伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

市長の「夢」と「公約」に違いなし / いわき市議会12月定例会一般質問 2

2017年12月21日 | 市議会
 いわき市議会12月定例会一般質問、その2です。

 ここでは、11月定例会に続いて、いわき市長選挙を前後しての市長の発言等について、その問題をただしました。

 なお、この議事録は公式のものではなく、あくまで、私が個人の責任で、記録映像から文字に起こしたものです。発言は正確に文字化したつもりですが、誤字・脱字は、後日見つけることがたびたびあります。ご容赦ください。

 その1もそうなんですけど、結構答弁が長い場面が多々ありまして、また、答弁が濁っているために、その内容の確認が必要な場面などもありまして、質問には戸惑いました。まぁ、一問一答式の一般質問の醍醐味というところなんですが、そのあおりで、通告していた質問は全て終了したのですが、最後のバス等の利用券の問題のところで、その質問のあとに関連して続けようとして質問をすることができなくなってしまいました。その意味では時間切れ、残念でした、です。

 発言の中で「丁寧な答弁ありがとうございます」などとお礼を言っているような場面は、映像で確認すると伝わると思うのですが、皮肉をこめた発言です。活字で額面通り受け取らないようお願いします。

 一般質問は、いわき市議会の議会中継で、映像でご蘭いただけます。

 リンクはこちら⇒ いわき市議会 議会中継



3 市長の発言について
(1)「夢」と公約について 
 
                                      

伊 藤
 でっ、次の質問ですが、市長の発言についてであります。その第1に、「夢」と「公約」という問題についておうかがいしたいというふうに思います。

 市長はこれまで、「夢」として語ることと、「公約」とは別のものだという趣旨の発言をされておりますが、選挙の際に市長が「夢」として語ったことはどのようなものだったのかおうかがいします。



市 長
 私は、先の市長選挙におきまして、さらなる50年の新時代に向けて、輝く“ひと”、魅力ある“まち”、豊かな“しごと”を実現し、市民の皆様からも、市外の方々からも「選ばれるまち」をつくるため、2期目の市長就任後は、いわきを元気にする「5つの元気プロジェクト」を推進するとともに、未来を担う若者をはじめ、市民の皆様が将来に夢を持てる「3つの夢プロジェクト」の実現に向けて取り組んでいくことを公約として掲げ、選挙戦を通じて訴えて参りました。 

 このうち、「震災からの復興・創生」や「医・職・住の深化」など、「5つの元気プロジェクト」につきましては、本市が直面する課題の解決や市民の誰もが「住んで良かった。住み続けたい」と思えるまちへと前進するための取組みを具体的にお示ししたもので、1期4年間で実現したいと考えている政策であり、「磐城平城の再興」をはじめとする「3つの夢プロジェクト」につきましては、1期4年間のなかで実現するためには課題も多く、今後、実現に向けて、市民のみな様をはじめ、様々な主体と課題を共有し、時間をかけて取り組まなければならない、言わば、中長期的な政策目標として掲げたものであります。

 このため、「3つの夢プロジェクト」につきまして、市民のみな様に私の意図するところを十分に理解していただき、夢を共有することができるよう、まちづくりの方向性や私が描く本市の将来像を“夢のあるプロジェクト”として、分かりやすく説明するとともに、これらの実現に向けて取り組む決意を述べてきたところであります。

伊 藤
 「夢」として何を語ったんですかという質問なんですが、今あげたのは市長の公約ですよね。2番目に通告していた質問に答弁にもなっちゃうような話になっているんですけど・・。

 それでは、今回の選挙で、どんな夢を語ったかというお話なかったんですけど、4年前の選挙で話されていましたミニ新幹線っていうのがありました。あれはですね、えー、平成25年10月定例会の西山議員の質問の中で見るとですね、「私の大きな夢」というふうに言っていますけど、じゃ、ミニ新幹線は「夢」だったんですね。

市 長
 私の夢として語らせていただいたものであります。

伊 藤
 選挙前に市長は、「夢として語ったことまで実現しろって言われるんでしょうか」という趣旨の発言、私、溝口民子議員といっしょに聞いていたんですけども、では、このミニ新幹線にはね、どのように対応してきたのか、簡単に説明してください。

市 長
 私が市長に就任いたしましてから、常磐線の利便性という点では、上野・東京ラインが開通して、これの常磐線乗り入れっていうことに全力を尽くしてまいりました。

 えーこれは、常磐線のみならず、高崎線、宇都宮線も乗り入れすることになっておりまして、常磐線の特急がすべて入れるとは、その時点では決まっておりませんでした。

 ですから、いわき市といたしましては、高崎線と宇都宮線には新幹線があるということで、常磐線には新幹線が通っていない、だからこそ特急電車全部乗り入れを最優先に要望して、それが限りなく実現されたもので、市民の利便性は飛躍的に向上したものと理解しております。

 また、ミニ新幹線につきましては、議員も理解していると思いますけれども、まずは新幹線の軌道がありまして、そこから在来線に乗って走るというのがミニ新幹線の定義でありますので、まずは新幹線の軌道がですね、例えば、つくばとか、水戸とか、そこまできて、その後にミニ新幹線で常磐線をというのが、大きな、大きな夢でありまして、これは4年、8年でできることではありません。10年、20年、30年かかってやっと新幹線が来たっていうのが、全国のどこの自治体でもあることでありますので、その夢に向かってかんばりますっていうような決意であります。

伊 藤
 やっぱり質問にまともに答えてくれないんですよね。どのように取り組みましたかっていう質問したんですよ。

 で、みるとですね、西山議員の会議録をみるとですね、ミニ新幹線に向けて取り組んだことが答弁されているわけですよ。

 例えば、水戸市、それから茨城県とね、ミニ新幹線の実現に向けて協議をしました。平成26年度には、その勉強会を開くための予算も組みました。こんなことが答弁書の中に出てきているわけなんですよ。

 すなわち、市長はミニ新幹線という「夢」、「夢」を語りながら、この「夢」について実現を目指したということですよね。どうでしょう。

市 長
 実現に向けてすすんでいるのは事実だと思っております。

 まずは、いわき市だけでできることは限られておりますので、常磐線沿線の自治体の協議というのも大事ですので、それについては逐次行っているところでございます。

 また、常磐線が今現在、仙台までつながっていないという現状も踏まえないといけないと思っております。

 そういう意味で、まずは、スピードアップ化というのをですね、JRの方に強く、たびたび要望しているところでございます。

伊 藤
 そうすると、4年前に語った夢については、今度の選挙の中では夢として語ってはいなかった。その代わりに常磐線のスピードアップ化というのを語ってきたというようなお話なんですよね。

 でっ、まっ、このスピードアップ化については「夢」ではなく「公約」という形でね、今回は示しているわけなんですけども、この夢を今回語らなかった。そこには何か特別の理由があるんですか。

市 長
 特別理由はありません。

伊 藤
 特別の理由がない。夢としてまだ持っていらっしゃるということはよろしいんでしょうかね。

 さて、この市長は「夢」であっても実現を目指したということでありました。それでは次に公約ということについて伺います。

 先程の一番最初の通告質問のところで答えられていたような気がするんですけど、11月定例会の答弁では「5つの元気プロジェクト」と「3つの夢プロジェクト」を掲げたうえで、市民のみな様に私の政策を訴えてきたと答弁されていますが、具体的に訴えた政策・公約とはどのようなものか、あらためてうかがいたいと思います。



市 長
 私は、市長就任以来、「明るく元気ないわき市の創造」を目標に掲げ、全力で取り組んで参りましたが、2期目を目指す市長選挙にあたりましては、復興から創生への道筋をつけるという私の使命を果たし、市民のみな様の期待にしっかりと応えるため、第1に、「震災からの復興・創生」として、被災された市民のみな様の早期生活再建をはじめ、原子力災害からの脱却などに、引き続き、最優先で取り組むこと。

 第2に、『「医・職・住」の深化』として、地域医療の充実、企業誘致と雇用の場の創出、安全・安心な共助社会の実現など、医療、職・雇用、住環境への対応に、これまでにも増して積極的に取り組むこと。

 第3に、「子育て・教育先進都市の実現」として、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のないサポート体制を構築し、安心して出産・子育てができる環境を整備することに加え、教育環境の充実強化を図り、将来にわたり、いわきで活躍する人財の育成に取り組むこと。

 第4に、「所得の増大」として、中小企業・小規模企業の経営基盤の強化をはじめ、農林水産業の高度化、バッテリー産業や廃炉・ロボット産業などの新たな産業の集積を図るなど、様々な産業の振興を通じて企業や団体、家計の収入増に取り組むこと。

 第5に、「共創のまちづくり」として、市民の皆様をはじめ、あらゆる主体と市が、互いに持てる知恵と資源を結集し、地域の課題解決や新しい価値の創造に向けて取り組むことを、「5つの元気プロジェクト」として掲げたところであり、2期目の任期において、具体的な取組みに着手してまいりたいと考えております。

 さらには、未来を担う若者をはじめ、市民のみな様が将来に夢を持てるまちづくりを進めるため、1つとして、磐城平城の再興と文化の香り漂う中心市街地の形成、2つとして、スポーツの振興とスポーツを通したまちづくり、3つとして、JR常磐線のスピードアップ化と新交通システムの導入を「3つの夢プロジェクト」として掲げ、市民のみな様や様々な関係機関とともに、その実現に向けて、取り組んでまいりたいと考えております。

伊 藤
 ご丁寧な答弁、どうもありがとうございます。
元JR関係者のお話を聞くことがありました。JRでは常磐線にミニ新幹線の導入が難しいことから、スピードアップ化を検討したことがあるというのです。その結果、沿線の信号をはじめ設備の更新等に莫大な費用が必要となるために、スピードアップ化もできないという判断をした。このようなことを伺っております。

 私どもが市議選時に掲げた「学校給食費の無償化の実現」、こういうものがありましたけれども、こういう公約も、これまでの執行部の答弁では実現はなかなか大変だと思うのですが、市長の「夢」を冠した「常磐線スピードアップ化」という公約もJRとの関係でみるとかなり難しそうだな、そんな感想を持つところであります。仮に実現するとなると本市に莫大な費用負担が発生しかねなくなるのではないか、という懸念まで湧いてくるんですね。そういう意味でも、今後の市長の取り組みは注目していきたいと思います。

 私は、前議会で紹介した「櫓ではなく、暮らしに税金を使うべき」、こういう市民の言葉に代表されるように磐城平城の櫓、ここについては建設はすべきでないと考えておりますけれども、市長としては、先ほど述べたような公約の実現を目指して取り組んでいくということでよろしいんですね。

市 長
 3つの夢プロジェクトに関しましては、中長期的な視点に立って実現に向けて邁進してまいりたいと思います。

伊 藤
 まあ、公約については実現に向けて取り組んでいくということですよね。そうするとですね、先程の「夢」、この「夢」も実現を目指すものである、「公約」も実現を目指すものである。そこに何の違いもないんですよね。有権者を前にして語った「夢」と「公約」の違い、これはどこにあるんですか。

市 長
 先程も答弁で申し上げましたが、5つの元気プロジェクトにつきましては、2期目の4年間で実現に努力するものでありまして、夢プロジェクトにつきましては、課題も多いことから中長期的な視点に立って努力をし続けるということで、ご理解をいただきたいと思います。

伊 藤
 まつ、質問の意図がなかなか通じていないみたいなんですけど、市長は「夢」と「公約」ということをあえて分けて、何で夢の実現まで求められるんだ、みたいな話を、私たちにしていましたし、この間、私らが要望書を提出した時にも、そういうお話をされていました。

 それはね、「夢」というものと「公約」というものに違いがあるから言っているんだろうけど、実際は、「夢」も実現をめざすし、「公約」も実現をめざす、ということで、「夢」にも「公約」にも違いはないっていうことなんですよ。結局、そこで言っているのはね。

 そういうことなので、あえて、夢だから実現何で求められるんだ、そういう発言そのものはおかしいんじゃないかなということからですね、「夢」と「公約」の問題ということを、私、取り上げてきたわけです。

 私は、例えば「市民のみんなが豊かに幸せに暮らせるいわき市を作りたい」、こういうものは「夢」なんですと言っても構わないと思うのですけど、例えば「そのために市民のみなさんに1万円ずつの暮らし支援給付金を支給します」、このような政策を言ったとして、その個別具体的な政策まで「夢」だから、「夢」だからというふうになっていっては困る。その使い分けることによって。

 だから、そういう意味ではですね、「夢」と「公約」を使い分けて発言に対する責任を放棄するような言動は慎むべきではないのか、私はそう思います。


(2)「大人の対応」の認識について

伊 藤
 次に「大人の対応」の認識についてうかがいます。

 11月定例会で、インタビューで大人の対応という言葉を使ったこの妥当性を問うた質問に、市長は「解釈の違いがあると思う」と答えていますが、大人の対応の市長の解釈をお聞かせください。

――「辞書読めば分かる」かなと怒声

(辞書にこの項目がないことは11月定例会の私の発言で指摘していますが、忘れられたようです。)


市 長
 4年前のいわき市長選挙の直後におきましては、私の政治姿勢や市政運営方針等について、議員各位のご理解を得るために、多少なりとも時間を必要といたしましたが、私が提案してまいりました議案等について、是々非々の立場で議論を重ね、いわき市議会と執行部が車の両輪となって、本市が直面する課題への対応など、市民本位の市政運営が図られてきたことについて大人の対応ととらえ、申し述べたものであります。

 なお、先の11月定例会におきまして、議員より次のようなご指摘がございました。

 大人の意味には、子どものように駄々をこねたりせずおとなしい様などがある。したがって、大人の対応の(「対応の」は読み間違いと思われる)反対の意味は、分別がない、駄々をこねているとなる。このため、市長に反対するのはおとなげない対応、ひいては議案の一部に反対する会派はおとなげない駄々をこねるような会派であるという議員の解釈でありましたが、私はそのようなことを申し上げてはおりませんし、また、そうした思いも全く念頭にありませんので、解釈の違いと申し上げたものであります。

伊 藤
 あのですね、大人の対応、そういうことは答弁の中では確かに言っておりませんでした。言ってはいませんでしたけれども、そこのところを読み解くと、今、私が指摘したような中身になってくるんですよ。

 だからこそ、言葉の使い方は気をつけなくちゃいかんでしょ、そういうことを前回の質問で言っているわけですよね。

 そこはしっかりとね、押さえておいていただきたいなと思います。


(3)バスやタクシーの無料券配布という新聞折り込み紙の記載について

伊 藤
 さて、次に、バスやタクシーの利用券配布という新聞折り込み紙の記載についておうかがいします。

 いわき経済報から「無料券」とは書いていないという抗議とともに、釈明を求めるショートメールが来まして、確にその通り経済報の記載は無料券ではなく、「利用券」でしたので、その点については訂正させていただきました。

 ただ、この「利用券」という記載を読んで、喜んだ方がそれなりにいたんですね。それはバスやタクシーが無料で利用できるという喜びからだったというふうに考えております。

 そういう意味で無料券というふうに私どもの方では表現しております。

 さて11月定例会では、いわき経済報のバスやタクシーの利用券に関する記載について、市長は一例として示したものが、その後の取材活動の中で、ご指摘のような表現につながったと受け止めているとしましたが、その冒頭の記載内容は、「いわき市の清水敏男市長は早ければ来年度からバスやタクシーの利用券を高齢者向けに交付することになった」でしたが、この記載で間違いがないでしょうか。

市 長
 私は、先の市長選挙にのぞむにあたり、直面する少子高齢化や人口減少を見据えて、中山間地域における交通対策や高齢者の市内移動手段の確保、さらには、昨今、社会問題となっている高齢者の運転免許証の返納などへの対応が喫緊の課題であるという認識を市民のみな様の声や市議会における要望等と相まって、強くいたしてきたところであります。

 このため、本市の実情に即したいわゆる交通弱者と言われる方々への対策を講じていくことが必要不可欠であるとの想いのもと、他の自治体で取り組んでいる事例等を参考にしながら、早急に施策として取りまとめるよう関係部署に指示しているところであり、その内容を取材し、報道されたものと受け止めております。

伊 藤
 他の自治体ですね、事例を参考にしたと言いましたけれど、例えば、これは郡山市で実施しているバスやタクシーを無料にする制度など、こういうのがあるわけですけが、これを念頭においているのでしょうか。



市 長
 郡山市で実施されているものも含めて、検討をするように指示したとこでございます。

伊 藤
 郡山市の制度は、「高齢者健康長寿サポート事業」として、75歳以上は8000円など年齢による限度額はありますけれども、バスやタクシー、温泉等、はり灸・マッサージ等を市が発行する利用券を使って無料で利用できる制度であります。

 利用券と表現するか、無料券と表現するかは、この事例を見ましても、利用という行為に着目して表現するのか、その利用した効果としてのバス等の無料に着目して表現するのかの違いだけで、本質的な問題ではないということが、こっから見えてくるんですね。

 では次に、市長は、先の質問のいわき経済報が記載した文章は、どのような意味を表現したものと把握しているのか、おうかがいします。

市 長
 今後、本格的に人口減少と高齢化が進行し、いわゆる交通弱者と言われる方々への対策につきましては、喫緊の課題であると捉えておりますことから、現在、指示している状況等について述べさせていただいたところであり、庁内の検討状況なども独自に取材し、記事にされたものと考えております。

伊 藤
  庁内の検討状況を取材したというお話ですが、前回の11月定例会の質問で、例えば、バスの利用券っていう問題というのは、答弁に一言も出てこないんですよ。その他、大きな項目の中に少しぶら下がっているという状況の中でね、利用券がなった、という表現というのはやっぱり事実としては、ちょっと書きすぎなんじゃないか、そういうことがやっぱりあそこにはあったんですよね。

 市長は、利用券がなった、という表現ですけど、あれはそのようにおっしゃったんですか。

市 長
 いわき経済報が独自に取材をして書かれたものと理解しております。





 いわき市議会定例会の一般質問1はこちらです。⇒ 東海第二原発の廃炉の意見表明を / いわき市議会12月定例会一般質問1


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