伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

遠野高校廃止決定を実感

2021年11月11日 | 学校教育
 遠野高校は、2017年に70周年を迎えているが、来年4月に湯本高校と統合し、その歴史に幕を閉じる。それが選抜枠の一覧から名前が消えた理由だ。

 統合後は、現在の湯本高校の校舎を利用し、名称を「いわき湯本高校」、1学年6クラスとして再出発する。ただし、現在、それぞれの高校で学んでいる生徒は、卒業まで、いわき湯本高校湯本校舎、同遠野校舎と名称を変える現在の校舎で学ぶ。現在の遠野高校の校舎は、今年の1年生が卒業する2023(令和5)年度まで存続することになるということだ。

 もともと、1948(昭和23)年に磐城農業高校の分校としてスタートし、遠野町や田人町等の地元に高校をの切望をうけ、63(昭和38)年に県立の普通科高校として出発。当初は、地元の中学校等を卒業した子ども達の受け皿としての役割を果たした。時代とともに、その役割は変わってきたが、市内の子ども達の高校教育の一翼を担い、近年は2学級80人の募集に対して1学級分の生徒の入学しかなかったものの、近年は、全ての生徒が進路を決定して卒業するなど、大切な役割を果たしてきていた。そこには、生徒と教員の距離が近く手厚い指導ができるなど、小規模校ならではの手厚い教育環境があった。

 また、地元遠野町の特産である遠野和紙に関わり、卒業証書を自分ですき上げる体験授業など、地域と連携した授業があった。今頃の季節だろうか、長距離走の大会があり、ランニングする生徒達を見かけるのも地域に生きる住民としては、1つの喜びであった。

 今回は統合といっても、これまでの湯本高校の募集が6クラス、遠野高校が2クラス、合計8クラスが、新高校では6クラスになることから分かるように、実体は遠野高校の廃校に近い。

 今後の問題は、こうした大切な役割を、どのように継続していくかにあるだろう。ここに通っていた子ども達のような生徒達が、安心して学び、進路を決めて無事に卒業させる。福島県教委・福島県は、このような高校づくりに、これまで以上に力を尽くす必要があるのではないか。そう思う。

 まあ、どこの高校でも、そのことに力を尽くしてきてはいるのだろう。しかし、その中でも、遠野高校ならではの役割があったということは何度か聞いてきた。生徒から見て、同様の役割を担えるようにするための学校づくりが求められていると思うのだ。

 なぜなら、遠野高校の進路決定状況を見ると、卒業生の半数以上が地元に就職し、地元産業を根っこのところで支える役割を果たしている。つまり、本市の未来の担い手が、この若者達だということになるのだ。こうした若者達が、きちんと学べる環境作りが、市の未来にとって大切なことはいうまでもない。

 報道からすれば、遠野校舎に来年度は新入生はやってこないことになる。高齢化と人口減少が進む地域の住民にとっても、一抹の寂しさを覚える事態であるだろう。そうし思いに応えるためにも、県教委、県の大いなる取り組みを期待したいところだ。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
統合後、校舎をいかに活用できるか (Unknown)
2021-11-18 08:24:42
県の取り組み・・・
期待できるのか?

新しい内田市長は、福島大学との連携なども謳っているので、遠野高校の校舎を使ってみてはどうか、などと考える次第です。
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統合後、校舎をいかに活用できるか (Unknown)
2021-11-18 08:24:45
県の取り組み・・・
期待できるのか?

新しい内田市長は、福島大学との連携なども謳っているので、遠野高校の校舎を使ってみてはどうか、などと考える次第です。
返信する
Unknown (伊藤浩之)
2021-11-19 11:40:51
統廃合は、けっきょく、少子化による子どもの減少に対する数あわせにしか見えませんものね。

しかしね、卒業生達がいわきを担う事を思えば、どの子もしっかり勉強できるようにしてもらいたいですものね。その責任を県にしっかりと果たして欲しいのですね。

また、閉校後の校舎活用は地元でも話題になり、いくつかの声がありますが、いろんな案を持ち寄って、より良い活用ができればいいですね。
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