小さく、人体に取り込まれることがあってもごく少ない量と考えて差し支えないように思うのですが、どんなものでしょう。
過去の大気中核実験の影響に加え今回の放出での土壌における放射性のSrとPuの汚染状況については、以下のアドレスにあります。しかし、いわき市内からのサンプルはいまだ測定中ということで、結果の公表が待たれます。
福島県原子力発電所環境放射能測定結果(平成25年度(10月) 測定分)
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/20131227_10kekka.pdf
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