伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

元の生活をかえせ原発事故被害いわき訴訟の第1回口頭弁論

2013年09月20日 | 原発
 いわき市で原発事故をおこした東京電力と国を相手取り、損害賠償請求を通じて原発事故の責任を問い、安心できる暮らしと安全な地域を取り戻すことを求める「元の生活をかえせ原発事故被害いわき訴訟」の第1回口頭弁論が19日、福島地裁いわき支部で行われ、夜はいわき市文化センターで裁判の報告集会が行われ約150人が参加しました。事件番号は「平成25年(ワ)第46号」。

 口頭弁論は午後2時からでしたが、それに先立ちいわき支部近傍の飯野八幡宮広場で集会を行った後、約90名がデモ行進をしながら地裁をめざしました。抽選に運良くあたったことから口頭弁論の傍聴に入りました。

 いわき市民と弁護団総勢約20名が原告席に着き、国と東電・被告弁護団約20名が被告席に着き、「時間はまだ早いですが、揃っているようですから初めて良いですか」と裁判長が開廷を宣言しました。

 原告側からは原告4人と弁護団から2人が意見陳述を行いました。
 3人の子の母親という女性は、出産したばかりの子を連れて不安の覚えながら避難し、長男の中学校入学を控えて「人生最大の苦渋の決断」をしていわき市に戻ったことなどを語り、子どもたちから豊かな環境を奪ったことの責任の重さを国と東電にわかってほしい、と訴えました。

 また小名浜で仕事をしているという男性は、カツオやサンマが水揚げされず、野菜や山菜を安心して食べることができないなど当たり前の日常を奪われたことを語りながら、「お金では到底埋められない損害が誰の責任で生じたものなのか、訴訟を通じて明らかにしていただきたい」と裁判長に訴えました。

 アレルギー疾患を持つ子どものいるという女性は、避難先での生活の苦労と避難のために仕事辞め働きがいと生きがいを失った喪失感などを語り「『ふるさと』にいながら『ふるさと』を失った思いを国や東電にご理解いただきたい」と訴えました。

 原告団の団長の伊東達也さんは、原発事故直後多くの市民が避難し、放射能被曝で検討と安全が脅かされ、いまなお精神的苦痛が続いているとして、日本の歴史上、最大・最悪の公害だとして、「歴史的問題に対して構成で歴史に耐えられる判断をくだされるよう強く求めます」と訴えました。

 夕方開かれた報告集会で弁護団は、国・東電は全面的に争う姿勢でいることを説明。国側は、事故初期の情報伝達をしなかったという原告の申し立てを否定、継続的低線量被曝の健康への悪影響はない、原発の安全対策も十分とってきたなどと主張しているといいます。

 東京電力は、いわき全域の線量を事故前にもどせという請求は、方法がなく実効性がないと請求棄却を求め、事故に対する過失も否定し不法行為を否定し審議そのものを必要ないものと主張しているといいます。

 裁判の次回期日は11月21日で、以後2014年1月23日、3月19日、5月21日、7月23日と6回の口頭弁論の予定が入っているといいます。




 元の生活を返せ原発事故被害いわき訴訟は、慰謝料として一人25万円に加え廃炉措置が完了するまで毎月3万円の支払いなどを求めることを通じて、原発事故の責任を国と東電に求めようというもので、第1次訴訟には336世帯822名が参加しました。引き続き11月21日に第2次提訴を行うことを予定しており、市民に原告として参加することを呼びかけています。現在までに約260名が参加しているといいます。ブログを読まれている方もぜひご参加ください。




 元の生活を返せ原発事故被害いわき訴訟の第1階口頭弁論期日の19日は十五夜。まん丸の月が空を煌々と照らし、夜空に輝くはずの多くの星を覆い隠していました。美しい月でした。


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